2019年3月31日日曜日

20190331 総投稿記事が1175記事に到達して「人文社会科学系の意味・価値について」

おかげさまで先日3月23日投稿分記事である「対話形式2007年10月頃のこと」はその後、最近では珍しいほど多くの方々に読んで頂きました。これを読んでくださった皆さま、どうもありがとうございます。

また、それに関連があるのか、あるいは単なる偶然であるのか、この記事投稿後から、人文社会科学系マインドを持っているであろうと思われる方々から、ご連絡を頂くことが幾度かありました。

かねてより我が国では、何と云いますか歴史的な視点、考え、あるいは、たとえ話の題材として通常の会話、あるいは少し真剣な場にてそれを話すことを避けるような「何かよく分からない感覚」のようなものがあると思われます。

それは端的に、そうした話を持ち出すと、後の会話がギクシャクするような「空気」のようなものであると考えます。また、時折表明されるそうした考え、あるいは見方に対するリアクション(反動)であるのか、歴史に関する何らかの名称をコトバ遊びのように用いて、どうにかして笑い、あるいは軽いものに転化したがるといったtrait・習性のようなものがあるとも考えます。

そして、それは近年のインターネットの発達により、更に顕著になったと思われます。たしかにインターネットでの検索により、我々は瞬時に、より多くの知識を得ることが出来るようにはなりましたが、しかし、そうした状況に至って重視されることは「それら知識を用いてどのようなハナシ・物語を考え、述べることが出来るか」であると考えます。

しかしながら、こうしたハナシ・物語自体もまた、インターネットでの検索により、手軽に得ることが出来るようになっているのが近年以来の社会状況であると云えます。

そうしますと、たしかに「人文社会科学系、特に歴史などに関する学問、高等教育などは果たして、そこまで意味・価値があるのか?」といったご意見が自然に生じると考えられ、また、そうした意見は昨今の社会状況を鑑みるに説得力があると云えます。

実際、今後の社会、そして特に人文社会科学分野の高等教育を考えた場合、これまでとは異なる学部・学科編成に変えた方が、より社会に適合するのではないかと思われます。

また、それが実のところ高等教育における人文社会科学系学問の自然な姿であるようにも思われます。

しかし、であるからと云って、それは人文社会科学系学問を軽視するというわけでは断じてありません。むしろ今後の社会は、より洗練された、より科学的な、そして自然科学系学問に対して遜色のない我々の精神を栄養する編纂された歴史が生まれるのではないかと考えていたのですが、かなり悔しいことに、どうもそれが違うのではないかと思われるのです・・。そしてまた、こうした国内状況を、これまたさきに述べたインターネット検索による情報にて世界各国が知るようになり、また、そうした状況を踏まえて世界各国が我が国への対応をしつつあるように思われるのです。

そして、さらに、その遡った背景にある参照されているであろう我が国の社会について扱った文物を考えてみますと、それはジョージ・オーウェルの有名な著作のオマージュ的作品を著した国際的に高名な邦人作家の諸著作であるよりも、丸山眞男あるいは加藤周一などの著作であると考えます。こうしたことに関して、我が国全般は、もう少し認識を改めても良いのではないかとも思われるのですが、おそらく、そうしたことは為されないのではないかと考えます。

また、こうしたことは、目に見えて、あるいは即時に金銭・経済的損失などに結び付くことは少ないと考えられることから、引き続き「人文社会科学系、特に歴史などに関する学問、高等教育などは果たして、そこまで意味・価値があるのか?」といった、本音としての社会全般の傾向に至るものと予想されます。しかしながら、おそらくこれがボディ・ブローのように後々効いてくるのではなかかと思われるのですが、さて如何でしょうか。


ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

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ISBN978-4-263-46420-5

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前掲書籍の主著者である師匠による歯科材料全般あるいは、いくつかの歯科材料に焦点を当てた勉強会・講演会の開催を検討されていましたら、よろこんでご相談承ります。師匠はこれまで長年、大学歯学部・歯科衛生・歯科技工専門学校にて教鞭を執られた経験から、さまざまなご要望に対応させて頂くことが可能です。

