2015年11月15日日曜日

20151115 文系と理系

A「相変わらずブログを続けているようですね。」
B「ええ、こういったことでもしていないと、どうも落ち着きませんので・・。
しかし、これでも時々何かの拍子に落ち込みそうになり、そして胃のあたりに痛みが走ることがあります。
こういうのは、やはりストレスに因るのだろうとは思いますが、それでも、とりあえず現在の自分が出来ることをあまり先のことを考えずにやっていく以外ないのだろうなと思います・・。
そして、それがこのブログであったり、現在の求職活動であると思っています。
しかし一方、こういったことを継続できる期間というのも、ある程度限定されているのだとも思います・・。
それが今夏にはじまり、思いのほか長く続いてしまっている感じはします。
この一連の活動が今後どのようなかたちで一応の終局を迎えるのかは今のところ想像もつきませんが、このようなノンフィクションのようなフィクションの対話形式を用いてその状況を記録しておくのはあながち悪いことではないと思います(笑)。」
A「うーん、私はその点そういった期間はあまり経験していないから、それはそれで貴重であり、また、そういうのは誰かがきっと見ているから、まあ気を強くもって「先ず隗より始めよ」を実践する以外、今のところないと思います。
それに君はまだ若いからね。
人文社会科学系の研究者で最もアブラが乗るのは40歳から50歳の期間だっていうから、まだまだ大丈夫だよ。」

B「はあ、そのような傾向があるのですか・・?
そういわれますと、私もどこかで似た様なことを聞いた憶えがありますが、そこでは研究者の創造的な能力のピークが30代後半から40代前半であると聞いたような気がしました・・。
そうしますと今Aさんからお聞きしました年代と若干異なるのは、もしかしたら、学問分野による違いなのでしょうか?」

A「うーん、明言はできないけれども、昔ながらの人文社会科学系の学問とは、その学問的基盤がある程度出来上がるまでにかかる時間が理系学問のそれに比べ、長くかかるのではないかな?だからアブラが乗る時期が少し遅いのかもしれないね・。」
B「はあ・・そうでしょうか?
それでしたら何故、医歯薬獣医学部などの修行年限、そして工学部なども現在では概ね六年制であるといってもいい状況のなか文系学部のそれは四年制なのでしょうか?」

A「ああ、それはなかなかいいところを突いてきましたね(笑)。
君も知っていると思うけれど理系諸学問とは、大学という研究施設での特殊な機器、設備を用いて学問、研究をしなければならないことに加え、文系諸学問と比べ在学中に憶えることが要求される対象、事柄が多いことが、その原因ではないかと思います。
そして、それが理系諸学問が「実学」とされる理由であり、また、それは一面において事実であると思います。しかし、だからといって文系諸学問が虚学であるとか、内容がないとは決して思いませんけれどもね・・。その意味で文系諸学問とは、社会に出て、はじめてその意味、それが何を指していたのかが分かる様なものが多いのではないかな?それだから必要があると思った時に院にでも行けばいいのではないかと私は思うのだけれどね・・。」

B「はあ、なるほど・・その御意見は大分前にAさんからお聞きして、その様にしましたけれども、それは現在のあまり好ましくない求職活動における状況を除けば、仰るとおりであると思います。また、これは決して皮肉などではなく、私としては思ってもみなかった面白い方向に進んだと思っています(笑)。」

A「まあ、君の場合はたしかに月並みではないね(笑)。しかし私の場合だってその時々の必要性、興味に従い大体やってきたようなものだからね・・それで60歳でようやく学位をもらえたのだよ・・。そういえばあの時は銀座の**ホテルの中にある中華料理店で集まって祝賀会を開いたけれども、君はわざわざ南紀から来てくれたね。」

B「ああ、そうでした。Aさんよく憶えていますね!それにしても還暦で学位を頂くという様な世界とは、文系ではかつてはよく聞きましたけれども、これは理系分野におけるそれとは大きく異なりますよね。」

A「うん、そうだね。
まあ文系でも取得し易い分野があるとは聞くけれども、少なくとも私の年代などでは学位などなかなか取得できないものだったよ・・。これは君の好きな夏目漱石の時代の価値観に近いのかもしれないね(笑)。それでも今後はそういった傾向もどんどん変っていくと思うよ。」

B「ええ、多分その様になっていくと思います。
それでもそうすると今度は私みたいな変なのが多く出てくるのではないかと思います・・。私としては、それは良いことであるとは思うのですが、しかし修了後の就職先を考えてみますと、今のところ暗澹たる心境にならざるをえません。
そういえばAさんは「はかせが百人いる村」って御存知ですか?」

A「ええ、それは前に聞いたことがあります・・。大学院重点化政策の結果、その受け入れ先に問題があるのだろうね・・。こういうのは太平洋戦争の日本側の戦記を読んでいるようです・・(溜息)。しかし残念ながら私ではどうすることもできませんが。」

B「まあ、しかし私などはそのおかげでここまでこられたのかもしれませんので、あまり文句をいえたものでもないのかもしれませんが・・(苦笑)。しかし、私を同年代の平均的な男性と比べると、欠落している、忘れてきたことが多くあることに時折愕然とします。
それに加え、一連の求職活動においてヘタに学位を持っていることが不利に作用したと思われるようなことが幾たびかあり、それでかなり落ち込んだこともあります・・。
そして、そういった価値観、心境が優勢になり定着しますと多分マズイことになるのだろうなと思います・・。ただ、こういった、どう見ても好ましくない状況にて、おかしくなることを防いでくれている要因とは、これまで様々な異なった分野に身をおいて特に悪いこともせずにどうにかやってきたという自覚と、かつて自分ができなかったことができるようになり、そして採用されるかどうかはわかりませんが、とりあえず応募できる職もかつての自分に比べ多くあるということですかね・・。それ故、現在は前にいいましたとおり、自分のできることを続ける以外ないのではないかと思います。」

A「うん、そうだね。それはよく分かるよ。もう少し気を落さずにがんばってみてはどうかね?」

B「ええ、どうもありがとうございます。そうしてみます。」

参考URL:博士の就職難~解決の道がみえてきた