2017年4月13日木曜日

20170413 最近おかしいと思うことについて・・

本日の首都圏は天気も良く、日中は気温も上がり過ごし易い一日でした。

さて、これは最近の首都圏だけの現象であるかは分かりかねますが、やけに『日本が良い、素晴らしい国である』と言い立てる、主張するような言説が目立つように思われます・・。

また、これはインターネットでの言説においても同様ではないかとも思われます・・。

それに加え、特に首都圏においては、誰に対してそのように主張しているのかはよく分かりませんが、さきに述べた日本に対してと同様の調子にて『東京の良さ、素晴らしさ』といったものを主張しているようにも思われます・・。

おそらくこれらは2020年に開催される東京オリンピックに向けた雰囲気作りのための言説、プロパガンダではないかと考えますが、インターネットの普及により、さまざまな言説の凝集、活性化そして沈静化、離散が促進、高速化されている現在の状況においては、実際にそれらの言説、プロパガンダが当初に企図された効果を齎し、そしてそれが(2020年まで)維持されるのかと考えてみますと、なかなか難しいのではないかと思われるのです・・。

とはいえ、このようなことを書くからといって自身は『反日』であるとは考えませんし、否、どちらかといえば自身の祖国、母国そしてその歴史、文化などは割合好きな方であると認識しております・・(笑)。

また、実際に祖国、母国が好きであれば、現在の状況をそのように認識することもまた特段おかしいことではないと考えるのです。

むしろ、現在の酒に酔ったかのようにも見える変に扇情的、熱心な自国、自地域の称揚とは、何と云いますか、端的に、どこかおかしいのではないかと思われるのです・・(笑)。

しかしながら、そのようなことを書いたからといって、上記のような全体の傾向が変化することもないと思われますので、とりあえず書くことは書いて静観するのが適当ではないかと考える次第です・・(笑)。

また、そのようなことを書いておりますと不図想起されるのは、以前読んだ野上彌生子著「迷路」であり、この著作の舞台となった時代と現代とは、案外似ている部分も多いのではないかもと思われます。

加えて、現在世の中を賑わわせております方々の行動、言動などは、大岡昇平著「俘虜記」内に描かれている収容所内での人々のそれとも重なる部分が少なからずあるのではないかとも思われます・・。

こうした著作とは、おそらく後世に残るものとはされながら、同時に現在の世間の動向には大きな影響を及ぼさないものであろうことは、一体どのような(我が国の)世の中のメカニズム、構造が関与しているのかとは、なかなか興味深いところです・・。

あるいはそうした微妙とも云えるところに文学などの価値は存する、立脚している(し得る)のかもしれません・・


とはいえ、そうであれば、せめて竹山道雄著「ビルマの竪琴」のような童話とも云える作品の意味が現在もう少し考えられても良いのではないかとも思われるのですが・・(嘆)。

また、それに関連して、先日知人から聞いたところによりますと、昨今(今年初旬)アメリカ合衆国ではジョージ・オーウェル著「1984」がベストセラーになったとのことです・・。

そういえば、この出来事(2017年)の数年前に我が国が世界に誇るノーベル文学賞候補ともなる作家が、この小説を構想の一つの土台とした著作を発表(2009~2010年)しましたが、これらの間にも何か関連があるのかもしれません・・。

あるいは考えようによっては、なかなか興味深いことであると云えます・・。

ともあれ、以下に今回の記事に関連すると思われる格言を二つ抜粋引用します。

『一体、祖国を愛するとは、どういうことか。愛国的に活動するとは、どういうことか。ある詩人が、有害な偏見と戦い、偏狭な見解を除き、国民の精神を啓発し、その趣味を浄化し、心の持ちようと考え方を高尚にするために終生努力したとすると、それ以上のことがどうしてできよう?これ以上愛国的な行為がどこにあろう。・・
私は拙劣を罪悪のように憎む。特に政治に関することの拙劣を憎む。それは数千、数百万の人にただ禍をもたらすだけだからである。』
エッカーマンゲーテとの対話」1832年3月、から

『愛国的芸術とか愛国的学問とかいうものは存在しない。すべて高尚な善いものはそうであるが、芸術や学問は世界全体のものである。そして一切の同時代の人々の一般的な自由な相互作用により、過去からわれわれに伝えられているものを絶えず顧みることによって初めて、両者は促進され得る。』
ゲーテ「格言と反省」から

今回もまた、ここまで興味を持って読んで頂き、どうもありがとうございます。

去る2016年に発生した熊本、山陰東部そして福島県周辺における地震によって被害を被った地域の諸インフラの出来るだけ早期の復旧、そして、その後の復興を祈念しております。」