上記以外、他分野での研究室・法人・院内等の勉強会・特別講義のご相談も承ります。

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2019年3月24日日曜日

20190323 対話形式2007年10月頃のこと

地下鉄神保町駅近く喫茶店にて

A「その後、歯科技工学校に行くことになったとお聞きしましたが、調子の方はどうですか。」

B「ええ、おかげさまでどうにかやっています。こうした専門学校は初めてであり、また、今まで歯科のことはよく知りませんでしたので、とても勉強になっていると思います。その中で歯科理工学という科目があるのですが、この科目では、鋳造の原理も教わるのですが、これがなかなか面白いのです。といいますのは、以前に研究した地域学・民俗学において和歌山・紀州の地域性を考える一つの要素・基軸として、弥生時代の青銅製祭器である銅鐸に着目しましたが、この銅鐸がまさしく鋳造によって作られているのです・・。ですから、その技術原理を知りますと、経時的な銅鐸意匠の変化を技術的な視点から考えることが出来るようになると思うのです・・。その意味で、この科目はとても面白いと云えます・・(笑)。」

A「ああ、銅鐸ですか、そういえば、たしかに以前私が和歌山に訪問した際も、君は熱心に銅鐸のことを説明していましたね・・。」

B「ええ、銅鐸の形式別の出土分布などを考えてみますと、何と云いますか、その当時の地域における文化の伝播の方向性のようなものが分かるのではないかと思うのです。その意味で、和歌山、紀伊半島におけるそれは、まさに典型的であると云え、県庁所在地がある和歌山市を中心とする紀北地域では、比較的小型で、装飾性もあまり高いとは云えないタイプの旧式の銅鐸の出土が相対的に多く、それが有田、御坊、みなべ、田辺と地域を南下するに随い、大型の装飾性が高い、新式の銅鐸が多くなり、また出土数全体も多くなっていくのです。
そして、そのピークがみなべ・田辺の周辺地域であると云え、そこからさらに南下して、上富田町が今のところ紀伊半島、ひいては本州での銅鐸出土の最南端となり、そこから現在の42号線、あるいは昔でいうところの大辺路で、ぐるっと半島の東側に周って新宮まで行き、ようやく破砕した状態での銅鐸が一つ出土しているのです・・。しかし、この銅鐸は後世の平安時代の遺物と一緒に出土していますので、弥生時代当時から、この地で祀られていたものであるかどうかは不明であるのですが・・。」

A「ふーん、なるほど、そうでしたか・・。そのように考えてみますと、昔から紀伊半島の南端地域は、人が入ることが憚れる何といいますか、神聖な土地であり、また、そこに自然崇拝や神道、仏教などが混淆して熊野信仰が生まれたのでしょうね・・。その意味で、たしかに今、君が説明してくれた紀伊半島での銅鐸の出土分布は興味深いかもしれません・・。」

B「はい、数年前に熊野参詣道や高野山が世界遺産に登録されましたが、こうしたことを併せて、その淵源を考えてみますと、これがなかなか古いのではないかとも思われてくるのです・・。また、同じく、当地域における古墳についても、その分布を考えてみますと、なかなか興味深く、これまでで分かっている県内の古墳は、全体で1000基近くあるとのことですが、その7~8割が紀北の和歌山市周辺にあるのです。これを、さきの銅鐸の出土傾向と重ねて比較してみますと、もちろん単純には云えないのかもしれませんが、概ね、社会構造の変化に伴う、地域における中央集権化の様相といったものを示しているのではないかと思われるのです。」

A「なるほど・・。そういえば以前、君が案内してくれた海岸から突き出た半島状地形の頂上部に築かれた古墳で「ここは紀伊半島、ひいては本州最南端の現存している古墳です。」と説明されていましたが、あの古墳は紀伊半島のどの辺りに立地しているのですか。」

B「ああ、上ミ山古墳のことですね。あの古墳は本州最南端の串本町と温泉で有名な白浜町の間にあるすさみ町に立地していまして、しかも、あの古墳の造営様式は、県内での古墳が集中する和歌山市周辺で多く見られるものとは異なり、それはむしろ熊本・肥後のそれに近いのではないかとも考えられています・・。」

