2021年12月14日火曜日

20211213【架空の話】モザイクのピースとなるものの背景について思ったこと・・

 今回の新規記事投稿により、総投稿記事が1668に到達します。この数値はあまりキリが良いものではありませんが、ともあれ、そうしますと、残り32記事の投稿にて1700記事到達となります。

他方で、今月・今年は残り17日あまりですので、この期間内に10記事+αほど投稿しておきますと、来年1月での記事投稿が多少楽になると思われますので、本日も当初はあまり気乗りがしませんでしたが、とりあえず作成しておこうと考え、さきほど来から何やら書き進めている次第です。

そういえば、今月当初から改めて【架空の話】の続きをいくつか作成しましたが、その理由は以前の投稿記事においても述べましたが先月末頃に続けて「たまにブログ読んでいるけれど、【架空の話】に時折面白いのがあるね。」という主旨のことを云われたからです。

また、云われた後、しばらく経て分かったことですが、それらの方々は、共通して大学研究者でした。とはいえ、それは【架空の話】の内容に近い医歯学系ではなく、工学系・人文系分野の先生方であり、私としましては、医歯学系の先生方に云われるよりも幾分か嬉しいと云えます。

くわえて工学系・人文系分野の先生方が【架空の話】を読まれて、何について興味深く思われたのかと思い、人文系の方に訊ねたところ「自分がほとんど知らない分野の方々の生態というか文化のようなものが書かれているところが面白いですね。」といったお返事を頂きました。

とはいえ、その作中にあるK医療専門職大学は、あくまでも架空の高等教育機関であり、そのカリキュラムなど教育課程の詳細については、あまり詰めてはおらず、未だ、その課程のなかで有意に多いとされている「実習」については「どのようなシステムになるのだろうか・・」と架空であるにも関わらず、勝手に悩んだりしています・・・(苦笑)。

おそらく、専門職大学での歯科技工士養成における「実習」の場合、鋳造などの、これまでの技術を主とした歯科技工を行っている技工所と、CAD/CAMに用いる装置・機器などを多く備えた、いわば将来の技術を多用した技工所の双方での実習期間を設けることが望ましいように思われます。

また、実務家教員としては、これまでの歯科技工士養成課程と同様、その多くを歯科医師があたることになると思われますが、これについては、しばらくはこのままで良いと思われます。

将来、そうした教育を経て、これまでの各種機器にくわえ、CAD/CAMに用いる装置・機器の扱いに長け、さらに、それら機器を用いた実験系なども組み立てることが出来る歯科技工士が登場してくるものと思われます。

そういえば、以前に(実在の)四年制大学での歯科技工士養成課程を経て、さらに修士・博士課程に進まれた方と何度かお話をする機会がありましたが、たしかに、その方は私などよりもはるかに優秀であり、また、手先も器用であると思われたことから、前述の将来とは、思いのほか早く訪れるのではないかとも思われる次第です。

そして、そこまで書いていて、不図、【架空の話】の次の題材を思い付きましたので、そのキーワードを「新しい投稿」に記しておき、また本日の記事については、このあたりにさせて頂こうと思います。

今回もまた、読んで頂き、どうもありがとうございます!

順天堂大学保健医療学部

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 


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ISBN978-4-263-46420-5

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2021年12月11日土曜日

20211211【架空の話】・其の73 【モザイクのピースとなるもの】

以下、聞いたハナシではあるが、K医療専門職大学が新設されて2年目、EU非加盟の西欧某国大使館から県庁経由にてK医療専門職大学に問合せがあり、某国の高等教育行政に携わる方々が、医療介護専門職を養成する日本の新たな種類の高等教育機関を是非、見学したいとのことであった。

しかし、わざわざ何故、九州辺縁にあたるKの専門職大学の見学を所望されたのかと考えてみると、イマイチ判然とせず、あるいは人によると「幕政末期の頃、Kと某国が戦争をして以来、現在に至るまでさまざまな交流があるのだ。」とのことであったが、これはあながちウソともいえず、また医療の絡みであると、明治日本が医学の手本とする国をドイツ一辺倒として定めることにより、それまでお雇い外国人であったドイツ以外の医師達は、いわば用済みとして多くが解雇となったが、そうした中の一人である某国人医師WはKに留まり、地域での医学教育や医療の発展に尽くしたとのことであった。

