2022年3月4日金曜日

20220303【架空の話】・其の85 【モザイクのピースとなるもの】【東京訪問篇⑤】

食後のお茶を飲んでいたE先生は、満ち足りた表情をされていたが、やがて、おもむろに「ああ、もう13時だから13時5分にここを出ようか・・。ここからは、20分ほど歩けば先方の医院に着くことが出来ると思うから、この商店街を少し見物しながら行きましょう。」と云われた。時間配分的にも問題はないと思われたことから、これに同意して、私も「て*や」特有の小振りな湯呑に入ったお茶を飲んでみると、たしかに何とも云えず満ち足りた感じがしてきて、さらに下手をすれば眠くなってきそうであったことから、トイレに立ち、小用を足してからサッパリするために顔をゆすいだ。Kは九州の南に位置し、高温多湿なその気候風土から、タオルやハンカチなどは欠かすことが出来なく、私の場合、医専大の頃から手拭いや大判のバンダナを常に尻ポケットに収めていたが、出先でのこうした行為においては、これらはとても役に立った。

とまあれ、私がトイレから戻るとE先生も「じゃあ、私もちょっと・・」と立ち上がり、入れ替わりでトイレに向かった。やがて戻り、精算を済ませて外に出てみると、あらためて外の商店街は賑やかであり、行く手方向の右側の方を眺めると、商店街ははるか先まで続いているようであった。

そういえば、E先生がお土産として持参された蒸*屋の「かるかん」3袋は午前中にD先生に1袋差し上げて、その後の移動時、残りの2袋はE先生と私が1袋ずつ持参していた。ともあれ、そうしたすがたで商店街を歩いていると、Kでは見かけない新たな外食チェーン店があったり、あるいは関西地方の都市でよく見かけたチェーン展開のお好み焼き・たこ焼き店があるかと思えば、地元密着で古くからあると思しき魚の煮付などを並べた惣菜屋さんなどもあり、それらにくわえて、雑貨店やチェーン展開の大型ドラッグストア、そしてパチンコ屋が並び、こうしたさまざまな業種の店舗が集まっている様子は、天文館とは多少似ているものの店舗の凝集の具合やそれら店舗の構成要素がどうも異なるようにも感じられた・・。

こうした商店街の様子にはE先生も興味を示され、町中華のお店の前や、軒先におかれた惣菜には何度か足をとめられた。ちなみに、E先生は*クドナルドや天丼といった、どちらかと云うと濃い味付けを好まれる傾向が確かにあり、その他であれば、カレーライス全般は明らかに好物であり、入ったお店で注文を迷われると、すかさず「ではカレーライスをください。」と云われるような傾向があった・・。また、ハンバーグや豚の生姜焼きなどについても同様であり、そこから「この方は少し味覚嗜好のセンサーが大雑把であるのかもしれない?」と思われるかもしれないが、E先生の場合は、それ一辺倒ではないらしく、K市そして県内に留まらず、九州内での特に博多の美味しいお店については詳しく、以前にK市在住の遠い親戚である院長先生から聞いた、ポン酢が美味しい中洲川端の水炊きのお店も御存知であり、D1の頃、学会出席のために訪問した博多で、少し空いた時間を利用してポン酢を購入した際も、事前にE先生から場所の概要を伺っていた。

約言すると、たしかにE先生には、何と云うか強くて単調、一辺倒な味を好まれる悪く云えば、少し味覚音痴的とも云える一面がありながらも、他方において、さまざまな地域の料理についても楽しみ、そして評価することが出来るほどの味覚も持たれていることから、E先生をはじめとしたKの地域に住む人々の「感覚を切り替えるよう」とも感じられる、ある種の「柔軟さ」を感じたことはK在住期間中に幾度か経験して、また、何故であるか甚く感心した記憶もある・・。

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2022年3月3日木曜日

20220302【架空の話】・其の84 【モザイクのピースとなるもの】【東京訪問篇④】

そして、商店街に入ってすぐにE先生が「おお!」と少し驚かれた様子を見せたため、そちらの方を眺めやると、果たして、その先には、これまでに何度かE先生との会話にて話題ともなった天丼で知られる「て*や」があった。

時間帯的には丁度昼過ぎであり、店内は若干混雑していたものの、すぐに二人用のテーブル席へと案内された。E先生は入店前から何故であるか言葉数が少なくなり、席についてメニューを開いていたが、しばらく経っておもむろに「もう決まった?」と、こちらに訊ねてこられた。

そこで、私は近くにいた店員さんに「あの、すいません注文をお願いしたいのですが・・。」と声をかけると「あ、すぐに。」と言い残し、入口近くのレジに戻り、交代して別の人がこちらに注文を聞きに来てくれた。そこで、E先生は上天丼を注文され、私といえば普通の天丼を注文した。

