2021年12月18日土曜日

20211218【架空の話】・其の76 【モザイクのピースとなるもの】

S教授からの依頼「医専大口腔保健工学科の実務家教員選定の下準備」を主たる目的として、私とE先生は東京に赴き、一週間ほど滞在することになった。また、Kと成田空港を結ぶLCC便が私の編入試験の時から、さらにいくつか増便しており、往復の航空券は、かなり安く抑えることが出来た。

また、E先生は医専大からの正式な出張という扱いとなり、これまで通り、出張の航空運賃でKと羽田空港間の往復の予約を取られた。

医専大に編入学をして3年、さらにK大学大学院に入学してからも3年目に入り、既に5年以上、Kに在住したことになるが、その間、実家に帰郷したことは、東京・首都圏にて開催の学会参加のための2回のみであり、また、その他の地域への訪問についても学会への参加以外では殆どなかった。

ともあれ、帰郷が決まり、久しぶりに実家に連絡をすると、当初、博士課程への進学を強く反対していた両親も「仕方がない」と云った感じになっていたのか、割にスンナリと滞在期間中の宿泊を許可してくれた。

そういえば、W県にて勤務していた兄は、2年ほど前に東京本社に戻り、現在は実家近くで一人暮らしをしているとのことであったが、どうしたわけか「W県に戻りたい」と繰り返していた。おそらくW県と兄は相性が良かったのだと思われるが、そうしたこともあって、私の東京訪問が決まる一週間ほど前、兄からW県にもある医専大への学士編入試験について質問の電話があった。どうやら兄はW医専大の臨床工学科か、もう一つの市内にある医療系大学の看護学科への学士編入を検討していたようだが、兄の経歴を鑑みるに医専大の臨床工学科が良いのではないかと思われ、その旨を伝えると、納得をしたようであったが、その後の進展については聞いていない。

この件についても、帰郷時に相談に乗った方が良いと思われるが、元来理系で、また、私よりも勉強家であると云える兄は、学士編入を希望するのであれば、もう少し上を目指しても良いのではないかと思われた。

ともあれ、E先生と今回の東京滞在期間中での具体的な活動を決め、終日同行の日もあれば、別行動の日もあり、何れにしても、その日の出来事のまとめは、電話で話し合い、またその中で重要と思われる事項については記述し、あるいはH・M先生にメールで知らせておこうということになった。

久しぶりの東京訪問であったためか、遠足前日の小学生のように気分が高揚して、あまり睡眠を取れなかったが、当日はさきの高揚を推進力として朝早く発ち、市電にてK中央駅まで出て、そこからバスに乗って空港まで向かった。LCC便であることからか、予約した飛行機は羽田空港でなく成田空港に着くとのことであったが、航空運賃の値段から考えると、痛痒はおぼえなかった・・。

また、E先生の方は、学生時代に在住していた場所の近隣にあるホテルに滞在されるとのことであり、それは千葉県の東京寄りのI市であり、先生曰く「ああ、ここは羽田と成田の丁度中間あたりで、都内に行くにも比較的便利で、それに都心のホテルと比べるとホテル滞在費用も抑えられるんだ。」とのことであった。

今回もまた、読んで頂き、どうもありがとうございます!
順天堂大学保健医療学部

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 


一般社団法人大学支援機構



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ISBN978-4-263-46420-5

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