2024年5月5日日曜日

20240504 令和・歯科医院訪問記⑤番外編:「少しおかしいながらも活気あふれる様子」について

おかげさまで、直近投稿の「令和・歯科医院訪問記④山梨について」はその後、投稿後3日の記事としては、比較的多くの方々に読んで頂けました。読んでくださった皆さま、どうもありがとうございます。そしてまた、出来ましたら、今後もこうした取り組みを行いたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

さて、過日投稿の記事末尾近くで、北杜夫著「どくとるマンボウ医局記」を挙げましたが、その後、当著作を探したところ見つからずに、先日、人に渡していたことが思い出されました。当著作は、鹿児島在住時にはじめて読み、その後、何度か当著作を購入しては、興味を持たれそうな先生方にお渡ししてきたことから、私としては、かなりお気に入りの一冊であると云えます。そして、当著作内の山梨についての記述が、先日の投稿記事とも関係がありつつ奮っており、大変面白いと思われたのです・・。

あらためて北杜夫による「どくとるマンボウ医局記」に注意を向けてみますと、当著作は時代背景が昭和30年代であり、現在とは時代も異なり、そのために、おかしく感じられるところもありはするのですが、それでもなお、研究などをする環境に多く通底する、あるいは異言しますと、福沢諭吉による「福翁自伝」にある大阪適塾についての記述とも相通じるような「少しおかしいながらも活気あふれる様子」が描かれていると思われるのです・・。

そしてまた、この「少しおかしいながらも活気あふれる様子」は「創造性」とも親和性があり、そして、それ故に「学問の自由」に大きな意味や価値があるのだと思われます。しかしながら、近年の特に人文社会科学系では、「学問の自由」のもとに「少しおかしいながらも活気あふれる様子」の排除を試みているようにも思われます。そこから、たしかに社会全般の創造性の向上に寄与することのない(ある意味自己完結的な)学問分野は必要であるのかと考えてみますと、その返答は難しいと思われます。

ともあれ、創造性の強化や励起のためには「少しおかしいながらも活気あふれる様子」が適していると思われますが、これを具体的な個人に落とし込んでみますと、それは「躁」や「軽躁」の状態に近いように思われます。とはいえ、この「躁」は、ある種「症状」でもあることから忌諱されがちですが「軽躁」程度ですと、いつもよりも活発になり、多くのことが出来るため、継続可能であれば良いのではないかと思われます。

そして、こうした「躁」や「鬱」といった精神状態は、その人の挙措動作や態度といった表層にもあらわれ、特に「躁」などの、いわば活性化して多動になっている時には、さらに分かり易いと云えます・・。

そして、その視座から、あらためて訪問先医院の院長について考えてみますと、以前に述べたように、山梨、東京そして沖縄を中心として、よく移動をされており、そしてまた勤務されている都内の比較的大規模な歯科医院においても、ご自身で診療をしつつ、院内にいる臨床研修医や若手GPの先生方の指導もされています。では、こうした活発と評して良い歯科医師の日常における態度には何かしら「躁的」なものがあるのかと、検討してみますと、上手く表現することは未だ出来ませんが、ただ、これまでにお目に掛かった「軽躁」的と評し得る方々と共通する、何と云いますか、ある種の「波長」があるようには思われます。

「波長」といいますと、また抽象的な表現ですが、しかし、感覚としては、おそらくご理解頂けるのではないかとも思われます。

そしてまた、こうした「躁」や「鬱」そして「波長」などを、「表層にも表れる精神の状態」と考えてみますと、谷川健一などが述べていた琉球を含む南西諸島や鹿児島などの文化で、人に付着する外来魂である「セヂ」というものがありますが、あるいは、「躁」や「鬱」なども、この「セヂ」の付着に類するものと考えてみても、理解、解釈することが出来るのではないかとも思われるのです・・。

それにより、当院長の沖縄在住期間に何らかの変化があったのだとすれば、それはそれで興味深いものがあるようにも思われます。

今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます!

一般社団法人大学支援機構


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ISBN978-4-263-46420-5

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