【架空の話】
そこでしばらくコーヒーを飲みつつ読書をして8:30過ぎに兄に電話をかけると、すぐに出てきて「ああ、着いたか、え、駅前のミ*ドにいるのか、分かった。今から準備をして車で迎えに行く、大体30分で着くと思う。」とのことであった。
兄の云った通り、およそ30分程経った頃、店の外に写真で見覚えのある車が停まりハザードランプを出した。私は、書籍をリュックにしまって担ぎ、コーヒーカップとトレイを返却し、そのまま外に出た。私の姿を認めた兄は車から降りて後部トランクを開けてくれた。この車は四角張ったフォルムの四駆軽自動車(深緑)であり、兄の好みにマッチしているように思われた。そして荷物をトランクに積み、私は助手席に座って走り出すと、兄は「1月終わりだけれど、こっちは結構暖かいだろ。もうじき、県の南の方では梅の花が咲き始める頃だよ。しかし、この時期は釣りは厳しくてね・・。まあ、寒いとお魚さんも活性が落ちてしまうんだろうな・・。ああ、それはそうと、まだこっちに着いてからはドーナツくらいしか食べていないんだろ。今日の昼はWラーメン、まあ、地元では「中華そば」って云うんだけれども、これを食べよう。ラーメンは、**も好きだろ?」と云ってきたため、私は「ああ、本場のWラーメンは食べたことがないから、是非食べてみたいな・・。それと兄貴の家はここからどのくらいで着くの?」と聞き返した。すると「ああ、市内の南の方の職場に近いところでアパートを借りて住んでいるのだけれども、こっちのアパートは結構広くてね・・。ここから車で10分かからない程の場所だよ。それで、今日行こうと思っている、そのWラーメン(中華そば)のお店は11:00に開店だから、一先ずウチに荷物を置いて、少し休んでいたら良い時間になるから、そこから、また車で出よう。」とのことであった。また、そのような会話の途中でも運転しつつ兄は、走行している道路の右側にある、時代を感じさせる店構えのお店を指しながら「ほら、あれがWラーメンが全国区になるきっかけになったI商店だよ。ここはたしかに元祖で美味しいけれども、これから行くところとは、またちょっと感じが違うんだなあ。」などと、道路沿いにある店の情報などを説明してくれていた。
ともあれ、そうこうするうちに、9:30前にはW市郊外にある兄のアパートに着いた。このアパートは首都圏の基準であれば充分に広く、家族でも住むことが出来るタイプであったと思われる。兄の部屋は最上階の3階にあり、階段を登り部屋に入ると、そこには兄の趣味が広がっていた。以前ほど、フライト・ジャケットなどには凝らなくなってはきたものの、昔からお気に入りの数着は、まるで絵画かオブジェのように壁際に吊るされていた。また、新しい趣味である釣りに用いるロッドも数本、壁に掛けられていた。そして、私が滞在中の居室として通されたのは、使用していないという、たたみ畳敷きの8畳の和室であり、そこには布団が敷かれていた。そこに荷物を置き、手と顔を洗い、少しサッパリしたところで、リビングルームで兄と雑談をしていると、そのうちに時刻は10:20頃になっていたことから、財布やスマホなどの必要なものだけを持って、再び外にでた。首都圏と比べて温暖とはいえ、1月末のWも十分に寒く、一度家に着いてからの再びの外出が少しだけ面倒に思えた。一方、兄の方はテンションが高めであり、この程度ではあまり寒いとも感じていないようであった。そしてまた、自動車でW市街地にあるという、その中華そばのお店に向かった。市街地に入ると、左手にお城が見えてきたが、兄はそれには関心を示さず、丁度、城を過ぎたところの交差点で右手に曲がり、そこからすぐに小さな橋を渡ると、さらに右折し、堀川沿いの道を少し走ってから、左に曲がり、すぐに再度左折すると、右前方の方に、それらしき店が見えてきた。ここで兄は「しめた!一つ空いているぞ。」と店の専用駐車場に駐車することが出来た。その時、時刻は10:50を少し過ぎた頃であった。
*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
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ISBN978-4-263-46420-5
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