2022年8月18日木曜日

20220817 即物的な興味からはじまる変化について

先日投稿の記事にて述べたことではありますが、現在、数冊の太平洋戦争に関する書籍を併読しています。そして、それぞれ敗色が濃くなりつつある戦局の描写へと至りますと、この当時を描いたさまざまな様式の作品が大抵そうであるように、読み進めるにつれて、徐々に気分が重くなってきます。

そして、さらに読み進めることを困難にします。そうした事情から、昨日は太平洋戦争とはあまり関係がない著作を気に留めず手に取り、読んでみますと、次第に興に乗ってきて、そして「やはり、この気分の重さは書籍全般に由来するものではなく、太平洋戦争での、丁度この頃を扱った書籍が気分を重くさせるのだな・・。」と思うに至り、さらに、それを確かめるために、他分野の書籍を何冊か手に取り頁を広げてみますと、総じて、やはり何かしら興味深く感じられることがあります。そこでまた「この気分の重さは、この時代の作品限定なのだな・・」と、あらためて思うことになります。しかしながら、であるからと云って、気分を暗く、そして重くする、この時代のことを無視することは、あるいは、意識・無意識を問わず形骸化させることは、出来るだけ避けた方が良いのではないかと思われるのです・・。

その理由は、この時代、そしてその前後に、近代以降での我が国の好ましくない、さまざまな性質が凝縮されていると思われるからです。そして、それら性質を、実感をもって認識するためには、その当時の我が国の社会、そして国際社会、また、その背景となる抽象的な時代精神といったものを、書籍のみならず、他の手段などを用いて、積極的に多く触れる経験が重要であるように思われるのです。

しかし、ここまで述べて、自身の記憶を振り返ってみますと、何故か私は幼い頃より、この時代を好んでいましたが、それは「時代」と云うよりも、飛行機、戦車そして軍艦といった、当時、各国が用いていた兵器全般に興味を持っていたと表現する方が適切であったと云えます。そして、こうした実体のある兵器への興味を足掛かりとして、やがて、それらについての知見が蓄積し、抽象化されていきますと、漠然としたものではあるのでしょうが、さきの国や時代などについての見解も、多少は考えられていたように思われます。

今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!

順天堂大学保健医療学部


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ISBN978-4-263-46420-5

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