2018年5月2日水曜日

20180501 蒸留された『思想・哲学』のもとにあるものの重要性について・・

本日の首都圏は春というよりも初夏に近い陽気であり、すでに春もののコートは収納しても大丈夫ではないかと思われましたが、明後日は天気が崩れるとのことであり、今しばらく収納は控えることにします・・。

さて、昨日投稿分の記事は、その二日前(4月28日)から引き続き『思想・観念』を題材にしましたが、これもまた思いのほか多くの方々に読んで頂けました。読んで頂いた皆さま、どうもありがとうございます。

そして、そこで述べたところは概ね『思想・観念』においては、完全なる複製よりも、当初は先ず理解するためにその『思想・観念』と一体化・人間化(インカーネーション)を試みるのですが、それだけであると『更にそこから考える』ことが困難になることから、次にその『一体化・人間化』された『思想・観念』を色眼鏡として用い、世界を捉え・解釈することになるのですが、その際にまた新たな視点・見解が発見され、それにより当初『一体化・人間化』された『思想・観念』がより自分なりに適正化・補正され、より『一体化・人間化』の深化が為され、あるいはそれ(『思想・観念』)が自家嚢中のものとなっていくのではないかと考えます。

つまり、ある『思想・観念』を理解・解釈するためには、その『思想・観念』を一度分解し、次いで自身の使い慣れたコトバにて再構成するといった思考の過程が必須であり、この過程がなくては、その次の新たな視点・見解の発見に至ることは困難であると云えます。また、そうした事情から、おそらく他の多くの学問も同様であると思われますが『思想・観念』を扱う学問分野とは特に、事前にある程度その『思想・観念』と類似した考えを内発的なものとして持つ経験がなければ、その『思想・観念』を理解そして一体化・人間化することは困難であると思われるのです。

また、ここまで書いており不図想起したのはウィトゲンシュタイン著『論理哲学論考』の著者による序文冒頭部にて、それと類似したことを述べていたことであり、その意味において『思想・哲学』の長年読み継がれる著作とは、多くの人々の半ば無意識による思考の蓄積が明瞭化・文章化・顕在化されたものとも評し得るのかもしれません・・。

また、そのように考えてみますと実際の経験を『思想・哲学』の色眼鏡で解釈することが出来るようになるためにも、ある程度、形而上的な思考の経験は必要であると思われるのですが、その際に大変有効且つ重要であると思われるものが、これまでにも何度か述べたことではありますが『思想・哲学』として蒸留される以前の、より直接的な経験に近いことを述べたものと云える、さまざまなモノガタリ・小説ではないかと思われるのです。

そして、それはおそらく現今流している、いささか下腹部を刺激する絵柄のマンガや代替としてのさまざまな経験を与えてくれるゲームによって肩代わりすることが出来るもので
はないように思われるのですが、さて如何でしょうか?

ともあれ、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

近年から現在に至るまでに列島各地にて発生した、あるいは現在も継続して発生しているさまざまな
大規模自然災害によって被害を被った、被っている諸地域の諸インフラの復旧そして復興を祈念します。


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