つまり、さきのような現実の出来事を、ある程度抽象化して文章にすること自体が、その出来事を忘れないための手段であったことに、今さらながら思い至るのです。
さて、ここまで文章を作成していて思い出された記憶は、去る12月6日(土)に関与させて頂いた学会に関するものです。こちらの学会は比較的新しい歯科医学分野の学会であり、その学術大会は、今回で第11回目を迎えます。そして、この学術大会では、以前より、歯科理工学分野の師匠を教育講演講師としてお呼び頂いていますが、今回も師匠は新たにネタを仕込み、スライドを作成され、講演前日の夕方には会場近くのホテルに入られていました。
そしてその日、学術大会の用務を終えた私と、診療を終えた都内で開業されている門下の先生(私の兄弟子にあたります)を呼び出し、宿泊先のホテルで、作成したスライドを予演のように我々に聞かせるのです。その後、我々の意見を聞き、それが議論を通じて妥当であると判断されますと、スライドに加筆修正をしたり、画像データを差し替えたりされます。そうした様子を見ていますと、師匠は既に70歳をとうに過ぎているにもかかわらず、他者からの見解を度々求め、ご自身の作成スライドに躊躇なく手を加えることが出来ることに毎回のように感心させられます。
実際、そのことを師匠に尋ねてみますと、概ね次のように返答されました。
「最近はだいぶ普及してきた云うてもやな、まだまだジルコニアは分かってへんことも多いんや。それでな、一番アカンのは、よう分からンままに、科学的な根拠もない憶測みたいなンが、業界やら学会やらに、割と広う出回ってしもてることや…。
せやからな、この学会で教育講演やらせてもらえるンは、ワシにとってはホンマに有難い機会なんや。
それでや、お前らみたいに気ぃ使わんでエエ連中に、いっぺん作ってきたスライドの内容を聞かせて、その反応を見てな、これはイケる、これはアカン、云うてもろて、それをまたスライドに落とし込む。まあ、そういう作業がな、ワシにとっては結構大事なンや。」
さらに、体力や学会などでの立ち振る舞いについては、次のようにも述べられていました。
「ワシもな、前に比べたら、体力は確実に落ちてきとる。せやけどな、まだ60分や90分くらいの講義や講演やったらイケる。ただな、元の体力が落ちとる分、余計なとこで消耗したくないンや。
学会のパーティ云うたら、エライ先生もようけ来てはるやろ。それに、よう知らん先生にも、それなりに気ぃ使わなアカン。
そんなンするくらいやったらやな、お前らみたいに、気ぃ使わんでエエ連中相手に、いろいろ喋っとる方が、よっぽど楽やし、その分、講演の方にも気持ちがちゃんと向くんや。」
この師匠のスタンスは以前と変わらないものであると云えますが、学会発表であれ、講義や招待講演や教育講演であれ、自らの知見に基づき、科学的に妥当と考えられる見解を、出来るだけ分り易く伝えようとする、その一貫した行為態度には、私自身も多少なりとも学ぶところがあったのではないかとも思われます。あるいは、それが少しでも根付いたからこそ、当ブログは、なんとか10年以上継続することが出来たのではないかとも思われます。
ちなみにこの時、最近刊行された歯科専門雑誌に掲載された師匠の執筆記事について、「お前、読めえ!」と云われ、続いて同席していた先輩からも「俺の記事も読めえ!」と云われました。そこで私は、「分かりました。次の休みに水道橋のシエン社に行って、立ち読みして、面白そうでしたら購入します」と返事をさせて頂きました。そして、去る11日(木)の休日に御茶ノ水駅で下車し、駿河台を下って靖国通りに出て、神保町の古本屋街沿いを九段下方面へ少し歩き、神保町交差点で右折して白山通り沿いに水道橋方面へ進み、JR水道橋駅の高架を過ぎて後楽園方面への交差点を渡る手前で左折すると、マクドナルドやココイチを過ぎた辺りの左手に、歯科系書籍の専門店として界隈では知られているシエン社があります。
そこで、他の歯科系雑誌や書籍をしばし立ち読みした後、件の雑誌を手に取り読んでみますと、やはり面白いと思われましたので、購入させて頂きました。また、購入時に領収書の作成をお願いしたところ、そこからシエン社さまの相談役の方と多少話が盛り上がってしまいましたが、ともあれ、師匠から勧められた書籍は購入し、その後拝読させて頂きました。内容は、師匠が常々述べられている世界規模での歯科医療の様相や、その推移が、材料学あるいは工学的見地から述べられており、特に業界に関与される方々は、興味深く読むことが出来るのものと考えます。
また、ここまで文章を作成していて、さらに思い出されたことがあります。それは、過日、国際関係論や公衆衛生、医療政策分野などに造詣が深い別の先生から、電話口にて自著を勧めて頂いたことです。後日、こちらの著作も購入して拝読させて頂きましたが、これもまた大変興味深い内容が述べられており、いずれ改めて引用記事を作成させて頂く予定です。
このように、ブログ記事のネタとなりそうな現実の出来事は、それなりに生じています。しかし、いざそれらを記述しようとしますと、どうも、この文章のように、何やらゴタゴタした文章になってしまうようです…(苦笑)。後日、改めて加筆修正を行うことになると思われますが、とりあえず、今回はこの辺で区切らせて頂きます。
そして、今回もここまで読んでいただき、どうもありがとうございます。
ISBN978-4-263-46420-5
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