注文を通して待っている間にE先生は「ここの天丼はチェーン店としては、とても美味しいと思うけれども、学生時代には神保町、水道橋界隈に何店舗かあった「い*や」という天丼や天ぷらのお店にもよく通ったけれども、あのお店も美味しかったですね・・。うん、初めて食べた時には、乗っかっている海苔の天ぷらに少し驚かされましたけれども、あれも食べてみるとなかなか美味しいものですね・・。

・・ほかの地方の事情はあまり知らないけれども、関東や首都圏では、全般的に天丼は美味しかったですね・・。それと、ここのお店は違うけれども、天ぷらを胡麻油で揚げるお店が多かったと思います。これは淡白な味わいを貴しとする関西・近畿の方々から云わせると、下品あるいは野蛮な調理法といった評価になるのでしょうが、私としては、揚げたて天ぷらの胡麻油の香ばしい香りと、甘辛い丼タレの匂いが合体した香りや味わいを想像するだけで、かなり食欲が亢進してきますね・・。

そうそう、胡麻油で天ぷらを揚げている美味しかったお店は、たしか浅草の・・あ、D黒屋だ!」

といった感じでE先生は入店前の様子から打って変わり、御自身が経験された天ぷらや天丼にまつわる話をいくつかされたが、そうしてしばらく経つと、我々の注文した上天丼と天丼が運ばれてきた。

E先生は丼が目の前に置かれると、箸を取り、それを横にして両手に持ち、控えめな声で「いただだきます!」と云ってから、おもむろに食べ始めたが、その食べ方は、まさに「久しぶりに好物の料理を(無心に)食べている」といった感があり、また、面白いもので、それを見ていた私の方にも伝染するのか、そうした食べ方になり、消化にはあまり良くないのかもしれないが、二人とも5分もかからずに食べ終えてしまった・・。

おそらく季節のためであろうが、以前より私が好んでいた、タレに浸けた穴子の天ぷらが乗った天丼はメニューになかったが、それでも久しぶりの天丼ということもあり、たとえチェーン店のものであっても充分に堪能することが出来たが、これは食後のお茶を飲んでいるE先生もまた、その様子から同じであるように思われた。

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2022年3月1日火曜日

20220301 株式会社河出書房新社刊 ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳 「21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考」 pp.229-231より抜粋

 株式会社河出書房新社刊 ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳 「21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考」

pp.229-231より抜粋
ISBN-10: 4309227880
ISBN-13: 978-4309227887

21世紀に主要国が行った侵略で、これまで唯一成功したのは、ロシアによるクリミア征服だ。2014年2月、ロシア軍は国境を接するウクライナに侵入してクリミア半島を占領し、その後、同半島を併合した。ロシアはほとんど戦火を交えることなく、戦略的に重要な領土を獲得し、近隣諸国を震え上がらせ、世界の大国としての地位に返り咲いた。とはいえ、この征服が成功したのは、並外れた巡り合わせに恵まれたからだ。ウクライナの軍隊も地元民もたいした抵抗を見せなかったし、他の大国もこの危機に直接介入することを控えた。こうした状況を世界の他の場所で再現するのは難しいだろう。もし、侵略者に抵抗する気のある敵がいないというのが、戦争で勝つための前提条件だとしたら、それが満たされる機会ははなはだ限られる。

 実際、ロシアがクリミアでの成功をウクライナの他の地方で再現しようとしたときには、はるかに頑強な抵抗に遭い、ウクライナ東部での戦争は不毛な行き詰まり状態に陥った。そればかりか、この戦争でウクライナの反ロシア感情に火がつき、ウクライナは盟友から不倶戴天の敵に変わってしまったから、(ロシア政府の視点からは)なお悪かった。第一次湾岸戦争での成功で図に乗ったアメリカがイラクで無謀な戦いを始めたのとちょうど同じで、クリミアでの成功で図に乗ったロシアも、ウクライナで無謀な戦いに手を染めてしまったのだ。

 21世紀の頭のカフカスとウクライナにおけるロシアの戦争を総合して考えれば、けっして大成功とは言えない。それらの戦争で大国としてのロシアの威信はたしかに高まったものの、同国に対する不信と敵意を募らせてしまったし、経済的にも損失を招いている。ウクライナでクリミアの観光地やルガンスクとドネツクにある旧ソ連時代の老朽化した工場を手に入れたところで、戦争にかかる費用はとうてい補填できないし、資本の逃避や、国際制裁の代価はまったく埋め合わせることができない。平和な中国が過去20年間に見せた途方もない経済発展と、同じ期間に「戦勝国」ロシアが陥った景気停滞とを比較しさえすれば、ロシアの政策の限界に否応なく気づかされる。

