2018年4月6日金曜日

20180405 永遠回帰・シューシュポスの神話? 議論よりも上意下達が効率的と考える社会・・

一昨日から読み始めた中央公論社刊 吉田 裕著 『日本軍兵士』をさきほど読了しました。やはりこの分野の著作に関しては比較的スムーズに読むことが出来るようです。

また、この著作を読んでいて思い出されたのは同じく中公新書の高田里恵子著『学歴・階級・軍隊ー高学歴兵士の憂鬱な日常』であり、内容の陰惨さ、もしくは我が国社会が持つどす黒い部分への言及については後者の方がよく描かれていたと思われます。

しかし一方で、前者に関しては、新書にて戦地における我が国の歯科医療を扱ったという意味で大変意義深い一冊であると考えます。

また、昨日投稿分記事にて述べましたが、前者は現在この時期に刊行されたということ、さらには、それが数多く売れていることもまた、何かしら示唆するものがあるのではないかと思われるのです。

しかしながら、昨今時折見聞します我が国近現代史に関する声高にして強気なご意見とは、さきに挙げた二著作あたりを読むことにより、少なくとも懐疑的にはならざるを得ないと思われるのですが、そうした現象もあまり見受けられないことから、前者は数多く売れているにもかかわらず、そこからの直接的な影響は思いのほかに少なく、さらには思想や読まれる著作もまた、居心地が良いように棲み分け、あるいは、体よく分断されているのが現代のインターネットを基盤とする情報化社会が持つ特徴と云えるのかもしれません。

あるいは、当ブログが幸運なことにこれまでに炎上しなかった原因もまた、そうした状況にあるのではないかとも思われます。また、これらのことを総合的に考えてみますと、古くから我が国社会は議論が好まれない社会であると云われ、また近代初期においては、そうした状態を改める試みも行われましたが、結局のところそれらは広く社会に根付き、自転運動を起こすには至らず、時代を経るごとに徐々に衰退し、そして顧みられなくなっていったと云えます。

そしてまた、おそらく1945年以降の戦後期においても同様の動きがあったと思われるのですが、現代の我が国社会を省みるに、またさきの近代化以降における試みと同様、その動きも衰退し現在に至っているのではないかと思われるのです・・。

おそらくこれは偶然などではなく、我が国社会が持つ傾向・特徴を端的に示すものであると考えます。そして今更再び議論出来る社会を上からの意向(威光)によって構築・醸成することは、おそらくコスパに合わない(笑)ため、その代わりに、あまり無理のない、我慢強い日本人ならば耐え切れなくもない上意下達システムの洗練の方向へと収斂していくのではないでしょうか(笑)?

また、こうした社会においては、当然の如く文学などよりも、より多くの人々が楽しめるマンガの方が価値あるものとして見做されるようになると思われます・・(苦笑)。

しかし、果たして本当にそれで良いのだろうか・・?

今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

近年から
現在までに、列島各地において発生したもしくは現在も継続し発生している地震・大雨・水害・火山噴火などの大規模自然災害により被災された(されている)諸地域の安全の確保そして復興を祈念しています。




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