2018年5月18日金曜日

20180518 先日に引き続き『専門職大学』新設の伏線および今後の進展について・・

以前に作成した一連の『専門職大学』に関する記事は、おかげさまでその後も継続的に読んで頂いています。そして、それら記事において触れたことですが、近年新設・増設が相次ぐ看護をはじめとする医療系の四年制大学学部・学科なども、本質的には『専門職大学』であり、さらに医学部、歯学部なども、これまではそうした定義を与えられることはありませんでしたが、語義的な意味においては『専門職大学』とも云えるのではないでしょうか?

さらにこの様相を俯瞰してみますと、何かしらの国家資格・公的資格の取得を目的とした大学・学部・学科などは概ね語義的には『専門職大学』と評しても良い側面があるのではないかとも思われます。

ともあれ、では何故、近年こうした医療系の『専門職大学』の新設・増設が相次ぐのかと考えてみますと、高齢化社会の到来による(更に高度な)医療人材増員の要請、半ば恒常化した経済的不況による安定志向からの資格取得願望などが考えられます。また、自身の実感によりますと、四年制の看護大学・学部・学科は今世紀に入り現在に至るまで、もの凄い勢いで増えてきたように感じられます。くわえて、スケールは異なりますが、これと同様の様相は四年制大学教育による歯科衛生士の養成においても当てはまるように思われます。

さて、こうした状況を認識した上で、冒頭に述べた『専門職大学』就中、医療系のものに関して考えてみますと、今世紀に入ってからという、ある程度長い期間の助走もしくは伏線のようなものがあり、現在の状況に至っているということが、ある程度理解できるのではないかと思われます。

また、今世紀に入り新設・増設された看護をはじめとする医療系大学・学部・学科は他の既存大学定員から流入したものであり、それに付随して既存の短期大学・大学学部・学科などの閉鎖・縮小などが多数あったのではないかとも推察されます。

こうした状況の推移から一つの高等教育におけるダイナミズム・動的様相が看取出来ると思われ、また『専門職大学』の相次ぐ新設も、この一連の動的様相の先鋭化した現れであると認識すれば、少なくとも大きな間違いではないように思われますが、さて如何でしょうか?

そしてまた、今後のこの動的様相の進展の方向として、先ず考えられることは、地方に立地する文系学部を主とする小規模大学が近隣の医療・介護系専門学校と合併すること、そして伝統、地名度があり複数キャンパスを擁する比較的規模の大きい医療系大学(具体的には日本赤十字看護・順天堂・東邦・北里・日本医科・東京医科など)が更なる看護・医療系学部・学科を地方に新設・増設をすることです。

はぼ当てずっぽうな予測ではありますが、中には実際に生じることもあるのではないかと思われます・・(笑)。

今回もまたここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

数年前より現在に至るまで日本列島にて生じた、あるいは現在も生じている大規模自然災害により被害を被った、被っている諸地域のインフラの回復、その後の復興を祈念します。


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