2021年7月19日月曜日

20210719 【架空の話】を作成していて何故か思い出した2010年のこと

2010年の秋、当時、鹿児島に在住していた私は学会発表のため名古屋を訪問した。学会会場自体は岐阜市であったが、帰りの飛行機や交通の便などから考えてみると、名古屋の方が良いと思われたため、ホテルは名古屋駅の近くにて予約した。

また、名古屋には文系院時代からの友人のご実家があり、彼は博士課程にて北海道に渡り、そこでどうにか学位を取得されてから、名古屋のご実家に戻り、アルバイトをしながら求職活動を続けていた。

私としては、もちろん学会発表は重要であったが、また同時に、こうした機会に長らく会っていなかった友人に出会うことも同様に重要と考え、そして楽しみにしていた。

待ち合わせをしたのは、たしか夕刻過ぎの名古屋駅の近くであった。私は学会出席のため、着慣れない一張羅のスーツを着用していたが、待ち合わせ場所で見つけた友人は、上下ジャージ姿にて頭にはタオルを巻いていた。

このスタイルからは、かねてより、私が知っている当人との間にギャップは感じられなかったが、同時に、体育会系の色彩がより強まったように感じられた。ちなみに、この友人は御自身の思想を実践するためか、博士課程院生時に体育会運動部に所属し、研究との両立をはかってきたわけであるが、そのためか体格は以前よりも幾分か良くなっているように見受けられた。

そして、二人とも夕飯をまだとっていなかったことから、地元で有名とされるお店に入り、食事を済ませてから喫茶店に入り、互いに最近の出来事などを話した。

それによると彼は、ご実家の近くの板金工場にてアルバイトとして働き、そして月に何度かは地元の公立大学にて何らかの科目の講義を受け持たれているとのことであった。また、大学教員の公募は帰郷以来応募し続けてはいるが、まだまだ学位取得後1年も経っていないことから、そう簡単には決まらないだろうとのことであった。

私の方は、研究室での色々な出来事などを話し、また、先の展望なども話したものと記憶しているが、当時は既に師匠も退職されることになっており、私としても他面において色々と自分の身の振り方について検討しなければならない状況であったと云える・・。

とはいえ、この喫茶店でのハナシは久しぶりということもあり、かなり盛り上がった。

現在になり考えてみますと、2010年当時は双方共に、かなり夢があったと思われるところですが、私の方は何故かそれを思い出して、こうしてブログ記事としています・・。

ちなみにこの友人は私にブログ記事の作成を勧めてくださった方の一人であり、文系院の頃から、色々と無茶でおかしなところがある私に合わせてくださっているのか、お世話になっていると云えます・・。

ともあれ、こうした経緯もありますので、もうしばらくブログ記事の作成を続けてみようと思います。

今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 



一般社団法人大学支援機構



~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

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メールアドレス: clinic@tsuruki.org

電話番号:047-334-0030 

どうぞよろしくお願い申し上げます。







20210719【架空の話】・其の65 【モザイクのピースとなるもの】

医専大3年生の秋口から参加したK大学での実験は、その後、ある程度継続されて、とりあえず一段落ついたのは翌年の春が深まった頃であった。その間に、歯科用陶材の扱い方を習得するためにK市にて開業されているO先生のもとに何度か通い、また実験全体を指導されているS教授とは、親しく接する機会を比較的多く持つことが出来た。

以前にも書いたがS教授は関西人らしく気さくな人柄であり、実験機器などの納入業者の方々とも、ざっくばらんに会話をされることからか、業者の方々からのウケは極めてよく、アブストラクトの締切直前にて実験への追い込みが掛かった、かつてS教授門下の院生であった先生方数人が入れ代わり立ち代わりで研究室の走査型電子顕微鏡で試料観察をしていると、未だ水分が残った状態での試料に電子線を当て続けたためであるか、鏡筒内環境が悪くなり、電子銃のフィラメントが切れてしまうということが度々生じ、ついにストックのフィラメントが全滅してしまうということがあった。

そうした折りに、最後のフィラメントが切れてしまう場面にて電子顕微鏡を操作していたのは医専大での勤務を終え、実験のためK大を訪れていたE先生であった。時刻は既に23:30頃であったが困ったE先生は、とりあえず、その場でS教授に電話をかけた。

少し眠たそうな感じで電話口に出て来たS教授であったが、E先生から事情を聴くと「・・よっしゃ、わかった。明日の午前はペリオ(歯周病学研究室のこと)の**先生が電顕使うはずやからな・・それまでにはなんとか使えるようにするわい・・。」とのことであった。E先生はそれを聞いて「あるいはS教授がどこかでフィラメントの予備ストックを持っているのかもしれない・・。」と思ったそうだが、後で聞いたところによると、S教授はその深夜か、翌朝早くに福岡の九州全土を主管とする修理・サービスセンターに連絡を入れていたそうだ。そして、福岡から新たなフィラメントがK大学に届いたのは、その日の午前10時を少しだけ廻った頃であった。

この迅速さにはS教授御自身も大層驚かれたようで「どうやって福岡から来たのか?」と訊ねていたという。そして、担当者が自動車で来たことが分かると、教授室ロッカーの片隅から一升瓶を持って来て「これな、荷物になるかもしれへんが、ワシの郷里の「灘の生一本」や、帰って皆さんで飲んでください。そして、おかげさまで助かりましたと皆さんにお伝えください。」とのことであった。

以前にも述べたが、S教授御自身もかつて、そうした実験機器などを大学に納入する会社におられたことから、そこでのご苦労もよく分かっておられたのだと思われる。

今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 



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