A「へええ、それはなかなか面白いですね・・。私は熊本の古墳もよく分からないから何とも云えませんが、その背景には一体どのような歴史・経緯があったのでしょうかね・・。」

B「ええ、そのあたりもさらに検証して考えてみると、なかなか面白いのではないかと思います。また、それに関連して、先日購入した書籍に面白いことが書かれていまして、先生は6世紀の継体天皇の御代に九州北部で生じた磐井の乱はご存じだと思いますが、それで、その筑紫君磐井の墳墓とされる岩戸山古墳周辺地域に特異的に見られる石人石馬もご存じであると思うのですが、この地域特有とされる石人石馬が、これが何と!鳥取県の石馬谷古墳からも、一つだけですが出土しているのです・・。それで、この共通項から遡った地域を考えてみますと、それは古代朝鮮半島南東部にあった新羅ではないかと思われるのですが、これは未だ仮説、いや一応、歴史的背景などは考えてはいるのですが、現段階では空想と云えます・・(笑)。」

A「・・なるほど、古代の山陰地域と朝鮮半島南東部にあった新羅との関係性は記紀にもいくつか記載がありますし、また、磐井の乱が勃発した経緯にも新羅が出てきますので、たしかに、そこには中央集権化・国家統一が為される以前の、古代における何らかの交流関係・交易ルートのようなものが示唆されるのかもしれませんね。そして、その伝で、さきの本州最南端の上ミ山古墳を考えてみますと、どのような仮説が考えられるのですか。」

B「・・ええ、これについては未だ仮説ではあれ説明を可能にするほどの周辺知識を得ていませんので、おいおい書籍を読みつつ考えていきます。そして、また仮説を思い付きましたら、お聞き頂ければと思います・・。」


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2019年3月18日月曜日

20190317 対話形式2005年11月頃のこと

和歌山市内 ガーデンパーク和歌山内スターバックスコーヒーにて

A「やあ、わざわざ駅まで迎えに来てもらってどうもありがとう。・・それはそうと、ここはスーパーマーケットもあるのですね・・。なるほど・・あとで夜食でも買って帰りましょう。」

B「先生こそ、わざわざ和歌山まで来て頂いて恐縮です。それで日程についての確認ですが、明後日に奈良までお送りすれば良いのですね。」

A「ええ、今回の大阪での学会の後、こうして和歌山まで足を延ばし、それでまた明々後日から奈良で別の学会に参加しますので、この週末は東京に戻らず、はじめての和歌山を楽しもうと思います。」

B「はあ、わかりました。では明日は、これまでのフィールドワークで見つけた面白いところにお連れしようと思います・・。」

A「ほお、それは面白そうですね。それで、それはどういったところですか?」

B「ええ、まあ、だいたい古墳や神社ですが、和歌山県は本州南部の辺縁ですから、何と云いますか、昔からの古い要素が残存し易いのではないかと思われます。ですから歴史好きの先生からすれば、面白いと感じて頂けるところが多いのではないかと考えています・・。」

A「うーん、そうですか、それは楽しみになってきましたね・・。以前話したと思いますけれども、私も親類に民俗学者がいましてね、幼い頃はその方から色々と話を聞かされましたので、多分、素養がなくもないですよ(笑)。」

B「ああ、たしかにそうでしたね・・。そうしますと明日の私の説明も少し気合いを入れないとダメかもしれませんね・・(苦笑)。」

A「いや、そこまで気合いを入れずに、まあ気楽にガイドをしてください。それはそうと君の方は和歌山で元気でやっているのですか?」

B「ええ、まあ、こうして陽にやけてますし、おかげさまで、どうにか元気でやっています。いや、それよりも、こちらに来てからは本当に書籍を読んでいますね・・。あと、周りにもそこまで多くはないですが面白い院生の方々がいまして、よく議論をしています。ですから、やはり文系の院というのは、本来こういうモノなんですよね・・。あと、その方々の影響で最近は思想書なども読んでいますが、そうした書籍を読んでいますと、やはり、それぞれの思想には時代性のようなものがあり、さらに上位には、その繰り返しの波のようなものがあるのではないかと思われてくるのです・・。」

