2022年3月26日土曜日

20220325【架空の話】・其の89 【モザイクのピースとなるもの】【東京訪問篇⑨】

14時半過ぎに院長室を後にした我々は、まず、同じフロアにある技工室に案内された。技工室は概ね20畳ほどの広さがあり、部屋中央には技工机6つが置かれ、歯科技工士スタッフが4人、それぞれの机にて何らかの技工作業を行っていた。また、空いている2つの机の一つは空いているとのことで、もう一つの方はスタッフが休日とのことであった。

また、技工室では、これまでに実物を見たことがなかった新型のPCに接続する切削加工機器や、医療機器としての認可を受けた3-Dプリンターなどが設置され、それらの用途概要についてはCH院長から説明を受け、また、詳細な説明については技工士長にして頂いた。

また、ここで驚かされたのは技工士長が比較的若い女性であったことであり、一連の説明を受けた後にE先生が、技工士長に対して、こちらの医院に勤務するまでの経緯を訊ねると
以下のような返答であった。

「はい、私はTMD大学の口腔保健工学科の学部を出て、さらにマスター(修士課程)に進み、そして歯科系企業であるY社に入社しまして、主に納入機器のメンテナンスや、技術営業などといった業務に従事していましたが、入社2年目に、納入機器のちょっとした不具合のメンテナンスのため、こちらの医院に訪れることになったのですが、その際、事前に上司の更に上司である取締役に呼ばれ「あそこの医院は、先端的な取組みも色々と試みているし、また、我が社の新規開発途中の機器についての臨床的アドバイスも色々と頂いていることから、出来れば熱心に取組んで欲しい。それと、現場で何か問題が起きたら、すぐに私の携帯電話まで連絡をください。」とのことで、そこから、会社上層部とも繋がりのある医院さまであることは分かりましたが、実際に訪問してみますと、置いてあるさまざまな設備には驚かされました。さらに口腔保健学科に在籍していた同期が歯科衛生士として、こちらで勤務していることが分かり、久しぶりに会って話しをしたところ「ここの医院では、色々と先端的な取組みが出来て、研究や学会発表などの活動に対しての理解もあり、支援もしてくれるとのことでこちらに決めた。」とのことであり、その後もメンテナンスや機器の操作説明のために、こちらを訪問させて頂いていたある時、先ほどの同期の歯科衛生士から「最近、ウチの歯科技工士さんが何人か定年退職されたのだけれども、まだ補充が見つからずに、院長は「この機会に歯科用CAD/CAMシステムやミリング・マシンを導入し、さらに、そうした一連の機器について、ある程度詳しい、若手の歯科技工士さんに来てほしい。」と云っていたから、もし、あなたが応募して採用されたら、すぐに技工士長になれるかもしれないわよ。」とのことで、それで、先のことを色々と考えまして、こちらに勤務させて頂くことにしたのですが、入職後に分かったことですが、この時、同期の歯科衛生士は、CH院長から「Y社からメンテナンスで時々こちらに来られる、あの歯科技工士さん、知り合いだったら勧誘して頂きたいのですが・・。」と頼まれていたということでした・・。」とのことで、こうしたことも、何やら「首都圏、東京ならでは」といった感じを受けたが、ともあれ、この技工士長HDさんによる機器についての説明や、そのほかのハナシはもう少し続き、時刻は15:32となっていた。

今回もまた、ここまで興味を持って読んで頂き、どうもありがとうございます。

順天堂大学保健医療学部


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ISBN978-4-263-46420-5

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