その中の一冊がジャレド・ダイアモンド著「危機と人類」上巻ですが、当著作にて述べられているさまざまな事例は、これまで、あまり知らなかったものが多く、興味深く読みましたが、同時に当著作の全体的なテーマは、同著者が編著にあたった「歴史は実験できるのか」とも通じるものであると思われました。
https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766425192/
とりわけ、後著作の第5章にて述べられいる「奴隷貿易はアフリカにどのような影響を与えたか」は、自身として初めて読む歴史上の出来事についての考察であり、また、こうした題材がそこまで学術的とも云えない、一般的な書店にて購入可能な著作にて扱われた意味や反響は思いのほかに大きく、あるいは、現今のコロナ禍最中、主に欧米にて生じている大きな動き、思想的な潮流にも影響を与えたのではないかと思われます・・。
とはいえ、こうした考え自体は決して新しいものではなく、特に同著者は、こうした問題(世界規模における文明の発展段階の地域毎の相違、およびその原因について)を著作の主題として多く扱ってきたと云えます。
それに加えて他の現在読み進めているユヴァル・ノア・ハラリ著「21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考」もまた、こうした歴史的な事例の考察の上に組み立てられた著作であると云え、その意味で、当著作は、同著者による前著の「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」といった、歴史的事例が少なからず書かれている著作とは毛色が異なり、より抽象的あるいは観念的色彩と強いと云えます。
それ故、同著は読み進めるのに多少苦労するのでしょうが、また同時に、読書としては面白いと云えるのかもしれません・・。
ともあれ、こうしたことを書いていて、いささか不思議に思うことは「危機と人類」そして「21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考」などは、まさに現在の我々人類全体に生じている出来事、動きをある意味、予見しているとも考えられる著作でありながら、あまり、そうしたこと、そしてまた、その「意味」を、それぞれの著作を基軸として議論されていないということです。
こうしたことは他の国々においても同様であるのかもしれませんが、我が国においては、言語が違うということもあってか、そうした傾向がいくらか顕著であるように思われ、それが良くも悪くも我が国の通例である「ガラパゴス化」といった現象を生み出しているのかもしれませんが、さきのジャレド・ダイアモンド氏による我が国について扱った記述には「ガラパゴス化」というコトバは我が国に対しては用いられていなかったように記憶しています・・(笑)。
*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
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祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
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