2022年4月23日土曜日

20220422 歴史の通説が相転移的に変わるような出来事があることについて

おかげさまで昨日の投稿記事の閲覧者数は思いのほかに伸びていました。こちらを読んで頂いた皆さま、どうもありがとうございます。また、後になり、当記事を読み返してみますと、即興にて作成し、主題も途中で変わっていたりはするのですが、そこで述べていた自意識の相・層に流れている、あるコトバの流れを文章化することが重要との趣旨については、少なくとも間違いではないように思われます。

また、この意識の中でのコトバの流れには、いくつかの相・層があり、当ブログのような公表を前提とする文章なども、いわば、そうした相・層に流れている一つであると云え、そして、それを文章化してブログ記事とすることが、多くの場合、面倒に感じるところであるのですが、ここを何と云いますか、記事のクオリティーよりも、とりあえず作成することに重点を置いて作成してみますと、如上のような書き出しとなります。

しかし、実際斯様に記事作成を始めてみますと、これまでに逡巡しながら作成した諸記事と比べても、あまり大きな差異を感じることはありませんので、今後しばらくの間、出来る限り拙速を許容するスタンスにて進めてみようと思います。

さて、昨日の投稿記事にて述べた、現在読み進めている著作ですが、その後も少し進み、銅矛、銅鐸そして銅剣、銅戈などの青銅器について述べた章へと至りましたが、このあたりの記述からは、既知の知見が更新されて、興味深く読み進めていますが、それでも、当著作が刊行された2020年初旬(執筆されたのはさらに以前)においても、この西日本を主とした、これら各種青銅製祭器の出土分布の様相については、かねてより私が知るものから、あまり大きな変化はないようでした。

この我が国における各種青銅器の出土状況は、記紀などにある記述との関連性などが考察されて、ヤマト朝廷成立以前の社会の様子について検討されることが多くあり、とりわけ「古事記」にある出雲神話について、かつて「出雲」という地域は、大変に強く、近畿のヤマト朝廷とも(西日本での)覇権を争っていたとされるが、かつての、この地域の強大さを示す遺物、遺跡等があまり見出されなかったことから、それはあくまでも神話だけのハナシ、設定であるとも考えられていましたが、それが1984年の出雲市での荒神谷遺跡(国内最大規模、358本の銅剣、6個の銅鐸、16本の銅矛が出土)そして1996年、同県雲南市にて加茂岩倉遺跡(一箇所からの出土としては最多である39個の銅鐸が出土)が発見されたことにより、我が国が地域毎にて独特の青銅製祭器を盛んに用いていた弥生時代中期以降における、出雲地域の重要性、そしてまた「古事記」記載内容への、ある種、史実への妥当性が検証されたことになりました。

つまり、この島根県の2遺跡の発見により、弥生時代末期の我が国社会の様相への認識が大きく変わったと云えるのですが、出土された遺物等に基づき研究される考古学などの分野では、おそらく、この2遺跡の発見といった、いわば「大事件」が生じると、それまでの学問上の通説が大きく変わるということがあるようです。

以前、私がこの出来事を森浩一氏の著作を通じて知ってから、これら遺跡の発見以前に書かれた、本邦青銅製祭器の出土状況および、当時の社会様相についてを扱った書籍を図書館であたってみたところ、いくつかの書きぶりのパターンがあり、そのなかには「古事記」では出雲についての記述が多くあるものの、実際の出雲地域の重要性については疑問視する見解も複数ありましたが、他方で、当ブログにて以前に引用記事とした金関丈夫氏による我が国の青銅器文化について述べた記述は、和歌山のメッサオークワ ガーデンパーク内の書店での立ち読みの際に見つけ「おお!この2遺跡の発見以前に、このような、その後にも通用する見解を述べていた方がいたのか・・。」と、いたく感心した記憶があります。

ちなみに和歌山で思い出し、また以前に当ブログにて述べましたが、前述の銅鐸39個が出土した加茂岩倉遺跡にて出土した四つの銅鐸と、和歌山市のJR和歌山駅東口近くの太田黒田遺跡にて出土した銅鐸は、同一の鋳型にて作成されたものであることが分かっており、それらの関係性や来歴が気になるところですが、こうしたことは、未だ文字の使用が一般的ではなかった時代のことであることから、突飛な仮説や憶測に結び付きやすい易いと思われがちですが、実際の出土遺物に基づいた研究によって、こうしたことが明らかになることは、やはり、それなりに面白く、興味深いことであるように思われるのですが、さて如何でしょうか?

今回もまた、ここまで興味を持って読んで頂き、どうもありがとうございます。
順天堂大学保健医療学部


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