2020年3月18日水曜日

昨日の投稿記事にて述べました「帰納法的な書き振り」は、たしかに、その述べるところの主旨を直線的、簡潔に理解することは困難であり、また、そこに含まれる情報量の割には実証性が乏しいようにも思われます。

しかし、であるからといって、箇条書きに代表されるような文章における簡潔さによって、その著述主旨の実証性が高くなるというわけではないとも思われます。

他方で、人文社会科学である歴史学における実証性は、何よりも重視されるべきものであり、そこに歴史学の価値の根幹があるとも言い得ます。

また、それは西洋由来の科学的な思考法が入る以前から、自明のこととされていたのではないかと思われますが、当時は古の歴史について述べた、さまざまな記述を批判的に検討するための他の手法・材料といったものが乏しく、