また、かねてからの我が国の社会全体の高齢化の進展に伴い、入れ歯や銀歯などの補綴装置の需要も増加しており、そこから、歯科技工士の重要性が増しているとのことです。
多くの場合、歯科技工士は歯科技工所で働きます。ここでは、各種歯科補綴装置の作製が行われ、歯科技工士の約7割が勤務しています。また、一部の歯科医院には歯科技工室が設置されており、ここで働く歯科技工士も約2割ほどいます。さらに歯科関連の企業などにおいても、多くはありませんが技術職や営業職として勤務している歯科技工士もいます。
歯科技工士は独立して開業することも可能であり、歯科技工所での勤務経験を経て、独自の技術を研鑽して独立される方々もおられます。また、その場合、新たな雇用を創出して歯科技工士の育成にも寄与することが出来ます。
とはいえ、歯科技工士の職業には、いくつかの難問があります。それは、高い離職率や後継若手技工士の不足、そして養成機関の閉鎖といったものであり、比較的近い将来、歯科技工士の需要と供給のバランスが崩れてしまうといった懸念も現実的であると云えます。
また、近年、歯科技工はデジタル化(DX)による影響を強く受けており、くわえて、CAD/CAMや3Dプリンターといった、現在、巷を賑わせている新技術も続々と導入されておりますが、これからの歯科技工士は、こうした新たな技術体系全般に、ある程度は適応する必要があると云えます。
こうした新技術の導入や、若年人口の減少により、歯科技工士養成校の閉鎖が続く一方で、歯科衛生士の養成機関は新設が相次いています。この、ある意味対照的とも云える状況は、おそらく、歯科技工士と歯科衛生士の専門職としての性質の違いに起因しているのではないかと思われます。歯科衛生士は臨床にて患者さんと接する機会が多く、また、養成課程もそれに合わせています。一方、歯科技工士は各種歯科補綴装置の製作に専念し、対人的な要素は少ないと云えます。
将来、歯科技工士の養成機関がどのように変化するかについて、その具体像は未だ不明ではありますが、デジタル化の進展とともに、その役割は歯科医療において、もう少し重要なものになるのではないかと思われるのですが、現実的に考えますと、歯科技工は、歯科衛生士の一職分となるのが妥当ではないかと思われるのですが、さて、如何でしょうか?
*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
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