しかし、あとで聞いたハナシによると、そうした過去からの因縁も多少はあるのかもしれないが、そもそも、この視察団はK以外に四国、瀬戸内、山陰の専門職大学も見学する予定とのことであった。また、それと関連して、近畿・関西そして、それ以東の地域に対しては別の某国視察団が訪問していたかは不明であるが、これについても、少し面白い意見を聞いた。それは「日本を出自とするノーベル賞受賞者は、その多くが西日本出身であり、そこから、この地域にある何らかの特色・特徴を見出そうという目的があったのだ。」とのことであったが、これに関しては多少、誇大妄想の感があるように思われる・・。

とはいえ、その見解に至るまでの背景は事実であることから、それは某国よりも自国にて、さらに精査することにより、何らかの有意な見解を見出すことが出来るのではないかとも思われたが、さらに、これについても、さきとは別方面ではあるが、少し面白い意見を聞いたことがある。その内容は「国内でも、そうした研究は為されていて、そこから、西日本の漁業が盛んな地域、あるいはその周辺において特に能力優秀な方々が輩出される傾向が認められることから、魚、特に青魚に含まれる成分が頭脳の働きを高めるのではないか・・。」とのことであったが、これについても幾度が類似する見解を聞いたことがあり、これもまた、その背景は少なくとも、全くの間違いではないことから、興味深い未解決の疑問として現在にまで至る。

さて、この某国視察団の来訪に際し、通訳が必要ということになり、当初、医専大近隣のK大学法文学部の語学を専門とする教員に通訳依頼が行っていたが、来訪数日前に体調を崩されてしまい、急遽、通訳の代理が必要となった。そして、この代理通訳となったのが、さきのH先生であった。

この視察団訪問の折り、H先生は県知事や医専大学長(K大学医学部教授との兼任)等の雲上人に混ざり、視察団との間の円滑なコミュニケーションの促進に努め、そして、彼等をK空港にまで送った際には両手にて握手を求められて労われたとのことであった。そして、H先生には、こうした背景があったことから、後年、私がD3の頃、某国の大学へ留学されることになったという意見を聞いたが、これもまた眉唾ものであったと云えよう・・。とはいえ、そのような背景からの説明であっても、決してウソとは云えないことから、それらをある程度自然なモノガタリとして結節することが可能な経験をされている方に、自然と、そうした縁のようなものは流れて行くのかもしれない・・。

また、この一件を契機としたのか、翌年からH先生は口腔保健学科・口腔保健工学科の1年生を対象とした教養科目「歯科英語」の担当として、あたるようになったとのことであった。

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2021年12月9日木曜日

20211209【架空の話】・其の72 【モザイクのピースとなるもの】

K医療専門職大学の口腔保健工学科は、その設置にあたって、私の指導教員であるS教授と補綴系の先生方が主となって動いたと聞いているが、いざ設置してみると、その教員の配置に苦慮したという。

大学設置以前からの歯科医師会立専門学校歯科技工士科の先生方は、既にその当時定年間近であり、また、K大学の歯科生体材料学研究室の先生方も、その設置にあたってはS教授によく協力されたとのことであったが、新設の医専大での講義や実習については、さきの専門学校の先生方と同様「体力的に少しキビしいです。」とのことであり、また、それに対しS教授も設置の際に色々と働いてくれた研究室の先生方に対して無理強いしようとはしなかった。その代わりに、当時、他の補綴系研究室から大学院生として歯科生体材料学研究室にいわば出向していたH先生と、もう一人のM先生に白羽の矢が立ち、彼等は大学院生でありながら、医専大の教員として勤務することになった。

そして数年を経て、E先生が専任教員として着任するまでは、H・Mの両先生を主としながらも、K大学と、かつての専門学校歯科技工学科の先生方からの手助けにより、どうにか口腔保健工学科の実習・講義をまわしていたとのことであったが、そこからさらに数年経ち、私が入学した頃にはH、M、Eの若手3先生によって、学科をまわしている状態にはなっていた。

H、Eの両先生については、以前にも触れたため、ここではM先生について述べる。このM先生は地元のご出身であり、一度、他の歯学部に入学され、3年次までは進級したものの、ご家族の都合のため実家に戻る必要が生じ、そして、あらためてK大学の歯学部を受験されたとのことであった。その見た目は、以前にも少し触れたが、恰幅が良く、目が大きく、Kをはじめとする九州南部地域で時折見受けられるタイプであり、性格は全体的に朴訥としながらも、実習などで見せる、さまざまな手捌きは繊細なものがあり、私にとってこのコントラストは少し驚きであったが、案外、こうした朴訥な外見の方々の方が良いセンスを持っているのかもしれない・・。