A「ああ、たしかに、どの思想もそれぞれの時代精神の産物ではあるからね・・。まあ、そのように考えてみるとルネッサンスなども、多少大がかりな、そうした構図から説明することが出来ますよね・・。」

B「はあ、なるほど、たしかにそうですね・・。また、そうした波によって歴史は進み、そして社会は徐々に進化していくのかもしれませんね・・。」

A「うん、必ずしもそれら全てが進化であるとは思わないけれども、ともかく、そうして歴史は進行して行きますね。また、こうしたことを考えてみますと、政治学者の丸山眞男が書いていた社会での古層論・執拗低音といった考えもまた、それを説明する際に役立つようにも思われてきますね・・。」

B「ああ、そうですね。そして、それは多分、国全体としての古層・執拗低音のようなものがあり、さらにそれは地方、地域毎にも、それぞれ、そのようなものがあるのではないかと思われるのです・・。そして、その地方、地域毎の古層・執拗低音を説明する際にきわめて重要であるのが、その地域での言い伝え、民話、祭りなどの民俗全般ではないかと思うのです・・。ですから、その意味では、まあ最近読んでいる思想書なども、それらを理解するうえで役立つのではないかとも最近は考えるようになってきました・・。」

A「なるほど、それはたしかにそうかもしれないですね・・。」

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2019年3月4日月曜日

20190304 対話形式2003年9月頃のこと

東急東横線 中目黒駅近くの喫茶店にて
A「やあ、先日は私の母がそちらにご厄介になったそうですね。どうもありがとう。それで大分陽にやけたようですが、お元気にやっていますか?」

B「ええ、その節はお母様を熊野三山にご案内しましたが、那智大社の那智瀧では随分驚いておられたようです。南紀の自然は関東とはまた大分違いますからね・・。」

A「そうですか、それでは私も今後折を見て、南紀方面を散策してみようと思います。それに君の方も、そちらでの生活を楽しんでいるようですね。」

B「ええ、まあ住み始めの頃は本当に何もない場所だと愕然としました。・・何せ全国チェーンの飲食店が県内の一番近いところで10㎞、下手をしますと100㎞ほど離れているところもありますからね・・。しかし、自然の方は豊富でして、また温泉もありますので、あの辺りは、多分関東圏での伊豆のような感じなのだと思います。まあ、スケールは大分違いますが。」

A「ふーん、関西の伊豆ですか・・。それはなかなか面白そうですね。それはそうと、今日は一体どうされたのですか?」

B「ええ、南紀の方はやはり夏がシーズンで忙しいのですが、ようやく夏も終わり、落ち着いてきましたので、少し休みが取れ、それと日本橋の本社に少し用事がありましたので帰郷した次第です。また明日には向こうに戻りますが・・。」

A「まあ、あまりゆっくりも出来ないのでしょうが、それで和歌山に転勤してから2年以上経ちましたが、今でも東京、首都圏に戻りたいですか?」

B「・・それは微妙ですね。戻りたいと云えば戻りたいですし、そうでもないと云えば、そうも云えます。何と云いますか、私は関西、西日本での在住経験が初めてなのですが、やはり万事何かと関東、首都圏と勝手が違うのです。そして、当初はそれがとてもイヤであったのですが、まあ、そこで住んで色々とやっているうちに、どうも愛着のようなものが湧いてきましたし、また、こちらでは近隣に遺跡、古墳などが普通にあることから、自然、アマゾンを利用して【アマゾンは本当に便利ですねえ!】我が国の古代史や考古学関連の書籍を読むようになったのですが、そのお蔭でか、これまであまり興味を持たなかった時代区分がほんの少しですが、ある程度は分かるようになってきたようにも思うのです・・。それに今回の帰郷でも、実家の改装時に箱詰めされた親父の書斎の書籍から、面白そうな考古学の書籍をいくつかパクってきました(笑)。」

