2020年2月25日火曜日

20200224 戦間期末期についての記述を読んで・・

ここ数日は新規の記事投稿はしていませんでした。さて、先日来から読み進めている岡義武著「国際政治史」は、残り10頁程度となり、おそらく近日中に読了すると思われます。ここで描かれている時代は、さきのブログにもとり挙げた戦間期の末期、つまり、第二次世界大戦勃発直前の時代であり、それは丁度、4年前に読了した野上弥生子による「迷路」上下巻の背景とほぼ被り、また同時に、山本薩夫による長編映画「戦争と人間」とも被ると云えます。

この時代に関しては、他にもさまざまな作品があり、著名と思われるものを挙げますと、カズオイシグロによる「日の名残り」そして、それを原作としたジェームズ・アイボリーによる同名の映画作品がそうです。

そして現在、私が読み進めている箇所が、まさしく、この「日の名残り」の時代背景と被り、そこから、頁を進めてゆくなかで度々、当映画作品内の場面が想起せられます。

ともあれ、特にこの時代は、多くの国の人々にとって、後の第二次世界大戦による苦難の前兆とも云えることから、ここ焦点を当て、その歴史の推移・流れを認識していくことは、かなり辛いものがあると云えます。

自身の場合も、この時代に頁が差し掛かってきますと、必ずしも体調といった原因でなく、有意に読み進める速度が遅くなり、行間にある痛ましさや、国々の間に醸成・蓄積されつつある敵意、そして、その後の展開に考えが及び自然と眉間に皴が寄ってきます・・。

おそらく、この時代は、産業革命以降、洗練・先鋭化されていった諸々の帝国主義的な考えが、思想として体系化・結晶化され、そして、それが政治外交を行う際の背景思想となった、いわば、思想としての「帝国主義」が最も洗練された、最終段階の時代であると云えます。

あるいは、帝国主義をとる国々内部での先発組(イギリス・フランス)と後発組(ドイツ・日本・イタリア)との間の蓄積した軋轢が顕現化され、それに基づいて敵対する陣営が形成されてゆく経緯であるとも云えます。これは第一次世界大戦時においても、類似した様相が認められますが、第一次世界大戦を経ることにより、より国民国家としての色彩が強くなった諸国が、戦間期、そして大戦争の勃発に至るまで、どのような政治・外交上の選択を行ってきたかということが、帝国主義の先発・後発組諸国間にある相違を明瞭にし、さらにまた、それが「帝国主義」の最終段階とも評し得る所以とも云えます。

そして、そうした状況がさらに加速し、最終的に第二次世界大戦に至ったと云えますが、この第二次世界大戦は、特に我が国にとっては、今なお、いや、さきの見えない現在であるからこそ、かなり重要な意味を持つものであると云え、そしてまた、それ故に「何故、そのような事態に至ったのか?」と、そこに至るまでの歴史の流れ・経緯を認識することは、さきに述べた「痛ましさや、国々の間に醸成・蓄積されつつある敵意」などからも、辛いものがありますが、それでもやはり、この歴史の流れを、より多くの人々が、ピントの合った、血の通った歴史像として認識することが、重要ではないかと考えるのですが、さて如何でしょうか?

今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。
日本福祉大学オープンキャンパス

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