さて、私がはじめて実習補助の非常勤講師として医専大の口腔保健工学科教員室(研究室)に入った時、M先生は弁当を食べており、H先生は何やら書類を片手にマグカップのコーヒーを飲んでいた。また、E先生は実習準備のために実習準備室(倉庫)と実習室を行き来しているとのことであった。

M先生は「もう大体準備は出来ているから、それと今年の2年生(この実習は2年次に受ける)は**君の頃から少し増えて20名だけれど、また女子学生が少し増えたね・・。昔は歯科技工士は男性の仕事というイメージだったけれど、これからは変わっていくんだろうね・・まあ、それは歯科医師でも同じかもしれないけれど・・。」と仰っていたが、たしかにそれは少なくとも間違いではないように思われた。そして、実習準備をされているE先生の手伝いをしようと両先生にその旨を申し出ると「ああ、それは丁度良い、E先生はインレー・ワックスを金型に圧接する時のプレス機を準備していると思うから、そちらに行って手伝ってあげてください。」とのことであった。

そこで、足早に実習準備室へ行ってみると、果たしてE先生はプレス機をカートに載せて、さらに大瓶に入ったワックス分離剤(セップ)を棚から取り出しているところであった。そして私の姿を入口に認めると「あ、丁度良かった、この棚にあるワックス・インスツルメンツの箱を実習室に持って行って所定の場所に置き(分かるでしょ)、戻ってきて一緒に、このカートを実習室まで運ぼう。」とのことであった。

実習室にインスツルメンツが収納された箱を持って入ると、薄青色の作業着、制服を着用した学生さんが既に何人かおり、古びた同じ制服を着用している私を見ると、しばし動きが止まったが、首に吊り下げた「非常勤講師」のカードを認めたのか「こんにちわ」と声を掛けてきて、少し訝し気な様子にて、浅くお辞儀をした。それに対し私は多少、威儀を正して応答しようと思ったものの、K大学にいる時の癖であるのか、どうもそれが出来ずに「ああ、どうも、こんにちは・・今日はよろしくお願いします。」といった返事をしていた・・。

そうした態度と、着用している
作業着、制服から、一人の学生さんが「あの、先生はここの卒業生なのですか?」と続けて訊ねてきた。私はすぐにまた実習準備室に戻る必要があることから「ええ、そうですけれど・・今ちょっと実習の準備していますので、また後で・・。」と云って片手を少し上げ実習室を後にした。

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2021年12月8日水曜日

20211207 しばらく【架空の話】の続きを作成して思ったこと・・

今月に入り、またしばらく【架空の話】の続きを作成してきましたが、これらは、自分の記憶と架空の部分が混交することによって成立していると云えます。自身の頭の中でストーリーが組み立てられ、そして、それを文字・文章によって具現化していく様子は、作成している本人にとっては、常日頃より、程度こそあれスランプを自覚していればこそ、それなりに快いものであり、そこから「もうしばらく書き続けてみようか・・」と思うこともありますが、これが最近分かってきたことではありますが、なかなか危険なのです・・。つまり、そうした状況から、興に乗り、さらに書き進め過ぎてしまいますと、翌日のみならず、それ以降にも引きずってしまう疲労を残すことが多いのです・・。

私の感覚としては、この種類の疲労は独特であり、また、多少悔しいですが、これは年齢によるものが少なからずあるように思われます・・。そしてまた他方で、ここにきて再認識したことですが、どうしたわけか、こうした文章の作成に関しては、夜半過ぎ、深夜の方が明らかにスムーズに進むと云えます。そうしますと、夜半から時間を決めて短期集中にてブログ記事を作成するのが、もっとも効率的であろうと思われるのですが、しかし、これれまた面白いもので、文章作成の波のようなものは、潮の満ち引きのように、ある程度定まった時刻に訪れてくれるようなものではないのです・・。

そこで、着想の波が訪れるために何をするかと云うと、書籍を読んだり、何かしら調理をするのですが、これとて不十分であり、ここ最近は、比較的早い時刻(それでも22:00は過ぎていますが)に入浴出来るようにしておき、浴槽の中で何やら考えるといったことが多くなりましたが、これはなかなか効果的であるようで、今現在、比較的順調に書き進めることが出来ているのも、その効果ではないかと思われます。