A「・・ああ、そういえば**先生が君の父上は考古学にも造詣が深いと仰っていましたね。・・それと、開院されたご実家の方は上手く行っているのですか?」

B「まあ、造詣が深いと云っても親父の考古学は範囲が狭いですからね、多分和歌山県の遺跡や古墳に関しては既に私の方が知っていると思います・・(笑)。それでも、昔の面白そうな書籍がいくらか見つかるのは、ありがたいですが・・。それと実家クリニックの方はどうにか上手く運営しているようで、またスタッフの方々も運良く、色々な大学から先生方が来てくださっていると兄貴が云っていました。それに、即物的には、兄弟も開院以降は、着る洋服が小ぎれいになっているように思われます(笑)。以前は補修跡が相当に目立つセーターや、襟布がスダレのようになったボタンダウンや、よく見るとシミだらけのチノパンを普通に着用して通学していたのですが、最近はそういったのはなくなってきたようです・・。しかし、そうした中、兄貴の方はどうしたわけか、新品のジーンズに水を含ませてから数日間庭に埋めてわざと汚したりといったことを未だにしているのですが、これは何となく弟の私には理解できますね(笑)。」

A「へええ、君の兄上にはお目に掛かったことはないですが、それはなかなか面白いですね・・(笑)。」

B「ええ、兄貴は和歌山の方にも来て一緒に釣りに行きしましたが、また今度は古墳巡りに来ると云っていました。そして、そういったことにも関連して、私も考古学ではないですが、そうした地域に関しての研究をしてみたいと最近考えるようになってきました・・。」

A「・・以前のヨーロッパ文化でなく、我が国の郷土史のようなことを研究したいということですか・・?まあ、おそらくどちらも金、職業にはなりにくいと思いますが・・しかし、それはどこで研究できるかなどは既に調べているのですか?」

B「・・ええ、いくつか候補となる大学については問い合わせにも行ったのですが、感触がイマイチ分かりませんね・・。以前説明を聞きに行った**大学大学院のヨーロッパ文化専攻とは、またかなり違う感じがします・・。それに、それら大学は全て関西にありますので、そういったところからも勝手が違うのかもしれません・・。」

A「ふーん、そうですか。それでご両親にはそのことを既に話されたのですか?」

B「ええ、あまり良い顔はされずに「大学院に行きたいとは前から言ってきたことであるので、行くことが出来れば勝手にすれば良い」といった感じでした・・。」

A「うーん、難しいところですね・・。このまま会社勤務を続けるか、院に行くかを天秤に掛けるのはとても悩むところでしょうが、しかし、それもしばらくご自身で考え続けてください。まあ、必要があれば、また相談には乗りますが・・うーむ・・。」

B「・・そうですね。こうしたことは結局自分で決めることですが、しかし、私の場合、自分が好きになった分野に関しては結構根気よく続けることが出来、また、それが私の根強い性質であると思いますので、この件に関しても、もう少し考えてから決めようと思います・・。」

A「ええ、そうですね。それと、ご両親や親戚のご意見もキチンと聞いておいた方が良いですよ・・。」

B「はい、そうですね。親戚の叔父とは時々そういった話をしていますので、また方向性がある程度決まりましたら、また相談してみようと思っています。」

B「わかりました。ではまた、こちらに帰ってくることがありましたら、事前にご連絡ください。私は最近落語に凝っていましてね、そこで「紀州」という演題があるのですが、これがなかなか面白いので、まあ今度は、寄席にでもご招待しましょう・・(笑)。」

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2019年2月17日日曜日

20190217 対話形式 先日の続き 2001年のこと

時期:2001年3月頃
場所:高田馬場付近の喫茶店にて

A「久しぶりですがお元気そうですね。葉書に書いてありましたが、転勤とのことですが、次は何処で勤務されるのですか?」

B「ええ、ずっと転勤希望調査では東京と書いていたのですが、次は和歌山県に行くことになりました。北海道の次は和歌山県で、東京を随分飛ばして更に西に行くことになりました・・。西に関しては、私はこれまで伊豆から西は殆ど知りませんので、かなり不安であり、正直なところ、あまり行きたくありません・・。」

A「和歌山県ですか・・それは私も行ったことがないですね・・。学会などで関西方面に出向くことがありましたら、連絡しますよ。それで北海道勤務は2年でしたが、この次はどのくらいになりそうですか?」

