2025年5月7日水曜日

20250507 地域の「自然の薫り」と「歴史の厚み」から

 直近の投稿記事にて地域の「自然の薫り」と「歴史の厚み」が徐々に歴史意識を生成させるのではないかと述べましたが、これも自らの経験に基づいており、その意味で今世紀初頭の頃の南紀一帯は、いまだ古いものが少なからず残っていたと云えます。それは口承や祭祀などの伝統行事、そして、それらを包括する生活の場、全体を通じて、そうであったと云えます。これら地域の古くからのものを看取する経緯とは、たとえば、釣りの話をしていて、地域にある野池に大物がいるかと話していると「その野池は地下で川と繋がっており、そこのヌシはたしかに大物だが、滅多に釣り上がることはない。」であるとか「あそこの野池に木の枝を入れて池の水をかき混ぜると雨が降る」といったものであり、さらには地域の神社の祭礼などで、よく陽に焼けた地元の方々が、おそらくは古くから用いてきたと思しき、古めかしく少々色あせた水干か狩衣を着け、頭巾(ときん)か烏帽子などを被り、産土神の祭礼に、ぎこちない感じはありつつも参加されている様子からは、近年の時代もののドラマや映画などからは看取することが困難な、「ああ、実際の往時の祭礼では、神職の社家や宮座の方々も、普段は農業や漁業などに従事されていたのであろうから、このような感じであったのだろう…。」といった認識を比較的明瞭に得ることが出来ると云えます。さらに、そうした日常的な様相にまで近づいた往時での方々のいで立ちに、さらに別日の白良浜の清掃の際に見た、長柄の紀州鉈を持たれていた植木職人の方々の自然ないで立ちとを統合してみますと、おそらくは大和朝廷が支配していた頃の役人の実際のいで立ち、様相が、比較的鮮明に結像し得ると考えます。そして、こうした経験を何度か重ねるうちに、徐々に、その地域での歴史の変遷の様相も理解出来てくるのではないかと思われますが、その契機となるものが、冒頭に述べた地域の「自然の薫り」と「歴史の厚み」といったものであると考えます。さらに、おそらく、こうしたものは、相性のようなものがあるのではないかとも思われました。

そして今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます!

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