2020年4月28日火曜日

20200428 架空の話・其の3

【架空の話】
「「あと、現在も大学での数少ない友人はこのK県の出身者でして・・」と話しているうちに、その数少ないというよりも、唯一と云っても良い友人であるBのことを思い出していた・・。このBと云う友人は、同じ大学の経済学研究科の修士院生であり会計学を専攻している。そして、さきにも触れたがK県の出身であり、聞いたところによると、その父親は公立病院にて院内薬剤師として勤務しているとのことであった。そのため、時折、医療系の話題が出たが、歯科関連について話題になったことはこれまでになかった。しかし、B自身は、銀行などの金融系への就職を希望しており、当時活発に就職活動を行っていた。ともあれ、そのようなことを思い出し先生の会話に意識が戻り「ええ、それは少し面白そうですね。しかし、その歯科技工士はどのような仕事なのですか?と素人丸出しの質問をすると、先生は「うん、歯科技工士は平たく云うと入れ歯や銀歯などを作る職人さんと云えるのだが、現在、さまざまな工作機械や材料自体も進歩してきて、その職務内容も大きく変化しつつあるのだ。そうした、まあ不安定な過渡期とも云える時期であるから、あまり成り手が少ないのかもしれないけれども、この仕事は、この先もなくてはならない重要な仕事なのだ・・。それだからこそ、最近は色々なところでこれまでの専門学校から大学に替わってきつつあるのだ。だから、このハナシはちょっと検討してみても良いと思うよ・・。」とのことであった。
そこで単純な私は少し高揚して、帰宅したその日の夜に早速Bに電話を掛け、この歯科医院で聞いたK県の専門職大学のハナシを伝えたところ「うん、その専門職大学新設のハナシは前に親から聞いたことがあったが、これが出来たのは大学2年の時であり、受験するには時既に遅しだったのだ・・。それよりも最近、地元K県の地銀の面接に呼ばれた。」と嬉しそうに話し、そして「明日は時間があるから少し話そう。」とのことであった。また同様に、家族に先生から聞いた専門職大学のハナシをすると「学費が安ければ、どうにかなるかもしれないが向こうに行ったら生活はどうするのだ?」とのことであったが、それでもエンジニアの父親の性格からすると、手に職をつけることは、少なくとも現在の非生産的な文系院生よりかは大分マシなことであると考えているフシがあったように感じられた・・。また、K県のハナシでは、K県の県庁所在地に今なお先祖の墓があるとのことであり「もし本当に受験して受かれば一度、そこも見てくると良い。」とのことであった。その墓は現在も遠い親戚が管理してくれているとのことであり、少し気の遠くなるハナシではあるが、私の先祖がこちらに移住してきたのは、明治10年の西南戦争の前であり、当時の親戚の多くは、この西南戦争に西郷軍側に従軍し、亡くなったとのことであった・・。私の先祖の方はその後、東京の学校を出て役人になり、最終的には国策で設立した会社で、ある程度の地位に就き、引退後は故郷のK県を思わせる温暖な静岡県沼津市に小さな家を買い、年の大半をそこで過ごしていたとのことであった。この沼津の家は現在も親戚が住んでいる。とはいうものの、ズボラな私は、そうしたことばかりに意識が向き、当日、歯科技工士がどういった職であるかなど調べずに、翌日の昼過ぎに大学近くにある行きつけの喫茶店で、数週間ぶりにBと会った。
久しぶりに会ったBはなるほど、金融系を志望する学生らしく、整った小ぎれいな服装をしていたが、しかし、ここで少し力を入れて話さなければならないことは、この目の前にいるBの服装についてである・・。」



*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!

日本福祉大学
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ISBN978-4-263-46420-5

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20200428 事実に立脚した想像(創造)について

A「ここ数回は物語のような記事を投稿していますが、あれは大体ご自身の経験がもとになっているのですか?」

B「・・ええ、読んでくださっているのですね。どうもありがとうございます。直近2回の投稿記事は、たしかに自分の経験に基づいていますが、投稿してみますと思いのほか多くの方々に読んで頂き、少し驚きました。そこで、この調子にて、もうしばらく記事作成をしようと思いましたが、一方で、そのまま書き続けるのも少し芸がないと思ったことから、その間に対話形式などの記事を挟んでみようと思っています・・。」

A「いえ、別に他のそうした記事を挟まなくても、読んで頂いている方々がそれなりにいたのであれば、そのまま続ける方がむしろ、良いのではないでしょうか?」

B「ああ、たしかにそうかもしれませんが、さきほどのコトバをより精確にしますと「芸がない」と云うよりも、そのまま戯曲的あるいは直線的に書き続けますと、やはり、その分早く終わってしまいますから、そうした物語作成の背景のようなものを記事として挿入した方が、いくらか全体の幅が広がり、面白味も増すのではないかとも思ったのです。また、現在の新型コロナウィルス感染症による外出自粛によってストレスが溜まり、あのような自身としては珍しい架空の物語を、半ば勢いで作成したとも云えるのですが、面白いことに、そのような背景で作成した記事がそれなりに読んで頂いているのです。」

A「ふーん、そうしますと、今回の外出自粛のによって、あのような記事が出来たということになるのですね・・。まあ、それはそれで期せずして新たな創造の転機になったということになるのでしょうか。」

B「ええ、そうです。まさに新たな創造の転機として今回の外出自粛が作用したと云えますし、また、現在もなお、割合悶々とした状態で記事を作成しているのですが、そうした状態では、論理によって構築するような記事よりも、客観的に認識し得る現実の世界と、そうでない自分のイメージした世界が混淆したような世界を描きますと、それなりに気が晴れるものなのです・・(苦笑)。」

A「うん、まあ、逆に現実が晴れ晴れとした状態では、あまり理想を述べるような必要性や衝動も生じないのかもしれませんね・・。しかし、それでも一応、事実と思われるところに立脚して文章を書いているところが重要であるのかもしれませんね・・。つまり、そうしてイメージされた世界は、事実と近過ぎて事実そのものを述べるような文章である必要はないのかもしれませんが、他方で、事実から遠のきすぎても、読む人々からすると、あまり理解できず、共感することも難しくなるのではないかと思います。その事実からの遠近の匙加減が重要なのだと思います・・。」

B「なるほど、それはたしかにそうかもしれませんね・・。しかし、その意味では現在の我が国のさまざまな文物は特にアニメを中心として、日常的な現実から離れようとする衝動がとても強いのではないかと思われます。あるいは、そうした事実によって象徴される硬質と思われるコトバを散りばめて、そうしたことを敢えて曲解しようとしているようにも思われます。これはかねてからの伝統であるのか、近年はじまったことであるのかイマイチよく分かりませんが、我が国の文化全般を考えるうえで、一つの特筆すべき事柄であるように思われますね・・。」

A「・・たしかに最近の我が国は特に、何であれ雰囲気重視のところがあるように思われますね・・。これは、より多くの受けを狙った結果であるのか、あるいは本当に能動的にそのようなものを創作しているのかは分かりませんが、時々怖いと思うことがありますね・・。最近の外出自粛で、どうもテレビを観る機会が増えてきますと、そのように感じられますね・・。」

B「ええ、しかし、こうしたことをテレビ側から云わすと「お前らこそ事実をよく見ろ!」といった反論が出てきそうなところが、より一層怖いのです・・。と、まあそのような感じでナチス党政権下でトーマス・マンはドイツに居辛くなったのだと思いますし、丸山眞男氏は当時の若者たちに吊し上げられたのではないでしょうか・・。その意味において、我々はあまり前世紀から進歩していないのかもしれませんね・・。」

*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!


日本福祉大学


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