2026年5月31日日曜日

20260530 2471 記事に到達して思ったこと:引用記事の起源?

 直近の記事投稿により、総投稿記事数が2471に到達しました。そして残り30記事未満の投稿により、当面の目標としている2500記事まで到達することが出来ます。当ブログ開始当初の3年間は、ほぼ毎日1記事のペースで作成・投稿していましたが、そのためか当時は、毎日が眠かったことを記憶しています。これは、夜半に作成していたから眠かったのであるか、あるいは、たとえ眠くとも、作成していたのかは、現在となっては判然としませんが、いずれにしましても、当時の行為があったことから、現在も、どうにか、当ブログを継続することが出来ているのだとは云えます。それでも、投稿記事数が2400を超え、継続期間が11年近くになっても、未だ実感はなく、また同時に、文章作成に対する自信も乏しく、未だに毎回、綱渡りで作成しているような感覚があります。また、そうした感覚であっても継続出来ていること自体が実は驚くべきことであるのかもしれません…(苦笑)。また、去る5/25投稿『身体感覚と文献資料との記号接地の感覚について:南紀での記憶から』にて「ブログ記事の題材に困ることがあれば、南紀でのことを思い出して書けば良い」と述べましたが、たしかに、記事作成の際、地理関係の確認のため、グーグル・マップにて場所を確認していますと、その作業に付随して、また他の記憶も想起して、その要点をいくつかの単語や短い文章を下書きとして保存して、後日、それを見て、再度、その記憶を想起して、新たなブログ記事作成に繋がれば良いのですが、こうしたことは、毎度上手く行くわけではないようです…。それでも、以前に保存していた下書きを、久しぶりに開き、その続きを作成して、新たな記事作成が比較的スマートに出来ることも度々あります。それ故、こうした下書きは、出来るだけ作成しておいた方が良いと考えます。また、私見となりますが、このことは読書での犬耳(dog-ear)とも通じるものがあると考えます。以前より引用記事の投稿がしばらく続くことが度々あり、また、今後もあると思われますが、それらの引用記事は、まさに、さきの犬耳(dog-ear)のおかげで毎回比較的スムーズに選定して、作成することが出来ていると云えます。おそらく、引用記事のみの作成であれば、今後1~2年程度は、さらに継続することが出来るものと考えます。書籍からの引用記事は、元来、収入を企図しない当ブログにおいても考慮して、周囲の人文系の研究者の方々にご意見を伺い、現在のようなスタイルにしましたが、後に2020年からのエックス(当時はツイッター)との連携以降は、それまでに作成した引用記事を連繋して用いることが多くなり、また、その効果によって、より多くの引用書籍の購入に繋がれば良いと考えます。しかし、そのように考えてみますと、私の場合、社会人になっても読書する習慣を維持したからこそ、その後、大学院に進むことが出来、学位取得、そして、その後のいくつかの就職にも繋がったのだとも云えますので、あるいは、当ブログの本質・エッセンスとは、これまでの読書で興味深いと感じた著作・記述を開陳する目的で作成した引用記事であったのではないかとも思われるところです…。そして、この興味深い書籍・記述の開陳を実際に行っていた時期のはじめを想起しますと、それは、和歌山市在住の文系大学院生時代の頃であり、そのことも、以前にブログ記事題材にしていたことが思い出されました。ともあれ、今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

一般社団法人大学支援機構

~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

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20260530 腸内細菌叢に関する資料をあたり思ったこと

