さて、昨日投稿分記事にて述べた『実際の何らかの様相から要素を抽出し、それらを架空の物語上にセンス良く再配置することにより、その物語は物語として具体性を帯び、面白いものになってくる』ということは、絵画のキュビスムと関連性があるものか分かりかねますが、しかし、それらを含め、もう少し視野を広げてみますと、おそらく我々の行う学術・芸術など創造的活動の多くは、具体的な存在の中から要素を抽出し、それを素材として用い、時には他の要素をも加え、新しい何かを創造する行為であると云えます。そしてそれはステーキとハンバーグあるいは刺身とたたきの間にある違いにも似ているのかもしれません・・(笑)。
そしてまた、このことは、自然科学系学問の実験にも、同様あるいは類似した様相があると云えます。実験において『実際の何らかの様相もしくは具体的な存在』は『コントロール』と称される条件であり、これを基準として新たな条件が設定され、それに基づいて実験が為され、得られた知見に対しての考察が為され、さらにそこから新たな実験条件が設定され、より大きく、包括的・普遍的な新知見に達しようと試みる一連の行為は、たとえ一つ一つの行為には創造的と見做される要素が乏しくとも、全体像として眺めてみますと、創造的な要素が少なからずあるのではないかと思われます。
また、そこからさらに敷衍して考えますと、一連の当ブログ記事においても、内容的に類似した記事が複数あるにしても、同時にそれらには少ないにしても独自の意味合いもあり、そして、そうしたことを継続することにより、まさしく漸進的にではありますが、文章とそれが示す内容(表現された内容)との間の乖離が徐々に縮まっていき、思ったこと、考えたことをより精確に、そして適切に表現することが出来るようになっていくのではないかと思われるのです・・。とはいえ、こうしたいわば内面の変化は創造的な活動ではなく、その前段階と云えますかもしれませんが・・。
しかしながら、おそらくさきの実験について述べたものと同様、こうした創造的要素が乏しいと考えられること(内面の変化)がいくつか為され、そしてそれらが連動することにより、はじめて創造性が駆動し始めるのではないかとも思われるのですが、さて如何でしょうか?
今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。
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祝増刷決定!
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