とはいえ、一国が行う対外的な軍事行動の実質的な目的が、その政権の支持層の拡大・維持を狙うようなものになれば、それはかなりマズい事態であるようにも思われます。
現在は冷戦期と異なり、二大強国によるいわゆる二極構造でもなく、世界はいくつかの文化圏を基軸としたブロック化といった様相を示していると云えます。その中では冷戦期の二大強国も、かつてほどの軍事力を背景とした強権に基づく世界秩序の維持は困難になると云えます。また、そうした状況がある程度継続し、世界レベルにて、その共通認識が定着した後で、たとえばかつての威信を取り戻そう(政権の支持層の拡大・維持を目的とした)、あるいは景気刺激策の一環として軍需産業の振興をはかる政権が誕生し、そして何らかの武力行使が妥当と内外に対し説明出来るような事態が生じたならば、その政権国家が軍事行動をとる蓋然性はおそらく冷戦期より高くなるのではないかと考えます。
それが冷戦期における自国陣営内での事態であれば、軍事行動・武力行使を行っても大きな問題として扱われることは少なく、また一方で、それが対立陣営内にて生じたのであれば、非難声明などは出すのでしょうが、しかし地政学的に重要な地域である場合を除き、軍事行動をとるにまでは至らず、対立陣営の盟主国が何らかの対応をして幕を閉じるといった事態が多かったのではないかと思われます。
しかしながら、現在はさきにも述べた通り、世界がブロック化しており、そのブロックもしくそれを構成する国々の軍事力といった物理的な力においては、それぞれかなりバラつきがあるのですが、その一方で、国際社会における、それぞれの立場とは、冷戦期以降の前世紀末から現在にまで至るまでの主にインターネットによる情報技術の飛躍的とも云える進化発展により、標準化・平均化されて認識されるようになったのではないかと思われるのです。これを異言しますと、実際の世界においては国・ブロック毎に冷戦期同様の軍事力のバラつきがある一方、我々がさまざまな認識を得る抽象的なインターネット空間においては、そうしたバラつきはあまり認識され得ず、またそれが平等であるといった言説も容易に生じ、そして国際的な見解として認知されるのですが、しかし、やはりさまざまな出来事はあくまでも現場にて起きるのです・・(笑)。
上手く表現出来たか分かりませんが、おそらくこれに類する作用機序、そしてそれを更に抽象化した構造・メカニズムに含まれる具象と抽象もしくは物理的なるものと観念的なるもののギャップこそが現在世界中にて生じているさまざまな出来事の大きな要因ではないかと思われるのです・・。
その意味において世界規模にて共有され得る抽象的、観念的なるものが乏しい我が国は、見方によれば幸せであるのかもしれませんが、しかし同時に、現在の多少変化が激しい時期が終わった後の世界における国際的な存在感はおそらく戦前もしくは冷戦期に比べ、薄くなっているのではないかとも思われるのです。
また、それを多少なりとも好転する方法が、将来の我が国を支える人々に対する教育、特に高等教育にあると考えるのですが、これについては以前も何度か当ブログにて述べてきましたので、そちらを御覧頂ければと思います。
ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます。
ここ数年来、現在までに列島各地にて発生した、もしくは現在も継続して発生している地震・大雨・水害・火山噴火といった大規模自然災害によって被害を被った(被っている)諸地域の諸インフラの復旧および安全確保そしてその後の復興を祈念しています。
~書籍のご案内~
昨年暮に師匠による著作が医歯薬出版より刊行されましたのでご案内いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
著書名:『CAD/CAMマテリアル完全ガイドブック』
ISBN978-4-263-46420-5
昨年暮に師匠による著作が医歯薬出版より刊行されましたのでご案内いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
著書名:『CAD/CAMマテリアル完全ガイドブック』
ISBN978-4-263-46420-5
0 件のコメント:
コメントを投稿