生成方法と種類
次亜塩素酸水は、塩化ナトリウム(食塩)や塩酸を電気分解することで生成されます。また、方法によっては次亜塩素酸ナトリウムを希釈して生成する場合もありますが、これでは効果が乏しく、さらに、人体に有害な残留物が残る可能性があります。そのため、正しく生成された次亜塩素酸水を選択することが重要です。
次亜塩素酸水は、pHと有効塩素濃度(ppm)によって①「強酸性」②「弱酸性」③「微酸性」の3つに分類されます。
①強酸性次亜塩素酸水(pH 2.7以下、20〜60 ppm)は、短時間で多くの病原体を殺菌でき、医療機器や施設の消毒に使用されます。ただし、酸性度が高いため取り扱いには注意が必要です。
②弱酸性次亜塩素酸水(pH 2.7〜5.0、10〜60 ppm)は、食品加工や厨房設備の消毒に適しており、安全性が高く扱いやすいです。
③微酸性次亜塩素酸水(pH 5.0〜6.5、10〜30 ppm)は、ほぼ中性に近く、食品や農産物の洗浄に使用され、人体や環境に優しいため、日常的な消毒にも適しています。
高い殺菌効果とそのメカニズム
次亜塩素酸水は、細菌やウイルスの細胞膜に直接作用し、酸化反応を通じてタンパク質や脂質を破壊することで、短時間で99%以上の病原体を死滅させます。特に耐性が強い芽胞やカビに対しても有効であり、強力な除菌効果が確認されています。そのため、医療現場や食品業界での感染対策に重宝されています。また、次亜塩素酸は使用後に塩・酸素・水に分解されるため、食品や器具の表面に残留せず、安全性が高いことも特徴です。実際、微酸性次亜塩素酸水で処理された野菜や果物は、栄養価や味への影響がほとんど見られないことが実験によって証明されています。
口腔ケアへの応用
次亜塩素酸水は、その高い殺菌力と安全性から、口腔ケアにも活用されています。例えば、50ppm程度の濃度でうがいを行うことで、口腔内の細菌を除去し、虫歯や歯周病、口臭予防に役立ちます。使い方としては、歯磨き後に20秒ほど口に含んで強めにうがいをすることで効果を最大化できます。
保管方法と取り扱いの注意点
次亜塩素酸水は時間や光、温度の影響を受けやすいため、冷暗所で密閉保存することが推奨されます。特に日光などの紫外線によって分解が進み、効果が低下してしまうことから遮光性のある容器で保存するのが理想的です。また、使用する際は、ppm濃度が適切かを確認し、適切な用途に合わせた濃度の製品を選択することにより、その効果を最大限に発揮できます。
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祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
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