2016年3月21日月曜日

20160321 専門知識と教養について・・

現在色々と取り沙汰されておりますが、専門知識とは一体何でしょうか?

これは医学などの理系学問分野などにおいては、その職務を行う上において必要不可欠な知識であると云えます。

一方、文系学問分野の中で、特に法学・会計学以外の分野などにおいては、その専門知識とはどういったものであるかとは分かり難いのではないかと思われます。

他方で古くからの文系学問分野、具体的には思想史・歴史系の分野においては、単に自身の専門分野での知識のみならず、それを理解するために膨大な様々な領域における周辺知識が必要とされます。

そうした周辺知識に支えられ、はじめて自身の専門知識が生き、それを読み、聞いている方々が内容の意味の深みを知り、そして述べる内容に説得力が付与されるのではないかと思われます。

また、その周辺知識とは「教養」とも称することができるのではないかと思います。

この「教養」とは、特に理系学問分野の場合、直接的に専門知識とは結び付かず、あるいは(これまた直接的には)経済的利益もたらさないことから、此岸性を重視する傾向が著しく強い我が国の社会においては、表面的な扱いはともかく、本質的に「教養」を軽視、あるいは、その真価、存在意義の重さ、深さを見誤り続けてきたのではないかと思われます。

その結果、近代、特に戦後以降の我が国における「教養」とは、さきほど述べたように経済的利益と直接に結び付かないことから、そうしたことに情熱を持つことができる少数の方々によって細々と半ば私的に研究され続けてきたといった側面が強いのではないかと思われます。

そしてこれまで細々とこの「教養」に携わってきた方々が現在巷において見受けられるの歴史、教養、勉強ブームを見ると、それは「我が意を得たり!」といった感じになるのでしょうか?