2018年11月15日木曜日

20181115 歯科衛生士・歯科技工士のダブルライセンスのスタンダード化【案】

昨今、少子高齢化が加速する我が国においては各業種、より知識および材料集約的と云える医療・介護系業界参入への試みが多く見受けられる。また同様の情勢を他面より観察すると、高等教育において将来の就職、安定した生活を考慮し、医療分野に進むことを希望する高校生が増加している。この状況を背景として特に国内都市部において看護をはじめ医療系大学・学部・学科の新設が目立ち、また、医療専門職としての看護師の地位は、数十年前と比較し、確固としたものになったと云い得る。くわえて昨今より、在宅医療の更なる拡充も試みられ、その流れから今後、医療・介護職の更なる連携強化が必須と云える。それは歯科医療においても同様であり、就中、健康寿命の延伸にも寄与する『口腔ケア』そして、その実施の担い手である歯科衛生士の役割、および他の医療・介護職種との連携は極めて重要であると云える。しかしながら他方、歯科衛生士は慢性的な人材不足であり、これは歯科衛生士免許取得後の就職先の殆どが、零細企業とも云える歯科医院であり、さらに雇用主の歯科医師との関係という不確実な要素により、そのキャリアが多く決まってしまうといった事情に基づいていると考えられる。それ故、歯科衛生士の人材不足は今後も継続するものと考えられる。加えて、もう一つの歯科医療専門職である歯科技工士は、その業務内容の辛さから、以前よりなり手が減少し続け、更に近年のさまざまな切削加工技術(CAD/CAM、3-Dプリンターなど)の進化発展により、その職務内容も大幅に変容し、既存のカリキュラムでは現在の歯科技工業務に対応することが困難になりつつあると云える。こうした背景により、近年においては少なからぬ歯科技工士養成校が閉鎖・廃校に追い込まれている。しかし同時に我が国では歯科技工士法が存在し、海外にて安価に作成された歯科技工物【義歯・金歯など】は違法である。こうした問題を抱える歯科医療業界の現状であるが、これをいくらか改良する施策として、同じ基礎科目を複数持つ歯科衛生士・歯科技工士の養成課程を融合し、四年制ないしは五年の修学年限にて歯科衛生士と歯科技工士双方免許の受験資格を取ることを目的とした新たな学校【おそらく大学組織が適切】を設置することが挙げられる。歯科衛生士・歯科技工士のダブルライセンス取得により、歯科治療を行う歯科医師にとっては新たな心強いパートナーとなり、また社会からは確固とした医療専門職として認知され、そして治療を受ける患者さんからは安心できる歯科医療従事者と認識され、さらには今後縮小していく労働力人口に対しても、いくらかは寄与するものと考えられる。とはいえ、こうした意見は既存諸組織においては日常業務の大幅な変更を余儀なくされることから未だ多くの賛同を得るには至っていない。ともあれ、以上の件、あまり表立って取り沙汰されることはないものの、我が国将来の歯科医療を考える際、それなりに変革を要することであると思われますが、さて如何でしょうか?
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ISBN978-4-263-46420-5

医歯薬出版株式会社
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