2022年3月27日日曜日

20220326【架空の話】・其の90 【モザイクのピースとなるもの】【東京訪問篇⑩】

医専大口腔保健工学科からの見学とのことから、結果的に、やはり技工室の見学により多くの時間が割かれ、その後、院内見学を一巡すると、時刻は17:00を過ぎていた。

CH院長は見学の途中で何度か診察や電話などの所用のために中座されたが、やがて戻って来ては、また設備や機器の説明を続けてくださった。おそらくは、元来が説明や話し好きの性分であるのだと思われたが、説明から続いた雑談で、国際情勢に関する話題やユヴァル・ノア・ハラリの著作などについても、ごく自然な感じで触れたため、人文系上がりの私としては、それらのハナシにかなり惹き付けられたが、今回の私の役回りは、あくまでもE先生の補助であることから、少なくとも、ここでは静かにしておいた方が良いと考え、黙っていた。

E先生の方は、技工室を含めた院内各所でさまざまな質問をされていたが、とりわけ、小児専用の治療スペースや、メンテナンス専用のマイクロスコープを備えたチェアが並んだスペースでは、いろいろと訊ねられていたが、おそらくこれらは、大学での職務であると同時に、御自身の開業などに備えてのことであったのかもしれない・・。また、さきの技工室にてE先生は技工士長のHDさんとも会話をされていたが、そこで共通して知っているHK教授の名前が挙がった。

こちらの教授は、E先生が学部に在籍されていた頃は歯学科におられて、後に口腔保健工学科が新設されると、そこに移り、教授になられた先生であり、また、専門分野が歯科生体材料学であり、研究、教育にくわえて、講演や執筆活動なども比較的活発にされていたことから、界隈では著名と云える先生であるが、この技工士長のHDさんの修士課程での指導教員が、こちらのHK先生であったということを聞いてE先生は驚いておられた。また、HDさんがこちらの医院に勤務するようになってからは、院内勉強会での講師としてHK先生を招いたとも聞き、こうした様子も、いかにも首都圏、東京といった感じを受けたが、ともあれ、こうした一民間医療機関が、先ほどのKA先生を顧問として招聘し、また、HK先生を院内勉強会での講師として招くといったCH院長の目的はよく分からなかったが、あとになり色々とお話を伺っていると、何となく繋がってきた。

CH院長は、さきのKA先生の門下であり、同時に、今回の出張初日に実験打合せのために訪問した**歯科大学のOBでもあった。また、こちらの院長の大変興味深いと思われる点は、臨床を日常とする歯科医師であるにもかかわらず、自分の専門領域のみに拘泥することなく、さまざまな分野の方々と積極的に交わるようしていることであり、これは、これまでの一連の会話を聞いていた分かったが、また、そうした一つの顕われが、さきの国際情勢やハラリの著作についての言及になったのだろうと思われるが、ともあれ、そうした話題の中で特に興味深く思われた医専大に関するトピックは以下の通りであった。

今回もまた、ここまで興味を持って読んで頂き、どうもありがとうございます。
順天堂大学保健医療学部


一般社団法人大学支援機構


~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

*鶴木クリニックでのオペ見学につきましても承ります。

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