B「・・いや、それも分かりませんし、あまり考えたくもありません・・。まあ、行ってみないと分かりませんが、しかし、もう地方へはあまり行きたくありませんね・・。出来れば、このまま東京に居たいところですが、残念ながらそうも行かないようです・・(苦笑)。そういえば、先生の方は最近如何ですか?」

A「うん、まあボチボチやっていますよ。最近は本務校以外のいくつかの大学でも非常勤講師を引き受けていましてね、自画自賛ではないですが、多分君が知っている頃よりも国際関係論や近現代史の講義は、いくらか洗練されてきたのではないかと思います。ですから、また上京することがありましたら、一応、大学側に許可を得て講義にモグッて参加してみたらどうですか?」

B「ええ、そういった刺激はここ最近まったくありませんでしたので、是非そうしたいと思います。私もまだ大学院に行くことをあきらめていませんし、いや、いつかは行こうと考えていますので、少しづつですが、お金も貯めています。ああ、それと、先生は既にご存じだと思いますが、最近実家が開業することになりまして、住んでいる家を医院に改装するとのことです・・。まあ、上手いこと行くかどうか分かりませんが、それで、それとも関連して弟が歯学部に学士編入することになりました・・。そうしますと、私が大学院に進みたいというのも、そこまでわがままではないとも思われてくるのですが・・。」

A「ええ、**先生からそのことは少し聞いていましたが、それでしたら、君もその家業に沿った方面に進むのが良いのではないですか?」

B「まあ、たしかにそうであるのかもしれませんが、私の場合、器用に万遍なくではなく、好きなことであれば、かなりのめり込む性質であると最近強く思うようになり、また、親戚などを見てみましても、そういうタイプがいますので、そちらの方が良いと思うのです・・。あと、歯科医師になった兄もそう云ってくれていますので・・。まあ、何れにしましても、もう少し働いてみないと分かりませんが・・。」

A「そうですか、次はまた知らない土地ですので、そこで君の考えも、どのように変化するか分かりませんので、まあ、あまり思いつめることなく、柔軟に考えたら良いですよ。あと、何か用事で関西方面に行くことがありましたら事前に連絡しますので、来れるようであれば来てください。」

B「ええ、分かりました。どうもありがとうございます。」

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2019年2月10日日曜日

20190210 P・F・ドラッカー著 小林 宏治監訳 上田 惇生・佐々木実智雄訳 ダイヤモンド社刊『イノベーションと企業家精神』pp.50‐53より抜粋引用

20190210 P・F・ドラッカー著 小林 宏治監訳 上田 惇生・佐々木実智雄訳 ダイヤモンド社刊『イノベーションと企業家精神』pp.50‐53より抜粋引用
ISBN-10: 4478370176
ISBN-13: 978-4478370179

『社会的なイノベーションとその重要性に関して、最も興味ある例は日本である。日本は1867年の明治維新以来、1894年の日清戦争や、1905年の日露戦争の勝利、あるいは真珠湾の勝利、さらには、1970年代における経済大国、最強の競争相手としての台頭にもかかわらず、アメリカやヨーロッパからは、つねに低く評価されてきた。

 その最大の原因、おそらくは唯一最大の原因は、イノベーションとは物に関するものであり、科学や技術に関するものでなければならないという、アメリカやヨーロッパの側における誤った通念にあった。そのため、日本はイノベータ―ではなくイミテーター、模倣者と見られてしまったのである。その結果、日本人自身でさえ、そのように考えるにいたっている。日本は科学的あるいは技術的な特筆すべきイノベーションを行っていないからである。

 もちろん日本の成功はイノベーションによってもたらされたものである。ただしそれは科学的・技術的なイノベーションではなく、社会的なイノベーションである。

日本がいやいやながらも開国に踏み切ったのは、かつてのインドや19世紀の中国の轍を踏みたくなかったからである。属国化したり植民地化されたくなかったからであり、西洋化されたくなかったからである。日本の目指したものは、柔道の真髄ともいうべきものであった。すなわち西洋の侵入を食い止め、日本が日本であり続けるために、西洋の武器を使うことであった。

