投稿翌日にて、これだけ多くの方々に読んで頂けたことは、これまでに経験したことがありませんので、これには驚嘆の念を禁じ得ません・・。
とはいえ、多くの方々に閲覧、読んで頂いたことは、作成した本人としては大変ありがたいことであり、そして、書籍からの抜粋引用・自身の作成した文章の何れであれ、読まれた方がそのなかから何かしら得るもの、参考となるものがあれば、それは僥倖であり、くわえて今後しばらく記事を作成する活力もまた与えられます(笑)。
また、昨日の記事投稿により総投稿記事数が860に到達しましたが、この調子を維持して記事作成・投稿を継続することにより、来月終盤迄には900記事まで到達出来る目算が立ちます。
とはいえ、あまり無理はせずに、とりあえずそこまではどうにか継続してみようと考えています。また同時に時折は『面白い!』と(出来るだけ)多くの方々が感じるような記事を作成することを脱抑制の態にて今後も狙っていきます。
くわえて、歯学分野・日本古代史そして民俗学関連を題材とした記事もまた、これまで同様に作成・投稿していきたいと考えていますので、こちらも併せてよろしくお願いします。
また、このように自身が作成するブログ記事の題材の種類を挙げてみますと、いくらかは多岐にわたるようであり、そこから記事題材として多く読まれる傾向がある題材を見ますと、古代から近現代に至るまでの歴史を題材としたものが多いことから、自身の性質・特徴とは、こういったところにも表れることをあらためて認識しました・・(笑)。
また一方で、他の分野における文章作成を通して自身の幅を広げ、異なった文体の作成に慣れることを目標として、これまでにあまり書くことのなかった題材を取り上げてみるのも良いのかもしれないとも考えましたが、こうしたことは漸進的に、そしてあまり意識せずに挑戦し続けるのが良いのではないかと思われます・・。
しかし本日に関しては、あまり記事題材の着想も特に湧かずに、ここまで至ってしまいました・・(苦笑)。
それ故、本日は昨日の投稿記事にて取りあげたトーマス・マン著の岩波文庫版『魔の山』の邦訳をされた一人である望月市恵に関する北杜夫著『どくとるマンボウ青春記』内の記述を以下に抜粋引用します。
新潮社刊 北杜夫著 『どくとるマンボウ青春記』pp.109-111より抜粋引用
ISBN-10: 410113152X
ISBN-13: 978-4101131528
『ところで、「なんでなぐられたのかわかりませんでしたよ、エへへへ」と面妖な声で笑った先生とは、この暴行事件がきっかけになって、私は親しくお宅に出入りを許されるという妙な因縁になってしまった。
そのお宅で私は、トーマス・マンやリルケについての話をうかがった。
どんなにそれは私にとって貴重なものとなったろう。
もちろん、はじめは彼らはまだほとんど未知の異国の作家にすぎなかった。しかし、もう少しのちになってからの、これらの作家、詩人の著作との運命的な出逢いの萌芽は、たしかにこのとき得られたのである。
松高時代はもとより、大学へはいってからも、アルプスに登った帰りなど、しばしば私は穂高町にある先生のお宅に泊めて頂いた。この先生とは、「魔の山」「マルテの手記」などの訳者である望月市恵先生である。
私たち高校生は、この「先生」という呼称を嫌った。面とむかってはやはり先生だが、かげでも〇〇先生と呼ばれるのは、人気のない取るに足らぬ人物の証拠ですらあった。
望月先生はかでは、モチさん、モチ公、或いはズキ、更にひどいのは「生ける屍」などと呼ばれたものだが、もとよりこれは侮蔑しているのではなく、私らのせい一杯の愛称であり敬称であった。
モチさんは決して声は荒立てないが、教室ではけっこう怖れられていた。当てられて訳せないでいると、静かに、「下調べをしない者は、私の授業には出ないで下さい」と言ったりした。これは怒鳴られるよりももっと胸に応えた。
幸い、名簿で順ぐりに当ててゆくので、そのときだけ勉強してゆけばよい。
あるとき、次に当る順番になっていた私は、特別に綿密に下調べをした、シュティフターの「水晶」がテキストであったが、私はその平明な清浄な文章のいくらかを、五七調の詩として訳しあげた。当てられてスラスラと詩文で訳してやったら、いかなモチさんでも驚嘆するであろう。そう思って勢い込んで教場に出てゆくと、モチさんは私をとばして別の生徒に当ててしまい、私は切歯扼腕した。
と思うと、モチさんは試験のとき、「水晶」の中からまだやっていない先の箇所を出した。私は「水晶」という小説を好きになっていたから、訳本を手に入れて終わりまで読んでしまっていた。それで、どこら辺りだか見当がつき、大意が掴め、私としては上出来の答案を書くことができた。するとモチさんは、西寮の私の友人にこう言ったそうだ。「斎藤君(私の本名)は、滅多に授業に出ないくせにこんな答案を書くのだから、普通に出ていたら一体どのくらいできるのでしょうね」もちろんモチさんの老獪な術策である。しかし私は見事にだまくらかされて、それからモチさんの授業にはせっせと出るようになった、いずれにせよ、このうえなく上等な、しかもなかなか喰えない先生であったことは確かである。』
どうです、この著作もまた、なかなか面白そうではないですか(笑)?
近年、日本列島にて発生した地震・大雨・水害等の大規模自然災害によって被災された諸地域の力強い復興を祈念しています。
昨年から再び噴火活動をはじめた新燃岳周辺の方々の御無事も祈念しています。
また書籍の宣伝となりますが、師匠による新たな著作が医歯薬出版より刊行されましたのでご案内いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
著書名:『CAD/CAMマテリアル完全ガイドブック』
ISBN978-4-263-46420-5
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