 政府は空威張りしているが、ロシアのエリート層自体は、おそらく自国の軍事的冒険の費用と便益を十分認識しているだろう。だからこそ、そうした冒険をエスカレートさせないよう、これまで細心の注意を払ってきたのだ。ロシアは学校のいじめっ子の原理を守ってきた。すなわち、「いちばん弱い子供をいじめろ。だが、やり過ぎるな。先生が割って入ってこないように」というわけだ。もしプーチンがスターリンやピョートル大帝やチンギス・ハーンのような意気込みで戦争を行っていたら、ロシアの戦車はとうの昔に、ワルシャワやベルリンとまでは言わないまでも、トビリシやキエフには突進していただろう。だが、プーチンはチンギス・ハーンでもスターリンでもない。彼は21世紀には軍事力があまり役に立たないことや、戦争を仕掛けて勝つには、限定戦争を行うにとどめておかなくてはならないことを、誰よりもよく知っているように見える。ロシアが情け容赦ない空爆を行ってきたシリアにおいてさえ、プーチンは用心を怠らず、ロシアが最小限の足跡した残さないようにし、本格的な戦闘はすべて他の国の人々に任せ、戦争が隣国にまで拡がるのを防いでいる。

 実際、ロシアの視点に立つと、近年ロシアがとってきた攻撃的な行動とされるものはみな、新しいグローバルな戦争の端緒を開くものではなく、手薄になった防備を補強する試みだった。ロシアは1980年代末から90年代初期にかけて、平和的に軍を引き揚げた後、打ち負かされた敵のように扱われた事実を指摘することができる。それはもっともな話だ。アメリカと北大西洋条約機構(NATO)はロシアの弱みにつけ込み、約束に反して、NATOを東ヨーロッパへ、さらには旧ソ連の共和国の一部にまで拡張した。そのうえ西側諸国は、中東におけるロシアの権益を無視し、怪しげな口実でセルビアとイラクに侵攻し、総じて、ロシアは西側諸国の侵略から自国の勢力圏を守るには、自らの軍事力に頼るしかないことを、はっきりと思い知らされた。この視点からは、最近のロシアの軍事的な動きは、ウラジミール・プーチンだけでなく、ビル・クリントンやジョージ・W・ブッシュのせいでもあると言える。

20220228 作文技術の向上と認識の強さについて・・【緩慢なる発達】

本日は2月の最終日であり、また同時に、本日新規にて記事投稿をしますと1720記事に到達することになります。そうしますと、残りあと80記事の投稿にて、新たな目標として定めた1800記事へと到達することになります。これは今後、概ね5日間に4記事の投稿頻度にて、来る6月20日まで記事作成を続けることにより、当ブログ開始から丁度丸7年の頃に1800記事へと到達出来る目途が立つことになりますが、これに関しては、現在の私の状態を鑑みるに困難であるように思われます・・。

とはいえ、であるからといって記事を作成しなければ、投稿頻度はもとより、記事数の増加さえも望めません・・。それ故、本日も2月内にキリの良い1720記事へと到達すべく、先ほど来より記事作成を行っている次第ですが、他方で、書籍からの引用記事となる題材は未だ少なからずあり、昨日の投稿記事にて述べた「自らの文章による記事を・・」がなければ、本日は迷うことなく、書籍からの引用記事を作成していたと云えます・・(苦笑)。

それでも、この程度までどうにか作成が進みますと、少しは興に入るのか、キーボード上の指の動きはいくらかは滑らかになってくるようです・・。そして、この状態にまで持っていくことが出来ますと、当初の、文章作成に対しての重苦しさのようなものは大分軽減されて、あたかも話すかのようにして、文章を作成することが出来るようになります・・。通常であれば、こうした文章作成に適した意識状態は貴重であるとも云えることから、この状態のことを、敢えて、対象として文章化しようとは思わないのかもしれませんが、これまでに何度も、自身のブログについて、さまざまなことを述べてきましたので、あるいは、忘れているだけであるかもしれませんが、それらの中には、これまで当記事にて述べた主旨の根本・種子となるものはあるのではないかと思われます。

これまで6年半以上にわたり、ブログ記事を作成してきましたが、自分の作文技術の向上のような感覚はかなり乏しいのですが、同時に、これまでの期間を通じて分かったことは、あくまでも感覚的にではありますが、当ブログでのオリジナルの記事の主旨には、いくつののパターンがあり、またそれは、自分の好みによるものであるということです。こうしたことは多少、内省的になって考えれば、分かることであるのかもしれませんが、他方で、ある程度の期間、行為を継続して「分かった!」といった感覚を得るに至るのでは、その「分かる」の強さが、主体に与える影響も異なり、そして、その強度を受容して、感覚として判断するのが身体性であるのではないかと思われるのです・・。

