2020年6月4日木曜日

20200604 【(概ね)事実に基づいた話】以前の勤務でのハナシ

【(概ね)事実に基づいた話】
ここ二十数回にわたり【架空の話】を記事として作成してきましたが、先日、ある方からフェイスブックでシェアした投稿記事に「いいね!」を頂いたことから、あることを書いてみたいと思うようになりましたが、現在連続投稿している【架空の話】では、そのことを挿話とすることは困難であると思われることから、今回の投稿記事は、それを題材として以下に記事を作成します。

かつて、私は主に首都圏で訪問歯科診療を行っている比較的大きな医療法人にて勤務していた時期があった。

この職は「訪問歯科コーディネーター」というものであり、訪問歯科診療を行う医院にて、診療の手配や受付けやクレーム等の対応、会計業務、そして周知活動と云う名の営業活動を担い、ある種、マルチタスクが要求される職種であった。

私以外の同法人勤務コーディネーターの背景は多様であったが、その多くは営業畑の出身者であった。それに対し、私の営業経験と云えば、以前、観光業に就いていた五年間に、それらしきことを何度か行った程度のものであり、ほぼ皆無といって良い。

その一方で「歯科医療業界について知っている」と思われて働くことになったわけであるが、これには思いのほか苦労した。それでも、ここでの経験も決して悪いものばかりではなく、おそらく今後更に必要性・重要性を増すであろう訪問歯科診療の舞台裏を見ることが出来たことは、貴重な経験であったと云える。

とはいえども、私はマルチタスク的業務が大の苦手であり、周囲の方々には色々とご迷惑をお掛けしたと思う・・。そうして入社後数カ月経った頃、法人側もそうした事情を認識したようであり、私は同法人が新たに設立した一般社団法人の事務局に遷され、ここで医療介護職に特化した求人求職サイトの運営業務を担当することになった。

この業務は、端的に医療介護職の求人情報を入手し、それを運営する求人求職サイトにアップするというものであり、ここで私の属性とされた「歯科医療業界について知っている」が役立つだろうと判断されたわけだ。

しかし、母体の法人がさきに述べたように、訪問歯科診療の周知活動を行っているのであれば、居宅介護支援事業所や訪問看護ステーションや歯科診療部門のない病院などの求人情報入手は可能であるようにも思われるのだが、私以外、この業務を行うスタッフはおらず、一人で歯科医療機関や医療機関を回って求人情報を入手し、それをサイトにアップし続けた。これは当初、本当に苦労して胃が痛くなったりもしたが、さまざまな周囲の方々の援助・ご支援により、徐々に求人情報を集めることが出来、結果として、数百件の求人情報を集めることが出来た。

繰り返し、これには法人スタッフからの支援はほぼなかった。しかし、それでも法人スタッフを責める気は全くない。何故ならば、彼等はその業務の専属スタッフではなかったからだ。

ともあれ、さきに述べたように、ある程度の求人情報を入手出来たとなると、法人側の対応もいくらか変化し、法人内の医療スタッフ(歯科医師・歯科衛生士)向けの勉強会の管理なども担当させて頂くようになり、そこで法人内各診療所の歯科医師とも話す機会が出てきた。

その中で私によく話掛けてくださったのは、本院診療所に勤務されていた女性歯科医師であり、二人の息子さんがおられ、専業主婦であったが、息子さんの教育が一段落したため、歯科診療に復帰された方であった。

この先生は、診療と共に勉強についても熱心であり、特に訪問歯科診療の現場で重視される摂食嚥下機能のリハビリテーションに強い関心を持たれていた。そしてある時、この先生から「**さん(私のこと)、摂食嚥下の機能評価やリハビリテーションで定評のある**歯科大学の**教授の研究室に友人の歯科医師数人と見学に行きたいのだけれどセッティングは出来ますか?」と訊ねられ、私の方は全く伝手がないわけではなかったことから、とりあえず指導教員(師匠)に連絡してみると「ワシの門下だと云えば繋いでくれるハズや!」とのことであった。師匠のコトバを疑うわけではないが、おそるおそる**教授の研究室に電話をかけて事情を話してみると、本当に普通に繋いで頂き、そして見学の件もスムーズに了承して頂き、後日実現にまで至った。
(この時、もう一人の先生にもご尽力頂いた。)

