2021年11月5日金曜日

20211104 書籍を読み進める中で思ったこと「傾向や特徴」

おかげさまで、去る11月1日の投稿記事もまた、投稿後3、4日としては多くの方々に読んで頂きました。そして、ここ数日は新規の記事作成は行いませんでしたが、読書の方は順調に進み、先日来より読み進めている「ウンベルト・エーコの世界文明講義」は300頁近くにまで至りました。こちらは、ここ最近で読んだ著作の中では、かなり興味深く、また印象的であると云えます。

ここまで読み進み、今更ながらの感はありますが、当著作は、これまでに読んだユヴァル・ノア・ハラリによる「サピエンス全史」や、ジャレド・ダイアモンドによる「銃・病原菌・鉄」などのテーマとも、相通じるものがあるように思われました。

それは、人類の歴史全体の中から抽出された、何かしらの傾向や特徴などを、具体体を示しつつ、比較などをしながら論じていくといった「スタイル」のことであり、私見になりますが、こうした「スタイル」による著作は、著者独自の「特徴」のようなものが如実に顕われることから、類似する要素もまた、それぞれ著者で互いにありつつも、他方で、それらの特徴が強く出ており、著作全体としては、あまり類似性は感じられないのかもしれません・・。くわえて、それらは、日本語にしますと「史観」と称するには、それぞれ具体例が多く示されており、全体としての抽象度は浅いように思われるのですが、しかし、この段階こそが歴史を学ぶ上で最も重要なところであるように思われます。

つまり、それは実験で云うところの、標準偏差を下げるために、分析試料のNを増やすことであり、あるいはまた、帰納法による推論の精度を上げるために、新たな事実を記録として積み重ねることであると云えます・・。

そして、この「積み重ね」の段階を経る、継続することにより、以前、当ブログにて扱った柳田國男の云う「国民の予言力の培養」もまた為されていくのではないかとも思われるのです・・。

さらに、それは歴史の進展において、少なからず意味を持つものであると思われるにも関わらず、これまで、こうした視座から歴史の重要性があまり説かれてこなかったこと、あるいは説かれたとしても、そうしたことが速やかに形式化、形骸化してしまうことは、やはり我が国全体としての何かしらの特徴を示すものであるように思われるのです・・。

そして、そうした特徴が何に由来しているのか、また、何時の時代に始まったのかなどと考えてみますと、どうしたものか、今度は加藤周一による「日本文学史序説」という以前に読んだ著作が思い起こされるわけですが、当著作は博士課程の修了後にはじめて読んだ、ある程度文量がある人文系著作であり、また、一連の当ブログにも複数の引用記事があることから、2013年後半あたりから2016年にかけて継続的に機を見て読み続けていたようです。

その意味で、さきの「ウンベルト・エーコの世界文明講義」もまた、未だ読み進めている途中ではありますが、後日、そうした著作になるものと思われます・・。

そして後日、こうした人類史から抽出された傾向や特徴などについて扱った著作を集中的に再読してみますと、また何か面白い発見があるようにも思われるところです・・。

最後に、つい先日「ウンベルト・エーコの世界文明講義」を読んでいて驚いたことは、著者のウンベルト・エーコは、谷崎潤一郎による「鍵」を読んでいたことです・・。

ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。



順天堂大学保健医療学部


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