6世紀前期、継体天皇の在位期間、とりわけ西暦527年の筑紫君磐井の乱以降、ヤマト王権による地方在地勢力への介入が強くなり、それまでの地方における支配体制の再編が為された。そして、この政治的な動きを考古学的な視点から具現化したと考えられることが、それまで各地で造営されていた首長墓としての前方後円墳の衰退と、群集墳の造営が爆発的に増加することである。以前にも述べたが、群集墳とは一定の墓域に小古墳を主として密集し造営される一群の墳墓であり、これは横穴式石室による墳墓造営の盛行と概ね同時期にはじまると云える。
横穴式石室に関しては以前にも述べたが、我が国では4世紀末頃に大陸に近い九州北部地域にて先ず受容され、同地域内にて5世紀を通じて広がり、また5世紀中期頃以降は近畿圏においても受容されていった。この横穴式石室を主たる造営様式とした近畿圏の著名な群集墳として和歌山県和歌山市の岩橋千塚古墳群が挙げられる。そして、これまた以前に述べたことであるが、和歌山県北部は近畿圏の中でも横穴式石室の受容が早く、これは当地を支配していた豪族紀氏が古くから航海技術に長け、ヤマト王権内部においても海洋交通を職掌とする豪族であったことが関係していると思われる。
また、時代は若干遡るが5世紀後期頃の造営とされる和歌山市の大谷古墳は国内にてはじめて馬冑が出土したことで有名であるが、この古墳の被葬者を納めた石棺が九州北部産出の阿蘇凝灰岩(阿蘇ピンク石)にて作成されていることもまた大変興味深い事実であり、さらに、これと同素材にて作成された石棺が、さきに述べた継体天皇の陵墓と考えられている大阪府高槻市の今城塚古墳からも出土していることは、この時代(5世紀後期~6世紀前半)を考える上で何かしら示唆するものがあるのではないかと考える。
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おかげさまで昨日投稿分の記事もまた多くの方々に読んで頂けました。読んで頂いた皆さま、どうもありがとうございます。それに加え、当記事内容に関連する既投稿記事も多く読んで頂けていることから先刻より新たに本日分の記事作成を開始した次第です・・(笑)。
さて、昨日投稿分記事にて述べた『実際の何らかの様相から要素を抽出し、それらを架空の物語上にセンス良く再配置することにより、その物語は物語として具体性を帯び、面白いものになってくる』ということは、絵画のキュビスムと関連性があるものか分かりかねますが、しかし、それらを含め、もう少し視野を広げてみますと、おそらく我々の行う学術・芸術など創造的活動の多くは、具体的な存在の中から要素を抽出し、それを素材として用い、時には他の要素をも加え、新しい何かを創造する行為であると云えます。そしてそれはステーキとハンバーグあるいは刺身とたたきの間にある違いにも似ているのかもしれません・・(笑)。
そしてまた、このことは、自然科学系学問の実験にも、同様あるいは類似した様相があると云えます。実験において『実際の何らかの様相もしくは具体的な存在』は『コントロール』と称される条件であり、これを基準として新たな条件が設定され、それに基づいて実験が為され、得られた知見に対しての考察が為され、さらにそこから新たな実験条件が設定され、より大きく、包括的・普遍的な新知見に達しようと試みる一連の行為は、たとえ一つ一つの行為には創造的と見做される要素が乏しくとも、全体像として眺めてみますと、創造的な要素が少なからずあるのではないかと思われます。
また、そこからさらに敷衍して考えますと、一連の当ブログ記事においても、内容的に類似した記事が複数あるにしても、同時にそれらには少ないにしても独自の意味合いもあり、そして、そうしたことを継続することにより、まさしく漸進的にではありますが、文章とそれが示す内容(表現された内容)との間の乖離が徐々に縮まっていき、思ったこと、考えたことをより精確に、そして適切に表現することが出来るようになっていくのではないかと思われるのです・・。とはいえ、こうしたいわば内面の変化は創造的な活動ではなく、その前段階と云えますかもしれませんが・・。
しかしながら、おそらくさきの実験について述べたものと同様、こうした創造的要素が乏しいと考えられること(内面の変化)がいくつか為され、そしてそれらが連動することにより、はじめて創造性が駆動し始めるのではないかとも思われるのですが、さて如何でしょうか?
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