2021年10月12日火曜日

20211011 既投稿記事をいくつかまとめたもの⑨

週末は思いのほかに忙しかったことから、新規の記事作成は行いませんでした。一方で、出来るだけ早く、次の目標としている1700記事に到達するためには、記事作成を行った方が良いと思われることから、本日は、つい先ほどから記事作成をはじめました。

さて、最近のニュースで知ったことですが、丁度この時季の味の風物詩と云える秋刀魚が、今年は豊漁とのことであり、秋刀魚を含む青魚全般が好きである私としては喜ばしいかぎりと云えます。

青魚と云えば、和歌山県在住時に青魚を材料とした郷土料理である「なれずし」や「はやずし」を時折食べていましたが、これは現在の一般的な「寿司」とは異なり、あるいは、その「寿司」の祖型に近いものであると云え、さらに視野を広くしますと、東アジアの南方地域にて特徴的な「照葉樹林文化」に含まれる食文化の一つであるとも云えます。

もともと温暖湿潤と云える当地域の自然環境は、発酵食品をつくるのに適しており、さきの「寿司」もまた、その元祖は保存可能な発酵食品であり、和歌山の「なれずし」は、そのカタチを今に遺す興味深い食品であると云え、現地に訪問の折には、実際に召し上がってみる価値はあると考えます。

とはいえ、この「なれずし」は、西洋化された現在の我々の味覚からしますと、食べ慣れない味といえ、米飯と鯖と塩のみを材料とした棒寿司様のものを樽に漬け込み、乳酸発酵によって自然の酸味が(まさに)醸成されたその味わいは、酢飯によって、その(自然の酸味)名残りを留める現在の握りずしとは、明らかに異なり、好き嫌いは割合顕著に分かれるものと思われます。

また、この和歌山の「なれずし」は、県内地域によって用いる魚が異なり、市内から御坊あたりの中紀までは鯖が主流であり、これが南下して紀伊田辺あたりにまで行きますと、変わって冒頭の秋刀魚が主流となり、そこから、半島東側の紀伊新宮あたりまでの半島南端地域一帯は、概ねそうであると云えます。

これはおそらく、地域と海流との関係によるものと思われますが、外洋を流れる黒潮こと日本海流に接する南紀地域では、秋刀魚が主流となり、他方、周防灘、伊予灘にはじまる瀬戸内の東端に位置し、外洋へと通じる地域と云える紀伊水道の紀州側地域である中紀以北では、鯖が主流となります。

そういえば、半島東側の紀伊新宮に出自を持つ詩人・作家の佐藤春夫による「秋刀魚の歌」という詩があり、その中で「焼いた秋刀魚を食べる際に、まだ熟していない青い蜜柑を絞って汁をかける」と書いていましたが、この食べ方も案外と古く、さきの乳酸発酵による「なれずし」によって魚の味と酸味が混ざった味わいを知ってから、こうした焼き魚の食べ方を偶然に発明したのではないかと思われます・・。

また、ここまで書いていて思い出しましたが、紀伊新宮、那智勝浦周辺の民俗を扱った書籍に「当地域の漁民は、家の垣根(暴風除けにもなる)に蜜柑などの柑橘の樹を植え、漁に出る際に、その垣根の樹から柑橘の実をもいで持って出て、沖合の船上にて、捕れた魚による食事を摂る際に、その柑橘の実を絞って食べていた」といったことが書かれていましたが、これもまた、さきの佐藤春夫の歌にあった秋刀魚の食べ方と同根であると思われます。

そしてまた、ここから先が少し想像が飛躍するところではあるのですが、それにつきましては、また別の機会に述べたいと思います。

今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

順天堂大学保健医療学部


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