さて、先日来から読み進めていました岡 義武著「明治政治史」下巻は、一昨日の元日に読了し、その後、続編とも云える同著者による「転換期の大正」を読み始めました。このいわば近現代日本前期の歴史については、これまで戦争・争乱などを通じての認識が主たるものでしたが、今回の読書によって多少視野が広がったように思われます。あるいは現在において問題とされている、さまざまな事象に繋がるものも少なからずあるように思われました。その意味において当著作は名著であり、また当著作を読むに至る原因となった陸奥 宗光著「蹇蹇録」もやはり優れた著作と云えるのではないかと考えます。
ともあれ、今年の読書は「明治政治史」下巻、そして「転換期の大正」からはじまった次第となりましたが、同時に少し前から気になっていましたユヴァル・ノア・ハラリの新著「21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考」とジャレド・ダイアモンドによる「危機と人類」上下巻も読み進めていきたいと考えています・・。
他方で、ここ最近気になった著作は、以前にも読んだことがあるジョルジュ・バタイユ著「呪われた部分」です。この著作では経済活動を含む我々人間の諸活動について、その起源から考察し、特に合理化された思考を持つ現代人からは忌諱されがちな「消費・蕩尽」の意味を重要視しているところに特徴があると云えます。
当著作は修士院生当時、地域にて古代から続く雨乞い祭祀の背景、あるいはその始源にある考えを理解するため、ジェームズ・フレイザー著「金枝篇」などと同時期に読んだ記憶がありますが、現在、我が国近現代史について扱った著作を読み進めているのと同時期に当著作をあらためて読んでみたいと思うところには、何らかの理由があるのだろうか・・。
また、こうした思いの惹起には、最近の読み進めている(た)著作内に、さきのジョルジュ・バタイユ著「呪われた部分」ついての記述があるからではないのですが、こうした一見したところ無関係にも思われるいくつかの著作について、何らかの関係性、そして、その理由を見つけようとするところにも、我々の持つ創造性といったものが、少なからず関与しているようにも思われるのですが、さて如何でしょうか?
今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます。
日本福祉大学
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