2018年4月29日日曜日

20180428 『思想・観念』は『その思想が述べられている文字列?』・『木を隠すなら森の中?』

本日の首都圏は天気も良く、温度も上がり、ゴールデンウィーク初日にして既に晩春を感じさせるような陽気であったと思われます。
さて、現在あらためて読み進めている著作が『大学とは何か』であること、および昨日投稿分記事から着想したと思われるのですが、先ず
『思想・観念』には色やカタチといったものはありません。
他方、たとえば何らかの『病気・症状』なども、さきの『思想・観念』とほぼ同程度に、その具体像が思い浮かぶというものありません。しかしながら『病気・症状』には目視可能な何らかの像を結ぶ存在があり、そして、それを専門とする方々にとっては、色やカタチなどを含めて何らかの具体像が思い浮かぶ存在であると云えます。そして、それと同様の意味合いにおいて『思想・観念』には具体像といったものがなく、そこから『思想・観念』とは『文脈ありき』もしくは、ある程度の時間的な継続性に依拠する存在であると思われます。また、それは以前に抜粋引用した中井久夫の記述によると『積分回路』・『参照のシステム』であり、あるいは、強いてその具体像を表現してみますと『その思想が述べられている文字列』となります。
しかし、であるからといって『その思想が述べられている文字列』が存在さえすれば、そこに『思想・観念』がたしかに存在する、もしくは存在したと証明出来るわけでもなく、皮肉なことであるのか『思想・観念』が著される『文字』が広汎に用いられる、一般化されることにより、その『思想・観念』の存在は、反比例的にとも評し得るほどに減少していくのではないかと思われます。
約言すると、文字が一般化された社会においては特に、ある『思想・観念』の存在を『その思想が述べられている文字列』の有無により判断することが困難となり、その意味で古くから識字率の高さが一つの特徴である我が国が、同時に『思想・観念』などに関しては、実質的にあまり重要なものとは考えない、関心を持たないこととも浅からぬ関連があるように思われるのです。(またそれは、現在のさまざまな国際レベルにおける歴史問題にも通底するものがあるように思われます・・。)

また、たとえ『思想・観念』が実際に存在するとしても、そこに、他の大量の『思想・観念』とは云えない何かしらの文字列が存在すれば、さきの『思想・観念』は相対的なものとなり、次いでその中に徐々に埋没していくのではないかと思われます。(それはまさしく現代の大量生産・大量消費社会ではないだろうか?)
その意味で『思想・観念』とは云えない何かしらの文字列の存在が比較的少なかったかつての時代の方が、幸せであったのかもしれませんが、しかし、そうした社会であっても、文字の運用を『思想・観念』に関しての議論および新たな
創造に多くの人々があまり関心を持たないといった傾向とは、かつての特に近世以降の施政に淵源があるのか、あるいはそれ以前よりそうした傾向が社会に存在していたのか分かりませんが、そこには、やはり時代を通じ普遍的に理解・解釈可能な正典が存在しないことが、ある程度影響しているように思われるのです・・。

また、さらに近年のインターネットなどの情報技術の進化発展に伴い、画像も文字も更に一般化されつつありますが、そうしたいわば多くの画像・文字情報に恵まれた状態こそが、新たな創造、進化発展において適しているというわけでもないように思われるのですが、さて如何でしょうか?
ともあれ、今回もまたここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。


現在までに列島各地にて発生した、あるいは現在も発生している地震・大雨・水害・火山噴火などといった大規模自然災害により被害を被った、被っている諸地域の諸インフラの復旧そして復興を祈念します。


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