2021年3月5日金曜日

20210305 購入した新たな書籍から思ったこと

本日の首都圏は夕方から雨が降り始めましたが、それまでは比較的暖かく過ごし易い一日であったように思われます。そうした中、都心の大型書店に出向き、昨年10月から読み始めた宮地正人著「幕末維新変革史」を読了したことから「次の一冊を・・」と思い、以前から気になっていました慶應義塾大学出版会刊 福澤諭吉著 伊藤正雄訳「文明論之概略」を購入しました。

この著作は以前にも何度か異なる版で読んだことがありますが、今回購入の版は、同出版会刊行の原文版と比較しますと、原文に忠実でありながら、読み易く、さらに300頁以降からは要旨・評説、そして480頁以降は解説といった構成であり、それなりに読み応えがあると思われます。

また、当著作とは別に、ちくま文庫から刊行されている斉藤孝訳の同著現代語版がありますが、こちらも読み易かった記憶があります。ともあれ、何れの版においても、当著作は、混迷の中にあるとも云える現代の我が国社会を、ある程度根本から考えるに際し、大変参考になる一冊であると思われますので、ご興味のある方は是非、ご一読頂ければと思います。

おそらく、ある程度古い著作を読む機会が少ない方々におかれましては、当著作には、現代の視座からしますと多少吃驚するようなことも書かれているように思われますが、それはそれで良い読書経験になると思われます。

また、当著作原文に比較的近い文体を持つ著作が、これまでに当ブログにて何度がとりあげている陸奥宗光による「蹇蹇録」であると思われます。そこで、今しがた両著作を取り出し、それぞれ少し読んでみたところ「文明論之概略」の方は、概念的な記述が多いように感じられ、対して「蹇蹇録」は、全体的に刻々と進む出来事の様相を述べていくといった記述であり、読み易さの点からは「蹇蹇録」の方が少し勝っていると思われますが、もとより、これは内容の重要さを決めるものではありません。

とはいえ、双方共通して云えることは、読んでいると何故だか音読したくなるような日本語であることで、くわえて、現在猫背気味でPCに向かっている私も、それぞれ取り出し、少し読み始めますと、どうしたわけか背筋が伸びてくるのです・・(笑)。

しかし、こうして活字のフォントなどは変わったかもしれませんが、それでも100年以上前に著された著作を、現代において、そこまで労せずに読むことが出来る我が国は、その意味では、それなりに良い国であると思われます。

今後、どの程度にて読了に至るか分かりかねますが、その次には、併読といったいわば二正面作戦になっても良いのですが、書肆心水刊行 杉山茂丸による「俗戦国策」を読み進めたいと考えています。こちらの著作は立読みしていただけでも「何と!」と驚くような記述がいくつかあり、また、その文章あるいは表現には、現代の著述ではあまり見受けられないものが散見されることから大変興味深いと思われました。

*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!


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ISBN978-4-263-46420-5

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