2021年12月3日金曜日

20211202【架空の話】・其の68 【モザイクのピースとなるもの】

学士編入を経て入学した医専大を卒業後、K大学 大学院 医歯学総合研究科 歯科生体材料学専攻の博士課程に進んだたわけであるが、この際に実家との間で一悶着があり、これは当地にて開業医をされている遠い親戚にあたる***先生の仲介と説得により、どうにか了解を得て進学することが出来た。

そういえば***先生のところへは、医専大在学中から定期的に足を運び、また、天文館にある行きつけのお店から電話をかけてこられて呼び出されることも時々あったが、おそらくは当時、息子さんが北九州の方にある医科大学に進学しており忙しく、なかなか帰郷出来ないことから、手軽な若い話し相手として、私を呼んでいたのではないかと思われる。ともあれ、私としては、そのおかげで多少、天文館界隈には詳しくなり、後に研究室の打ち上げ
(飲み(ん)方)などのセッティングを任された時などには、この経験が役立ったものと云える。

しかし、当初の頃はやはり、慣れていない夜の歓楽街は「おっかなびっくり」であり、特に夏の夜の文化通りの風情には、ある種の妖しい異文化、異国情緒のようなものすら感じられた。

***先生の行きつけのお店は天文館にいくつかあったが、どれも、席数は20に満たない小規模な個人経営のものであったが、同時に落ち着いた雰囲気であり、客層も比較的良かったのではないかと思われる。

また、私が呼び出しを受けるのは大抵週末であり、特に喫緊の用事がない場合は、出来るだけ行くようにしていたが、その際は市電を用いず、原付で県道20号線まで出て、そこから北上して紫原団地入口のところで左方向に入り、またしばらく進むと、天文館周辺へと至るルートを用いて行っていた。

帰路は大抵の場合、少しではあっても飲酒を伴っていたことから、原付は駐輪場に置いたままにして(お店によっては駐輪スペースもあったが)先生がお願いした運転代行サービスの自動車に同乗し、宇宿の自宅アパートまで送って頂いていたが、この降車の際、私が財布を取り出し、その代金の折半を申し出ると、酔って多少陽気になっていた***先生は、大仰な様子で、財布を出そうとする私の手を押し留めようとするのであった・・。こうしたやり取りはその後も何度かあり、さらに、K大院の研究室での打ち上げ(飲み(ん)方)後の帰路、同じ方面の方々でまとめてタクシーに同乗した際、一人が何処かで降車する際にも、こうした酔った上での陽気なやりとりが繰り広げられ、長い時には、それで数分経過することもあったが、あれはあれで面白く、また、その際に不図、車内ミラー越しに運転手さんの顔を覗いてみると、俯きつつも笑いを堪えているといった様子であったことが思い出される・・。そしてハナシは戻り、その時の様子は、さきの***先生とよく似ていると思われたことから、あるいは、こうしたところからも、地域性の一面のようなものは看取することが出来るのかもしれない・・。

ともあれ、斯様な経緯にて原付を天文館に駐車することになると、その翌日、大体は夕刻過ぎに市電にて天文館に出向いて原付を取りに行かなければならず、くわえて、打ち上げ(飲み(ん)方)翌日ということもあり頭も体も重く、多少、面倒に感じられたものであった・・。

ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
順天堂大学保健医療学部


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ISBN978-4-263-46420-5

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