 我々の身体の中には、もう一つの生態系とも云うべき腸内細菌叢が存在しています。これは単に食べ物を分解するだけの存在ではなく、免疫機能の調整、代謝の制御、慢性炎症の抑制など、全身の恒常性を支える重要な役割を担っています。こうした知見は、近年、腸内細菌叢の研究が急速に進展したことに因りますが、その背景には、次世代シーケンサー(NGS)の登場があります。これにより、従来の培養法では観察することが困難であった多くの腸内細菌をDNA配列から直接解析できるようになり、そこから、我々の腸内には想像をはるかに超える多様な細菌・微生物が共生していることが明らかになりました。そしてまた、この次世代シーケンサー(NGS)による技術革新は、人間を一つの生物として捉える従来の見方から、人間と微生物との共生体(ホロバイオント)として理解する新たな視点をもたらしました。
 こうした視点に基づき、昨今、欧米ではアッカーマンシア属(Akkermansia muciniphila)が「次世代の善玉菌」として注目を集めています。この菌は腸粘膜を覆うムチンを利用しながら生育し、腸管バリア機能の維持や代謝調節との関連が報告されています。一方で、他の研究からは、我々日本人では欧米人に比べてアッカーマンシア属の割合が低い傾向も報告されています。とはいえ、こうした腸内環境の違いから「我々日本人の腸内環境は欧米人よりも劣っている」と考えることは適切ではありません。むしろ、そこには長い歴史の中で形成されてきた食文化や生活環境への適応の結果として、それぞれ異なる特徴を持つ腸内細菌叢が形成されたのだと云えます。
 そして、こうした特徴の違いは、欧米社会における一神教的な世界観と、我々の社会における多神教的なそれに例えることが出来るのではないかと考えます。もちろん、実際の腸内細菌叢は極めて複雑であり、単一の菌が全体を支配しているわけではありません。しかし、欧米の研究では、アッカーマンシア属のような特定の有益菌が腸粘膜の恒常性維持に重要な役割を果たしていることが多数報告されています。言い換えますと、比較的目立つ中心的な存在がいる構図として理解することが出来ると考えます。
 これに対し、我々日本人の伝統的な食生活には、海藻、野菜、豆類などの食物繊維や、味噌、納豆、漬物などの発酵食品が数多く存在します。こうした環境では、プレボテラ属をはじめとする多糖類分解菌や、海藻由来成分を利用できる菌群など、多様な細菌がそれぞれの役割を担いながら相互に代謝産物をやり取りし、その結果として短鎖脂肪酸の産生や腸管環境の維持に寄与しています。そのため、我々日本人の腸内細菌叢は、特定の菌種のみが突出して機能するというよりも、多様な菌群が相互に補完しながら働く「分散型」の生態系として理解することが出来るのではないかと考えます。また、こうした様様は、まさに「八百万の神々」が、それぞれ固有の役割を担いながらも全体として均衡を保つ、多層的で柔軟な秩序にも通じるように思われます。
 そして、こうした腸内細菌叢の特徴や傾向を考える上で、近年注目されているのが「口腸連関(oral-gut axis)」です。お口は単なる食物の通り道ではありません。毎日大量の細菌が腸へと送り込まれる消化管の最初の入り口です。そのため、口腔内環境が乱れてしまうと、本来は口腔内に留まるべき細菌が消化管へと流入し、腸内細菌叢や全身の炎症状態に影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
 特に歯周病関連菌として知られるフソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)は、近年、大腸がんや炎症性疾患との関連が世界中で研究されています。この菌が直接病気を引き起こす原因であると断定することは出来ませんが、腸内の炎症環境に関与する可能性が示されており、腸内生態系のバランスを乱す要因の一つとして注目されています。
 そして、先述しました我々日本人の多様性のある腸内細菌叢は、多くの菌が協力しながら機能することで安定性を保っています。そのため、お口から炎症性細菌が継続的に流入する状況が続きますと、その細菌叢のバランスに少なからぬ影響を与える可能性があります。また逆に云えば、お口の健康が維持されていれば、腸は余計な炎症刺激にさらされにくくなります。もちろん、お口の健康管理だけで腸内環境の全てが決まるわけではありません。しかし、お口の健康を維持することは、健康な腸内細菌叢を支える一つの要因であるとは云えるでしょう。
 このように、腸内細菌叢における民族あるいは個人での特徴の相違は、単に医学的なものだけではなく、長い歴史の中で形成された食文化や生活習慣の違いを反映した、生態系そのものの個性を示すのではないかと考えられます。そこから、昨今流行の「菌活」と称してサプリメントなどで特定の菌を補おうとするだけでなく、お口から腸までを一つの連続した生態系として捉える視点を得ることも重要ではないかと思われます。
 我々日本人は、しばしば古来土着の神道における「八百万の神々」という言葉を用いますが、そうした世界観とは、あるいは思想や宗教観といった観念的なものとして存在するだけではなく、我々の身体そのものの中に、腸内細菌叢として微細ながらも物理的な存在として刻み込まれているのかもしれません。
 ともあれ、少なくとも近年の腸内細菌叢の研究が示しているのは、我々人間は決して単独で生きる存在ではなく、無数の他者との共生の上に成立しているという事実であるとは云えます。
 そしてまた、そのように考えてみますと、我が国の歴史において、古来からの神々による世界観の上に、当時、外来思想であった仏教が受容され、普及を図られたこととも関連性があるようにも思われてきます。「聖徳太子」として後世知られる厩戸皇子等が主導して制定した「十七条憲法」は、外来の仏教を新たな「国是」として掲げました。これは、それまでの古墳時代から続いて分権的であったヤマト王権から、中央集権的な律令国家にする宣言であったと云えます。また同時に、その憲法の第一条に「和を以て貴しと為す」が据えられていることも大変興味深いと云えます。それは、外来の思想を国是としつつも、既存の世界観を排除するのではなく、むしろ、それらを含め、大きな「和」と云うシステムに包摂、共生を目指した柔軟性のあるグランドデザインであったと考えられるからです。もちろん、当時の十七条憲法の制定者等が、腸内細菌叢の存在を知っていたはずはありません。
 しかし同時に、近年、最先端の生命科学が示す前出の「共生(ホロバイオント)」とは、我々の先祖が歴史を通じて経験的に培ってきた世界観とも、どこか通底するものがあるように思われます。そして、そのように考えますと「和を以て貴しと為す」という憲法冒頭もまた、単に政治的理念や道徳律としてだけでなく、多様な存在が互いを活かしながら、一つの系(システム)として調和するための普遍的な知恵として、現代の我々に新たな意味を投げかけているようにも思われますが、さて、実際のところはどうなのでしょうか?そして、今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。


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