そして、その後も見学された**教授の門下が運営されている先進的な取り組みを行っている歯科医院の見学などもセッティングさせて頂き、いつしかこの先生は「日本老年歯科医学会の学会で発表してみようかしら・・。」と云われるようになり、大学に勤務されている友人や、さきの**教授の研究室の先生の助け、そして私も少しだけお手伝いをして、学会発表にまで至った。

この時、先生には大変喜んでいただき、私も研究室見学の依頼から学会発表までの経緯を見ることが出来、充実感とも達成感とも云えるような感覚を覚えたが、良い出来事のあとには悪い出来事が生じてしまうものであるのか、この先生の学会発表を知った法人内の主流派歯科医師等から何かと責められるようになり、また法人理事に事実無根の告げ口などもされて勤務し辛い状況になってしまった。また、それは私についても同様であり、そうした理不尽な仕打ちに、やり場のない怒りを感じたが、それは云ってもどうにかなるものではないと思われ、また、徹底的に反論しても得るものは少ないと思われることから諦めた。

【他方、この法人での勤務時に、生まれて初めて月五十万円以上頂くことが出来たことから、それはそれで良かったと思われる部分もなくはない・・また、現在の私はそれよりもはるかに貧しいことを追記しておく。】

ともあれ、先日、その先生からフェイスブックでシェアした投稿記事に「いいね!」を頂いたことは嬉しいことであったことから、ここに記事としました。今後益々のご活躍を願っております。

*そして、今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!






一般社団法人大学支援機構


~書籍のご案内~
新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5

~勉強会の御案内~
歯科材料全般あるいは、いくつかの歯科材料に関する勉強会・講演会の開催を検討されていましたら、ご相談承ります。また、上記以外、他諸分野での研究室・法人・院内等の勉強会・特別講義のご相談も承ります。

~勉強会・特別講義 問合せ 連絡先メールアドレス~
conrad19762013@gmail.com
どうぞよろしくお願いいたします!







20200603【架空の話】・其の23

【架空の話】
この古墳散策は長時間にわたり、駐車場への歩道を帰り道で歩いている時には、日は陰り薄暗く、そして肌寒くなってきていた。また、この散策で集中力と体力を消費したためか、帰路は言葉数も少なく、それは車を走らせている時も同様であった。

**千塚古墳群を後にして車を走らせていると、次第に朝に見た兄の家近くの風景となり、そして到着した。ドアを開け玄関に入ると、二人とも疲れた感じで靴を脱ぎ、兄は先ずトイレに行き、私は手と顔を洗い、うがいをしてから自分の荷物が置いてある部屋に入りタオルを取り出し、手を顔を拭った。するとトイレを出てリビングルームにいた兄が「ああ、うちのタオルも遠慮なく使ってよ。」と云ったため「うん、お風呂に入る時には使わせてもらうよ。」と返事をした。兄は軽く頷いてから「よし、またしばらく休んでから夕食を食べに行こう。」と次の行動を話題にした。私の方は、夜行バスであまり寝られずにこちらに到着してから一日中歩き回っていたことから、これからの外出は少々億劫であったが、他方で、折角兄が立てた計画にケチをつける気もなかったため「え、今度はどこに行くの?」と訊ねるに留めた。それに対して「うん、今度はWの中心市街地にある寿司屋さんに行こうと思っているんだけれど、今日はやっているかな?」とスマホを取り出し、何やら調べて「よし、やっぱり大丈夫だ!それじゃあ、今が17:30だから、18:30に出れば19:00頃には着くから、そのつもりでいてね。」とのことであった。