また、本日に関しましては【架空の話】の続きは作成しませんが、しかし、こうした日に【架空の話】の大事な構成要素である自身の記憶の関連する部分が何らかの契機で励起され「そういえば、こんなことがあった。」となるのです。こうしてまさしく「思い出された記憶」は、その後もしばらくは比較的容易に思い出すことが出来る状態となり、そして、その記憶を骨組みとして、新たな【架空の話】が作成されることになりますが、本日は、さきほどの入浴の際に直近の【架空の話】・其の71にも関連する記憶が思い出されましたので、それは近日中に作成する新たな【架空の話】に盛り込もうと考えています。

そういえば、ここでまた面白いと思うことは、こうした自身の独白形式のブログ記事よりも一連の【架空の話】の方が多く読んで頂けていることであり、たしかに、この【架空の話】の方が他の大半の私が作成したブログ記事と比べ「希望ある未来の世界」を設定していることから、相対的に読み易いのではないかと思われます。また、それと関連して、以前にも少し述べましたが、登場する架空の高等教育機関であるK医療専門職大学について触れた記事が、意外と伸びる傾向があるように思われます。

最近、高等教育機関をめぐり、さまざまな出来事・事件が取り沙汰されていますが、あるいはこのあたりで、実際にそのような高等教育機関を試験的に幾つか設置してみても良いのではないかとも思われますが、さて如何でしょうか?

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2021年12月6日月曜日

20211206【架空の話】・其の71 【モザイクのピースとなるもの】

K大学大学院博士課程に進んで2年目、いくつかの学会にて発表も行い、また、海外発表も経験した頃のある日、S教授に呼ばれ「来週から君の出身校であるK医専大の口腔保健工学科の実習補助に行ってくれんか?」と云われた。その頃は丁度実験も落ち着き、また、既に大分シフトを減らしていた病院での夜間警備員のアルバイトも辞めていた頃でもあったことから、特に断る理由もなく・・否、より本心に沿ったその時の心情は「大変貴重な経験になる」と喜んでいた。

さらに、これは医専大から非常勤講師のアルバイト代も入るとのことで、当時の私としては貴重な経験であると同時に、経済的にも、かなりありがたいものであった・・。

そして翌週の当日、実習は午後からとのことで午前中はK大学の方に顔を出し、次の実験に用いる試料検討のための作業や予備実験などと併行して、渡されていた実習資料に目を通していたが、その内容は、私が在学時に用いたものと殆ど変わりがなかった。

やがて昼近くなり、少し早めに出ようと荷物をまとめ、S教授の研究室に出発の旨を伝えに行った。すると教授は「おお、まあ頑張ってこい!それと火には気い付けいよ、今日の実習ではあの金型にワックス・アップして鋳造するあれがあるからな。」とのことであり、そして最後に「あっちの先生方によろしく伝えてくれい!」と宣っておられた。

医専大へは原付で行ったが、多少到着が早く、大学入口は、昼食のために出入りする学生さん達で混み合っていた。医専大には学生全員を収容できるほどの学食はなく、多くの学生さんは昼食時に、学外の近くにあるK大学の学食や、その周辺にある学生向けの食堂、そして、すぐ近くの*クドナルドなどを利用していた。

ともあれ、その出入りが丁度はげしい頃、私は原付を駐輪場に停めて建物内に入り、二階にある事務室に出勤を伝えると、私が在学していた頃からの方が出てきて「ああ、**君、いや、今日からは**先生だね。ええと、それじゃあ、先ずはお願いしていた非常勤講師関係の提出書類一式をお願いします。ええと、それと・・」と云って青色のストラップが着いたカードホルダーをこちらに手渡し「学内では一応、それを着けておいてください。」と云われた。もとより卒業生である私は、それが「非常勤講師」と記載があるカードが収められていることは知っていたが、今に至るまで自分がそれを着けることになるとは考えていなかった・・。

さらに事務の方から「それと3階の非常勤講師室は看護学科の非常勤講師の先生方が使っているから**君・・いや先生は、口腔保健工学科の研究室で待機していてください」と云われた。私は捺印、記名した必要書類一式と共に、歯科技工士免許証の写しと、何故か求められた修士の学位記の写しも提出して研究室に向かった。

研究室に至るまでの廊下で、実習室の前を通ると、既に電気炉が高温になっていることが分かった。少し前までは、まさに、この実習室で、さまざまな合金の鋳造を行っていたのだが、現在、その前を通ると、不思議なことに感慨のようなものは皆無であり、ただ電気炉内温度を示すデジタルインジケータ―を読み、それにより、その電気炉にて用いる埋没材の種類を判別しようとしたのだが、そうすると途中で、私が経験した同実習の記憶が甦り「ああ、以前私が受けた時と同じ配置の電気炉の設定だ・・そうすると遠心鋳造機とバーナーの並びもあの時と同じかな・・」と、さらにその並びを眺めると、果たしてそうであった。