ということは、日本にとって社会的なイノベーションのほうが、蒸気機関車や電報の発明よりもはるかに重要であったということである。そしてもちろん、政府機関や教育機関や労使関係なその発展すなわち社会的なイノベーションの方が、蒸気機関車や電報の発明よりも、はるかに難しいものであった。ロンドンからリバプールへ列車を引く蒸気機関車は、そのまま東京から大阪へ列車を引くっことが出来る。しかし社会の仕組みは、近代的であると同時に日本的であらねばならない。技術は安いコストで、しかもほとんど文化的なリスク抜きに輸入することが出来る。これに対して社会的な仕組みは、それを発展させるためには、文化的に根付かせなければならない。
 このような理由で、日本は100年前、その資源を社会的なイノベーションに集中することとし、技術的なイノベーションは模倣し、輸入し、応用するという決断を行った。そして見事に成功をおさめた。この方針は、今日にいたるまでも十分通用するものといってよい。なぜならば、時に冷やかし的にいわれている創造的模倣なるものこそ、後に17章で見るように、企業家的戦略としてきわめて成功の確率の高いものだからである。
 
 また、もしかりに、日本が他の国の技術の輸入や応用以上のことをしなければならないとし、自ら純粋に技術的イノベーションの行わなければならなくなっていると仮定した場合においても、日本を過小評価してはならない。

 そもそも研究開発というものが、人類史上ごく最近における社会的なイノベーションの一つなのであり、日本は過去の例からも明らかなように、社会的なイノベーションには、とくに長じているからである。また日本は、とくに企業家的な戦略にも長じているからである。

 かくしてイノベーションは、技術というよりは経済や社会にかかわる用語である。J・Bセイは、企業家精神をもって、資源の価値を変えるものと規定した。イノベーションについても、同じ文脈でとらえるべきものである。近代経済学者のように、イノベーションとは、消費者が資源から得るところの価値や満足を変えるものと規定すべきである。

 ただしイノベーションは、需要と供給のいずれの側でも起こる。鉄鉱石ではなく、鉄屑を原料として鉄鋼製品をつくるということは、供給にかかわるイノベーションである。コンテナー船の発明も、供給にかかわるイノベーションである。いずれも、最終製品や、その使用目的や、消費者は変わらない。
 
 しかし、テープレコーダーやビデオの発明は、技術的なイノベーションではあるが、消費者の価値観や欲求という需要側のイノベーションとしてとらえるべきである。1920年代にヘンリー・ルースによって創刊された「タイム」、「ライフ」、「フォーチュン」などのニュース雑誌や、1970年代後半から80年代前半にかけて発展をみたマネー・マーケット・ファンドなどの社会的なイノベーションもまた、需要にかかわるイノベーションである。』

20190209 対話形式1998年のこと【イノベーションに関連して】

おかげさまで、昨日投稿分の記事も投稿翌日にしては多くの方々に読んで頂きました。これを読んで頂いた皆さま、どうもありがとうございます。

また、今回の記事投稿により、総投稿記事数が1170に到達します。そして当面の目標としている1200記事まで残り30記事となりますが、これはあまり急がず、具体的には四月くらいまでに到達出来れば良いと考えています。

そういえば、先日投稿した記事である『「イノベーション」について思ったこと』も多くの方々に読んで頂けましたが、ここで述べたことには特に新しいことはなく、歴史・戦史などの分野では通俗的な知識であると云えます。とはいえ、こうした「イノベーション」の背景とは思いのほかに重要であり、以下に、それに関連すると思しき対話形式の文章を示します。
時代:1998年6月頃
場所:小田急線下北沢駅近くの喫茶店
A「そうですか、Bさんも***に就職が決まりましたか、それはおめでとう。それで勤務地はどこになるのですか?」

B「ええ、どうもありがとうございます。つい先日、内定者の集まりがありましたが、勤務地が決まるのはもう少し後になるとのことでした。会社は北海道から九州まで事業所がありまして、勤務地がどこになるかはまだ分かりません・・。それでも一応希望勤務地は首都圏と書いて提出しました。・・多分難しいとは思いますが・・。」

