2022年11月5日土曜日

20221105【架空の話】・其の100 【モザイクのピースとなるもの】【東京訪問篇⑯】

こちらから会食会場となる西洋料理店は徒歩にて5分ほどとのことであったが、多少早く着いていた方が良いと思い、我々はそのまま向かった。横断報道を渡り、神楽坂を少しのぼると左側に入る小さな道があり、その先すぐにある建物の2階に、会場となる西洋料理店の名前があった。

E先生と私は「ああ、あそこだ。」と店を見つけて安心し、それからはゆっくりと歩いて店に向った。建物正面の外付けの階段をのぼり、店玄関のポーチのようなところから、店内の様子を窺ってみたものの、よくは分からず、そこでドアを開けて店内に入ってみた。するとすぐに、黒いギャルソン・エプロンを着けた店員さんが「ご予約をなされたお客様でしょうか?」と我々に尋ねてきた。そこでE先生が「はい、おそらく20時からでCHの名前で予約されているのではないかと思いますが・・。」と返答すると店員さんは「あ、はいCHさまですね。既に何名様かお越しになられています。」と店内奥にある個室のように仕切られた会場に案内された。そして「CH様、お連れの方をお二人お連れしました。」と中に向けて云うと、我々に軽く一礼して、そのまま去って行った。

個室会場には既にCH院長がいることが分かったが、入口に近づくと中の話声から、3・4人程度はいることが分かった。そして個室内に我々が入るとCH院長から「ああ、K医専大の先生方はどうぞ、こちらへ!」と案内されると、そこはCH院長の隣の座席2つであり、さきほどS教授との電話決まった用件を伝えるためにもE先生はCH先生の隣に座り、私がその隣りに座ることになった。そして私の隣には、さきほどの院内案内に同行して頂いたTO先生が席に着いていた。

我々が席について、少し落ち着いてからスマートフォンを見ると19:51と表示されており、また会食場の残りの座席の具合から、これから到着されるのは、さきの話に出た共同研究を行っている理工学部研究室の方々とKA先生であると思われた。

そして実際、その数分後にトレンチ・コートを着た若干太り気味の男性と、ジーンズに青ボタンダウンの上にオリーブ色のM-65を着た若い院生らしき人物が、さきほどの我々のように個室に通されて来た。

このトレンチ・コートを着た男性には、その挙措動作がいかにも理系の研究者といった佇まいがあり、その目元には独特の厳しさのようなものがあった。また、体型はやはり若干太り気味ながらも、力士などにしばしばあるような固太りといった感じであり、マンガでの登場人物で云うと、かわぐちかいじによる「沈黙の艦隊」に登場するアメリカ合衆国大統領ニコラス・J・ベネットであったり、あるいは歴史上の人物で云うと、東京大空襲や我が国に対する爆撃機を用いた焦土作戦を指揮した米空軍のカーチス・ルメイ将軍に似ているような感じがあった。

もう一人の人物は、さきの私の読み通り、大学院生であり、未だこういった場には慣れていないといった雰囲気であったが、しかし、実のところ、その時の私もまた、そのような感じであったのだろう・・(苦笑)。

そうして残りの参加予定者はKA先生のみとなったが、CH先生はここで「ええと、顧問は「さきに進めてくれても大丈夫」とのことでしたので、皆さん飲物を注文して、あとコースも出して頂くようにしましょう。」とのことで、飲み物のオーダーを聞いてから、それを通した。

ここでも、よくあるように一杯目は車を運転する方以外は生ビールであり、私は元来、あまり酒類全般を飲まないが、一応、こうした場では出来るだけ周囲に合わせて飲むようにしている。

E先生の方は早々に一杯目のビールを飲み干していたためジョッキを下げようと取りつつ「E先生、次は何か注文しますか?」と訊ねた。すると「ああ、ちょっと焼酎があるか聞いてみて、あれば芋焼酎をロックでください。」とのことであった。すると、このやり取りを聞いていたTO先生が「E先生、ここには熊本に多い米焼酎も鹿児島に多い芋焼酎も置いてありますが、銘柄はあまり多くはありません。」とアドバイスを頂いたが、これにより彼が北隣の熊本県の御出身であることが思い出された。

そして今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!

順天堂大学保健医療学部


一般社団法人大学支援機構


~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

*鶴木クリニックでのオペ見学につきましても承ります。

連絡先につきましては以下の通りとなっています。

メールアドレス: clinic@tsuruki.org

電話番号:047-334-0030 

どうぞよろしくお願い申し上げます。






0 件のコメント:

コメントを投稿