兄の方も手洗い、うがいを済ませ、少しスッキリとして、リビングのソファに腰を下ろした。私の方もそれを真似、リビングの他のソファに座った。帰宅直後に暖房は入れたものの、室内は未だ寒く、兄はレザージャケットを脱いでいなかった。そこで、それをハナシのネタにしようと「さっきから少し気になっていたんだけれど、兄貴が来ているレザージャケットは、見たところ軍モノっぽいけれども、微妙にカタチが違うと思うんだけれど、それはどこの何て云うカタチなの?」と訊ねてみた。

すると兄は「ああ、これは映画「インディー・ジョーンズ」で主人公が着ているレザージャケットのレプリカだよ。作りも結構しっかりしていて、なかなか良いよ。」と返事をした。たしかにそのカタチは前世期前半頃に特徴的なものであり、また、革の微妙な光沢にも味があった。私は「それじゃあ、前に持っていたA-2とかのフライトジャケットはどうしたの?」と重ねて訊ねると「ああ、前に持っていたフライトジャケットの多くは人にあげたりしたよ。最近はどうも過去の大戦での物語や背景を持つシブいフライトジャケットのレプリカよりも、自分の実人生の方をそんなシブいものにしようと思うようになってね・・。いや、こういったことは、多分**も分かると思うよ・・。」と少し照れたように言った。こうした発言はかつての兄ではしないように感じられたため、そこには何らかの原因のようなものがあったのではないかと思われたが、それについては訊ねなかった。そして「ふーん、まあたしかに何かに仮託することなく、自分自身のシブいジャケットにしていこうと思うのは何となく分かるなあ。」と返事をした。すると兄はおもむろにソファから立ち上がってキッチンに行き、グラスを二つ手に取り、冷蔵庫からペットボトルのお茶を出して戻ってきた。そして「もう暖房も効いてきたから、お茶でも飲もうか」とグラスにお茶を注いで、手渡してきた。私も丁度、喉が渇いてきた頃であったため、早速飲み始めた。兄は続いてテレビのコントローラーを手にしてスイッチを入れた。丁度、夕刻の報道番組が放映されていたが、そこにはあまり注視せず、そのまま音量を下げ、私に「もう18:00過ぎか、もうじき、また出発するけれども、今から行く寿司屋さんがまたスゴいんだよ。俺は関東しかも首都圏の出身だから知らなかったけれども、寿司っていうのは元々、発酵食品であり、当時としては保存食の一種だったんだよ。それで、その名残で握り寿司のシャリが酢飯なんだけれども、本当の元祖は、このシャリは本当に発酵して酸っぱくなっているご飯だったんだよ。ああ、それで、**は琵琶湖周辺で作られている「ふなずし」って知っている?あれも系統的には、これから食べに行く寿司と同じなんだけれども、Wは海が近いからね「ふな」じゃなくて「サバ」とか「サンマ」を使って、あと「ふなずし」と違うところは、発酵の際に用いるご飯も一緒に食べることだね。だからカタチとしては昆布とかで巻かれたサバの棒寿司と、ほぼ一緒なんだけれど、それが本当に発酵しているってことだね。まあ、普通の棒寿司もあるから、それと食べ比べてみたら面白いと思うよ。」とのことであった。発酵させた魚というと、私はクサヤを想像して多少尻込みしたが、とりあえず地元では問題なく食べられていて、そして兄も食べたことがあるのであれば、まあ食べられないことのないかな・・。」と思った。そして時刻は出発予定時刻の18:30まで10分程度となっていた。


*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!


新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5

~勉強会の御案内~
歯科材料全般あるいは、いくつかの歯科材料に関する勉強会・講演会の開催を検討されていましたら、ご相談承ります。また、上記以外、他諸分野での研究室・法人・院内等の勉強会・特別講義のご相談も承ります。

~勉強会・特別講義 問合せ 連絡先メールアドレス~
conrad19762013@gmail.com
どうぞよろしくお願いいたします!