口腔保健工学科の教員室は、これまでに何度も訪問したことがあるが、それらは悉く学生としてであり、今回のような微妙な立場では一体どのようにすれば良いのか多少躊躇したものの、以前の習慣通り、ドアをノックして「すいません、K大学大学院の**と申します。本日は口腔保健工学科の実習補助として参りましたが入ってよろしいでしょうか?」と意識して少し大きい声で云うと「おお!入って入って。」と私の編入試験時に面接をされていた細身長身のH先生の声が返ってきた。

このH先生は地元の私立進学校からK大学歯学部に入学された方であり、色々とよく分からない才能があったが、特に顕著であったのは、英語がそこまで堪能というわけでもないものの、英語以外を母国語とする、さまざまな国の人々とも、割と精確なコミュニケーションを取れることであり、傍でそれを見聞きしていると、いかにも普通に見えるのだが、あとでよく考えてみると「何故あんなことが出来るのだろう?」と思うような感じであった。

水木しげるが、ある妖怪について同じ主旨の見解を述べていたことが思い出されるが、たしかにこのH先生には、そういったよく分からない才能があった・・。くわえて、のちに、このH先生は海外の大学に留学されることになり、その時には私も少し影響が及んだと云えるのだが、それについはまた別の機会に述べたいと思う。

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2021年12月5日日曜日

20211204【架空の話】・其の70 【モザイクのピースとなるもの】

大抵の医科系学科の実習時には、白衣やケーシーやスクラブを着用するが、医専大の口腔保健工学科すなわち歯科技工士養成課程では、実習時に薄青色の一般的な白衣状のものを制服のように着用していた。

これは特にカッコ良いと思えるものではなかったが「そのようなものであろう」と、特に気にしたことはなかった。しかし、医専大在学の最後の頃、すなわち歯科技工士国家試験においては、実技試験として90分以内での上下顎総義歯の人工歯排列および削合があり、その際には皆、この「制服」を着用して臨み、それは実技試験会場に集まっていた九州地域内各校においても同様であり、そこで、歯科技工学科全般において、特に統一して定められた「制服」のようなものはないことを知った・・。

さて、現今、Kでの歯科技工士養成校は医専大のみであるが、以前は地域の歯科医師会立の専門学校が天文館にあったと聞いている。これは、以前に少し触れた国策による大幅な医療介護系職種増員計画によって、各地域に専門職大学が新設される際、同専門学校の歯科衛生士学科と共に、新設の専門職大学に吸収された。歯科衛生士養成校については、以前は地域内にさきの歯科医師会立を含めて3校存在していたが、それらもまとめて専門職大学に一括吸収された。

そうした経緯もあり、当初の口腔保健学科(歯科衛生士養成課程)の入学定員は40名であったが、年を経る毎に増員し、私がK大学大学院に進んだ頃は55名となり、さらに私がD2になった頃は65名となっており、さらに同時期にはK大学歯学部にも口腔保健学科新設の噂があり、実際、研究棟のあまり使われていない最上階に口腔保健学科を置くという提案が学内で出されたとのことであったが、その後の進展等ついては、現在に至るまで耳にしたことがない。

また、北隣の熊本県における歯科衛生士養成校の事情はKよりもさらに込み入っていた。それは、かねてより口腔保健学科が設置されていた県北部の医療系大学では当初、入学定員が50名であったのが、これまた年を経る毎に増員し、さきに述べた、私がD2になった頃は80名となっていた。さらにK同様、専門職大学も熊本市内に新設されていたが、こちらもK同様、県内複数の歯科衛生士専門学校を統廃合、吸収したものであったのだが、この新設専門職大学が、さきに述べた古株の医療系大学とが何かと競い合うようになり、その定員も当初の40人から増加し、古株の医療系大学での学科定員が80名になった頃には70名となっていた。

