さて、以前にも少し触れたことですが、ここしばらく我が国古代史についての概説書を読み進めていますが、つい先日からスペイン内戦を主題とした新書もまた新たに読み始めました。スペイン内戦についてはあまり予備知識がないことから、当著作を読み進めていますと、分からない単語・コトバが頻出します。時には調べ、また時には読み飛ばしつつ、当著作を読み進めていますと時折、その述べている内容が(ある程度)分かると感じられる箇所も出てきます。そして、こうした感覚は、既知とは云えない分野の著作を読んでいる際に特に感じる、新鮮な感覚であると云い得ます。また他方で、この感覚は、ある程度慣れ親しんだ分野での著作を読み進める際のような背景知識を持たないことから、頭脳の疲労を誘う傾向もあり、そこから特に就寝前の読書においては、適切と云えるのかもしれません・・(笑)。
しかしまた一方で、どうしたわけか、そうした著作を読んでいても(ある程度)分かると感じられる箇所が多く見出されるようになりますと、眠気よりもある種の好奇心が惹起されることもあり、こうなりますとそれはそれでなかなか厄介とも云えるのです・・(苦笑)。
ともあれ、現在読み進めているスペイン内戦を題材とした著作は、さきに述べた種類の好奇心が惹起されることはなく、むしろ比較的安定して、ここまで読み進めていることが出来ているのではないかと思われます。また同時に時々は(ある程度)分かると感じられる箇所があることにより、読み進める意欲も維持出来ると云えますので、これはこれで悪い選択ではなかったのではないかと思われました(案外とこのバランスが大事であるのかもしれません・・)。
そして、ここまで書いていて不図思い起こされたのはスペイン内戦の同時代人のスペイン人哲学者であるオルテガのことであり、おそらく彼は当時の西欧、特に自国スペイン社会を観察し、その論考を著したと考えられますので、あるいは言い換えますと、スペイン内戦周辺時代の西欧そして母国であるスペインの社会状況および時代精神を抽象化したものが、彼の思想・哲学の大筋の背景、バック・ボーンとなっているのではないかと思われました・・。
また、そうしたことを書いていますと、案外と我々日本の社会は、特に近代以降に関しては、スペインをはじめとする南欧、およびその文化的延長上にあるとも云える南米諸国とも近しい要素・類似性が少なからずあるのではないかとも思われました。そして、そうした視点にて、オルテガの思想を再認識するのもまた、意義深いのではないかと思われます。
そのように考えてみますと、思想・哲学などは直接的な利益が極めて見難いものではあるのですが、やはり重要であり、さらにそうした思想・哲学を自家嚢中の道具としている他国政府が、ある国際的な状況あるいは我が国の状況を如何なるモデルにて認識・観察しているのかを知る術にもなると云えますので、それなりに大事にした方が云いと思われるのですが、さて如何でしょうか?
【人文社会科学系の中でも歴史・思想系の方々は、時々、何やらわけのわからんこと云っているように聞こえることがあるかもしれませんが、おそらくそれは、その述べている背景・論拠が現代の我が国社会だけではないことから、時折同時代の世間一般と異なることが生じるのであり、また、その世間一般とは、必ずしも時代的にも地域的にも普遍性を持つものではないことを、もう少し自身も含めて考えてみた方が良いのかもしれません・・(あるいは一つに『学問をするとバカになる』とはこうした事情を指しているのではないかとも思われました。)】
ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。
数年前から現在までに日本列島において発生した、あるいは現在も継続している大規模自然災害によって被害を被った、諸地域のインフラの回復、その後の復興を祈念します。
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