さて、あるいは地方においても同様であるのかもしれませんが、昨今の首都圏の状況は一種騒然としたものがあるように思われます・・。今後これがどのようなカタチにて収束していくかは分かりませんが、いずれにせよ、経済的利益のみを正義であると考え続けていると、こうした状況が生じるのかもしれません・・。また、それと関連して、以前よりしばしば指摘されてきたことではありますが、我が国はさきの西欧的な近代化と同様、資本主義においてもまた適応し過ぎたのかもしれません・・。しかしながら、その一方で、我が国古来の良俗を復活させることを主張する方々が正しいのかと考えてみますと、これもなかなか難しいように思われます。
そうしたことから、三島由紀夫の言は、まさに現在にこそふさわしいのかもしれません・・。
『無思想な事大主義?』
集英社刊 サミュエル・ハンティントン著『文明の衝突』下巻 pp.109-111より抜粋引用
ISBN-10: 4087607380
ISBN-13: 978-4087607383
『中国の台頭は日本にとっては大きな難題で、日本はどちらの戦略をとるべきか、意見が大きく割れている。なんらかの交換条件、たとえば中国の政治的・軍事的優位を認めるかわりに、経済問題での日本の優位を認めさせるなどして、中国に順応しようとするべきだろうか?あるいは日米同盟に新しい意味と活力を与えて、中国と均衡を保ち、封じ込めるための提携の核となるべきか?中国からなんらかの侵略があった場合にそなえて、自国の軍備拡張を試みるべきか?おそらく日本は、この問題にたいするはっきりした結論をできるだけ先おくりするだろう。
中国との勢力バランスを保ち、封じ込めるための意味ある試みの核になるのは、日米軍事同盟しかないだろう。時間はかかっても、日本がこの目標にそって同盟関係を見直すことは考えられる。日本がそうするためには、次の点で自信をもてるかどうかによる
(一)アメリカが世界で唯一の超大国でありつづけ、世界の問題に積極的に指導力を発揮しつづけれるか、
(二)アジアにおける軍事的プレゼンスおよび影響力を広げようとする中国と戦うことをアメリカが確約するか、
(三)莫大な資源という犠牲を払うことなく、戦争という大きな危険なしに、アメリカと日本に中国を封じ込める力があるか、
アメリカがはっきりした決意も公約も示していないし、その可能性も低いので、日本は中国に順応することになるだろう。一九三〇年代と四〇年代に、日本は東アジアを征服するという一方的な政策を追求して、壊滅的な結果を招いたが、この時代をのぞいて日本は歴史的にも、自国が適切と考える強国と同盟して安全を守ってきた。一九三〇年代に枢軸に参加したときでさえ、日本は当時の世界政治のなかで最も強力な軍事志向をもつ勢力と考えた相手と提携したのである。二十世紀の初めに日英同盟を結んだが、当時の世界情勢でイギリスが指導的国家だということを認識していたのだ。一九五〇年代になると、同じように世界で最も強大で、日本の安全を守ってくれる大国であるアメリカと日本は提携した、中国と同じように日本も、国内政治が階層的なので国際政治の問題も階層的なものと考える。日本のある著名な学者は以下のように述べている。
日本人が国際社会における日本の立場を考えるとき、日本の国内モデルから類推することが多い。日本人は国際秩序を、日本の社会の内部では明らかな、縦の組織形態の関連で特徴づけられる文化の形態を外部に示すことだと考える。国際秩序をこのように見るのは、長きにわたった前近代の日中関係(進貢システム)で得た経験によるところが多い。
このように日本の同盟にたいする感覚は「基本的にはバンドワゴニングであって、バランシング」ではなく、「最強国との提携」だった。日本で長く暮らしたある西欧人は、これと同意見だ。日本人は「不可抗力を受け入れ、道徳的にすぐれていると思われるものと協力するのが、他のほとんどの国よりすみやかだ。そして道徳的に不確かな、力の衰えはじめた覇権国からの横暴な態度を非難するのも一番速い」。アジアでのアメリカの役割が小さくなり、中国のそれが増大するにつれ、日本の政策もそれに順応するだろう。事実、すでにそれははじまっている。日中関係の基本的な問題は、キショール・マフバーニーの見るところ、「どの国が一番か?」ということだ。答は明確になりつつある。「口にだして公言したり、了解を示してはいないが、まだ北京が国際的にかなり孤立していた一九九二年に、日本の天皇が中国を訪問したのは意義深いことだ」
日本の指導者たちや国民が、過去数十年と同じかたちで最強国アメリカの傘の下にいるほうが、理想的にはよいと思っているのは間違いない。しかし、アジアにおけるアメリカの影響力が小さくなると、日本は「再びアジア化」すべきだとする考えが日本国内で勢いを増し、東アジアの舞台で中国が改めて強い影響力をもつのは避けられないと考えだすだろう。たとえば一九九四年の世論調査では、ニ十一世紀にどの国がアジアで最大の影響力をもつかとの質問に、日本の一般市民の四十四パーセントは中国、三〇パーセントがアメリカだと答え、日本だと答えたのはわずか一六パーセントだった。一九九五年に日本のある高官が予想したように、日本には中国の興隆に順応するだけの「自制心」があるだろう。そのあと彼は、アメリカにそれがあるだろうかと質問した。最初の予想は当たっていそうだ。あとの質問にたいする答は不明である。』
現在までに日本列島各地において生じた、もしくは現在も継続して発生している地震・大雨・水害・火山噴火などの大規模自然災害により被害を被った(被っている)諸地域の安全そして復興を祈念しています。
~書籍のご案内~
昨年暮に師匠による著作が医歯薬出版より刊行されましたのでご案内いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
著書名:『CAD/CAMマテリアル完全ガイドブック』
ISBN978-4-263-46420-5
著書名:『CAD/CAMマテリアル完全ガイドブック』
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