A「はあ、そうですか・・。まあ初めの勤務地は勝手知ったる場所ではない方が良いと思いますよ・・(笑)。」

B「・・そんなものですか・・しかし、私は元々首都圏の人間ですからね。出来るだけ早いうちにこっちに戻ってきたいと思うのですが、どうなのでしょうか?」

A「うん、多分まだ分からないと思うけれども、君くらいの年の頃は、色々な地域に行った方が良いと思うよ。それで、その後になってから、また大学院に進みたいと考えるのであれば、その時の方が良い選択が出来るのではないかな・・。」

B「ええ、そのあたりが未だ経験がなくて、よく分からないので何とも云えませんし、それでも先日説明を聞きにいった**大学大学院のヨーロッパ文化専攻はとても興味深く、面白そうで自分に合っているようにも思われたのですが・・。」

A「まあ、数年後になって君がまだ**のヨーロッパ文化専攻に行きたいのであれば、またその時は相談に乗りますが、でも、とりあえずはそうですね・・三年くらいは会社で働いてみるのが良いと思いますよ・・。」

B「・・しかし、先生はストレートで院に進まれたのですよね?先生はそれで良かったのですか?」

A「うん、私も当時は色々と悩みましたし、結局違う大学の院に行くことなったことは、君も知っていると思うけれども、私の場合、あまり他の選択肢は考えませんでしたね・・。それで、そうであったから君はとりあえず数年働いてみるのが良いと思うのです・・。ストレートで院に行くのは、正直なところ、あまりツブシが利かないので、おススメできませんよ。」

B「ふーん、そんなものですか・・。そういえば先日、大学院進学について親に話したところ『文系分野の院に行ったってツブシが利かなくなるだけだから、ちゃんと会社に就職した方が良い。』と云われまして、それでA先生のことを話したところ『ああいう人はそれで良いんだ。それにその分野の研究者で食べて行ける人なんて本当に少ないのだから、それはそれでA先生も苦労しているはずだ・・。』というようなことを云われました・・。そうするとA先生の専攻分野の方々は、研究者以外でしたら他に何になることが出来るのですか?」

A「うーん、たしかに現在の日本では、大学の研究者以外にあまり道はないかもしれないけれども、私が留学していた国では、この専攻分野の院を出て普通に企業に就職することもあったし、あとは軍や政府機関に就職した方もいましたね・・。それに向こうの企業には企業参謀といった私のような背景を持った人々が結構いるのです。しかし、たしかにそういった社会環境は日本の企業文化にはないかもしれませんね・・。ここ日本ですと、歴史とか国際関係論などはあまり実用的な学問とは見做されていないようですが、本質的にはそれは間違いなのです・・。向こうの連中は歴史や思想とか哲学があるからこそ、企業や組織が機能して、さらには発展することが出来ると考えているようなところがありますね・・。」

B「・・はあ、そんなものなのですか・・そうすると、向こうでは先生のような背景を持った方々が企業や組織で参謀のような仕事をしているのですか・・。それはたしかに日本の会社とは違うかもしれませんね・・。」

A「うん、ですから、そういったことを確かめるためにも、とりあえずは良い会社に就職出来たのだから数年間はそこで働いてみなさいよ。多分そこで勉強になることも沢山あるだろうし、そして、その時になって考えが変わったら、また相談に乗りますよ。」

B「ええ、そうですね。どうもありがとうございます。それで先生はこの後どうされるのですか?」

A「ああ、今日は仕事が少し早く終わったから**の実家に帰ります。ですから、ここからは井の頭線で渋谷に出てから**線ですね。・・あ、そういえば、今度うちのゼミ生を連れて外務省外交史料館に見学に行く予定なのですが、君も就職が決まって時間があるのでしたら、ご一緒にどうですか?」

B「はあ、外務省外交史料館ですか・・。それは面白そうですね。空いている日でしたら是非行きたいと思います。」

今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。
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ISBN978-4-263-46420-5

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前掲書籍の主著者である師匠による歯科材料全般あるいは、いくつかの歯科材料に焦点を当てた勉強会・講演会の開催を検討されていましたら、よろこんでご相談承ります。師匠はこれまで長年、大学歯学部・歯科衛生・歯科技工専門学校にて教鞭を執られた経験から、さまざまなご要望に対応させて頂くことが可能です。


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