また、以前の口腔保健学科は、そこまで人気のある学科ではなかったが、近年の社会全体の高齢化により、口腔機能の重要性が医療分野全体から見直されるようになり、くわえて、歯科衛生士が臨床現場のみならず、さまざまな研究、あるいは企業活動分野などにおいて専門家として参画するようになってくると、自然、社会での認知度も高まり、さらに、昨今は管理栄養士とのダブル・ライセンスの方も増えてきているとも聞き及んでいる。これは、高齢化という社会全体の潮流としては決して好ましいものとは云えないが、ともあれ、そうした情勢の後押しを受け、これまで、あまり陽の目を見ることがなかった地味とも云える歯科衛生士をはじめとする医療介護系職種全般(歯科技工士を除く)の人気が高まったのだと云える。他方で、人文社会科学系の法律や会計などの専門職系以外の学科は、軒並み人気が著しく下がり、また、人文社会科学系を主軸とした小規模大学の学生募集停止や閉校のハナシは度々聞いた。

おそらく、その背後にはインターネットをはじめとする情報通信技術の、ここ30年ほどでの大幅な進歩があると思われるが、それを受けて、最後のアナログとも云える人体を扱う医療系分野の人気が上がってきたということは、我が国の性質の一面を端的に示しているのではないかと思われた。

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2021年12月4日土曜日

20211203【架空の話】・其の69 【モザイクのピースとなるもの】

以前にも述べたようなS教授の性格もあってか、研究室には企業、開業医など、さまざまな方々の訪問があった。また、複数の開業歯科医師、歯科技工所などとも並行して共同研究を行っており、そこでの試料作成や実験データの作成などが、下請けのように、大学院入りたての私のところに来たが、こうしたことについては、研究室の他の先生方や医専大勤務のE先生などが丁寧に教えてくださり、また、そのおかげもあって、さまざまな機器・分析機器の使用方法も習得することが出来た。

医専大時代からお世話になっているE先生は、週に一回はこちらにも顔を出すことから、私と顔を会わせることは度々あり、夕刻過ぎに帰る時などは、よく私を食事に誘ってくださった。その態度は、医専大の頃よりも打ち解けていたが、そこで私の方も打ち解けてしまうのは如何なものかと思い、以前と同様に接していたのだが、この地では案外それで良かったのかもしれない・・。

E先生はK市内に御実家があるものの、勤務先である医専大の近隣にアパートを借りて一人暮らしをされていた。そうした経緯もあり、外での夕食が多かったものと思われるが、私としては、E先生との夕食によって研究室や地域のさまざまな事情を知ることが出来、また、懐かしい東京の話題で盛り上がることも出来たことから、これは大変ありがたかったと云えよう。

E先生と行ったのは大抵、外食チェーン店であったが、とりわけハンバーガーの*クドナルドをE先生は好み、かつて私が医専大の学士編入試験の際に立ち寄った医専大近くの店舗には度々足を運んだ。また、そうした折の会話にて、E先生は「いや、本当は「て*や」の天丼が食べたいのだが、あれは九州では福岡まで行かないとないんだよなあ・・」と宣っておられたが、たしかに、その当時、ここKには「て*や」はなかったことから、私も「ああ、そうですね。あそこの夏限定のたれ付けした穴子の天ぷらがのった天丼がまた食べたいですね・・。」と返答したところ、E先生はフライド・ポテトをケチャップに浸けつつ頷いておられた。

また、この*クドナルドでは、私が初めての海外での学会発表前の予演をE先生に深夜に聴いて頂いた時のことが印象深い、この時、E先生は、横に赤の三本線が入った青いナイロンパンツの上にスウェットパーカを着用して髪の毛はボサボサであり、なんとなく映画「ファイト・クラブ」の登場人物を彷彿とさせた。

深夜ではあったものの、周囲にはK大学の学生さんらしい方々が散見され、こちらも見た目としてはそこまで変わりはないことから、特に浮いてはいなかったと思われる。しかし、二度目の予演を終えて、その講評を聞いていると不図、店の入り口を見たE先生が突然、パーカのフードを被り、私の方に小声で「・・今、店に入ってきたのは、うちの看護学科のR先生だ・・。あの人は高校時代の同級生でもあるんだけれど、ここで、こんな時間に、この格好で遭うのはちょっと・・」と云って、入って来たR先生に顔を見られないように座席を移動してから「じゃあ、大体は大丈夫だと思うから、それと、あのスライド7枚目のフィグを説明するところをもう少し強調した方が良いと思うよ・・。」と言い残し、既に席に着いていたR先生に気が付かれないようにパーカのフードを被ったまま、まさに脱兎の如く店から出て行ったことがあったが、おそらく、そこには、何らかの事情があったのだと思われる・・。

そういえば、この医専大については、その後、私もS教授からの依頼で実習補助に出向くことになったのだが、そのことについては、また、別の機会に記してみたいと思う。

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