2025年6月29日日曜日

20250629 かつて在籍した研究室での雰囲気について

 さて、以前にも何度か当ブログにて述べたことがありましたが、私がかつて在籍していた研究室の長であった教授(師匠)は、歯学と工学の両分野で博士号を取得された、所謂ダブル・ドクターでした。そして、それ以外に特徴的であることは、英語が非常に堪能である点です。

 もっとも、事情に通じておられる方々であれば、大学の医歯薬理工系分野の教授が英語に堪能であることは、当然とまでは云わないにしても、自然なことだと受け取られるかもしれません。そして、そうした見解も踏まえた上で申し上げれば、師匠の英語で特筆すべきことは、口語においても非常に堪能であるという点です。

 このことは、おそらく師匠ご自身も自任されており、その反映として、当研究室では、毎週水曜日の朝8時から9時まで英論文の輪読会が行われていました。そして、おそらく、これが私にとって、鹿児島在住期の最初の試練であったと云えます。

 とはいえ、私は、それ以前のホテルのフロント勤務の頃や大学院修士課程の頃にも、英語に触れ、学ぶ機会・経験はある程度はありましたので、歯科系の英論文といえど、まったく「歯が立たない」ということはありませんでした。また、師匠や研究室の諸先輩方も「まあ、大丈夫じゃないか…?」程度には評価してくださっていたのではないかと思われます。

 そうしたこともあり、大学院入学から約半年後には、ポスター発表ではありましたが、人生初、海外(韓国)での学会発表の機会を頂くことが出来ました。

 とはいえ、当研究室では、海外での学会発表などは、さほど珍しいことではなく、師匠をはじめ研究室構成員の多くが、度々、海外での学術会議等の出席のために出張されていました。その様子から、「彼等は正式な所用として海外に行くために研究しているのではないか…?」と当時、少し邪推したこともありました…。無論、それは全般的には的外れな考えと云えますが、同時に、ごくわずかではあれ、そうした心情もなかったわけではないとも思われます。

 そして、そうした環境にて師匠が教授として在任されていた当時の研究室は、非常に活発で活気がありました。アカデミアや企業の方々、さらには研究熱心な開業歯科医師・歯科技工士の方々など、さまざまな来訪者が頻繁に研究室にいらっしゃっていました。

 さらに、先述の水曜朝の英語論文輪読会もあり、当時の研究室は端的に「賑わっていた」のだと云えます。

 また、偶然であるのか、当研究室の構成員は、教授をはじめ私に至るまで、血液型B型の男性が際立って多く、その主張の強い性格から、日常的に議論が絶えませんでした。ただ、それらは陰に籠るようなものではなく、双方が納得に至れば収束するといった性質のものでした。

 私はそうした様子を見て、以前に読んだ福澤諭吉による『福翁自伝』に描かれた適塾の活気ある雰囲気が不図、思い出されました。そして、そこから「学究的な空間」とは、古今東西を超えた普遍的なある種の性質や特徴があるのではないかと思うに至りました。

 また他方で、師匠の決して隠そうとされない郷音の河内弁が、会話の途中にて突如、比較的聴き取りやすい英語へと切り替わる様子に、何かしら「常ならぬもの」を感じ取っていたのではないかと思われるところもあります…。

さて、今回なぜこうした題材をブログ記事として取り上げたのかと申しますと、本日(6月28日)、師匠がまた、何らかの公の舞台に立たれると聞き及んだためです。そして今頃は、無事に、そのお役目を果たされたものと考えます。

 そしてこの機に、かつて師匠が率いられていた頃の研究室の様子を文章として記述するとともに、現在、私が英語の口語・文語に対して、つたないながらも何とか対応できている原点を振り返ることは、ささやかながら師匠への称揚ともなり、時宜にかなっているのではないかと考えた次第です。

今回も、最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。

一般社団法人大学支援機構

~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

*鶴木クリニックでのオペ見学につきましても承ります。

連絡先につきましては以下の通りとなっています。

メールアドレス: clinic@tsuruki.org

電話番号:047-334-0030 

どうぞよろしくお願い申し上げます。