2021年12月27日月曜日

20211227【架空の話】・其の79 【モザイクのピースとなるもの】

医専大口腔保健工学科での歯科理工学実習は、D2に上がってから参加させて頂くようになったが、K大学歯学部での歯科理工学実習は、その前年から実習補助として参加していた。歯学部での実習は対象が3年生であり、教養課程を経てすぐであったことから、石膏の練和や鋳造などといった歯科独特のさまざまな材料や技術に接する初めての機会であり、その意味で、この歯科理工学実習は、それなりに意義深いものであったと思われる。

K大学歯学部の一学年学生数は年度によって若干の偏差はあるものの、概ね50人ほどであり、実習に際しては、出席番号などに基づき、大体10人毎の班を5つ作り、それぞれの班が週替わりで、異なった実習を受け、それを廻していくといった流れであった。

以前にも述べた通り、当時、研究室にはS教授をはじめとして合計4名の教員がおり、また、実習時にはTAとして他の研究室から大学院生が1~2名ほど、実習補助として参加することもあったが、そうした事態はあまり多くはなかった。

私は歯科技工士ということで、主として鋳造などの液相状態の合金を扱う実習項目の補助に就くことになったが、それら項目の担当教員は、以前に述べた歯科技工士を背景とする、定年間近ではあるものの、大柄で逞しい感じがするJ先生であった。

このJ先生は、私が医専大3年の頃、歯科用陶材の操作法を教えてくださったK市在住の開業医であるO先生と親しく、そこから、これをハナシの起点として、後日、J先生とも比較的気軽に話すことが出来るようになった。また、担当する実習項目の内容および、その手順については、高温の炎を用いることから、学生さんがケガを負うような事故が起らないようにと、時間を掛けて、実演等を含めて懇切丁寧に教えてくださった。

それに対して私も頑張ろうと思ったのか、この一連の実習に際しては色々と動いた記憶がある。そして、そうしたこともあってか、さきに述べた医専大口腔保健工学科での実習補助も任せて頂けるようになったのかもしれない・・。

また、鋳造やロウ付けなどの高温状態となっている合金を扱う作業を、男女問わず、学生さんがしているのを見ることは個人の心情としても興味深いものがあり、あるいは、それを数年間見続けていると、何かしら面白い発見があるのではないかとも思われた・・。

ともあれ、こうした経緯によって、歯学部3年生および口腔保健工学科2年生双方での歯科理工学実習に補助として関与させて頂くことになったが、やはり学生さんの手先の器用さに関しては全般的に医専大の方が少し優っているように見受けられたが、他方で歯学部の学生さん等は、こちらが伝えたことを、学生さんが互いに教え合うことによって実習の進行がスムーズになるといったところがあり、これはこれでまた、興味深い現象であると思われた。

ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
順天堂大学保健医療学部

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 


一般社団法人大学支援機構



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