その意味において、さきに述べた当ブログ記事の主旨のパターン、およびその好みの認識・発見は自分にとってはそれなりに驚くべきことであったと云えます・・。そしてまた、自分のブログなどの作文技術もまた、今後、向上するのであれば、これと同程度の足並みにて向上していくのであろうと思われるところです・・。

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2022年2月28日月曜日

20220227 ここ最近での記事作成から思ったこと【ブロガーとツイッターとの連携に関連して】

 本日の首都圏は日中、気温は気温が上がり、この時季としては、かなり過ごし易かったと云えますが、日が暮れてからは、気温が下がり、この時季らしい寒さとなりました。また、去る2月14日以来のロシア軍によるウクライナへの侵略は、今なお続き、まさに予断を許さない状況であると云えます。

ツイッター界隈を見ていますと、この侵攻についてのさまざまな意見が見受けられて興味深いのですが、同時に、投稿可能文字数によるものか、ツイッターでは「簡潔に意見を述べる」といった傾向が強く、一方で、そうした発信があまり上手いとは云えない私としては、未だにどちらかと云えば、ぎこちなくツイッターを運用をしていると云えます・・(苦笑)。

また、私はツイッターを始める以前から、ブロガーにてブログ記事の作成を続けていますが、それら投稿記事をツイッターにて連携可能であることから、たとえ、ぎこちないツイッターの運用であっても、当ブロガーを基軸として、現在に至るまで、どうにか続けることが出来ています。

つまり、ブロガーを基軸としてツイッターを運用しているのですが、2020年1月にツイッターをはじめて以来、現在に至るまでの2年間は、以前にも述べましたが、ブログ記事作成に対する緊張感が明らかに上昇しました・・。

それは、ツイッターにてブログ記事を連携ツイートしますと、時折は直の反応があり、そうした反応により「ああ、本当に読まれていたのだ・・」といった実感が湧き、次いで「あまりいい加減な記事は作成できないな・・」となり、それにより緊張感が生じるのですが、では、この緊張感は、果たして記事作成において良いものであるのかと考えてみますと、未だに判然とせず、現在においても「ツイッターを始める前の方が自由に記事作成をしていたな・・」と思うことが度々あります。

また、ブロガーでの閲覧者数は、ツイッターとの連携によって著しく増えたということはありませんが、他方で、閲覧者数の推移を見て、平均的に閲覧者数は少し増え、また、その偏差は小さくなったように感覚的には思われます。

その意味においては、たしかに未だツイッターの運用に習熟はしていませんが、しかし同時に、以前と比べると、いくらかは慣れてきつつあるようにも思われるところです・・。

くわえて、当ブロガーでの、これまでの閲覧者数は約65万人となっていますが、これは今後1800記事まで投稿しますと、どのようになっていくのでしょうか・・?

ともあれ、ここまで作成して、やはり現在、自身による文章作成は鈍って、またスランプでるようにも感じられてきましたので、しばらくの間は、冒頭にとり上げた、ロシア軍によるウクライナへの侵攻に関連した引用記事を投稿しようと考えていましたが、少し方針をあらため、たとえ拙くとも、意識して、自らの文章による記事も作成していきます。

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2022年2月27日日曜日

20220226 投稿記事の閲覧者数から思ったこと

 ここ数日間はロシアのウクライナへの侵攻という世界規模の大きな出来事があり、当ブログにおいても、この出来事の考察に資するような書籍の記述を引用記事としてきましたが、おかげさまで、それらの記事はどれも、それなりに時宜を得ていたためか、比較的多くの方々に読んで頂けていました。そしてまた、本日に関しても、引用記事を以て充てようと考えていましたが、内からのよく分からない圧力によって、自らの文章にて作成することに考えを変えました。

たとえブログであっても、しばらくの期間、自らの文章を作成しないでいると、鈍ると云いますか、ある程度集中している状態での文章作成に至るまでに掛かる時間が長くなるようで、反対に、この時間が短い方が、より効率的な文章作成が出来ると思われ、実際にそれは間違いではないと云えますが、他方で、意識して効率的な文章作成を試みた方が良い文章をより多く作成出来るというわけではないようです・・。

これまでに(どうにか)ブログ記事の作成を続け、ある種の感覚が麻痺したためか、あまり気負いや気後れなどを感じることなく、公表する文章の作成が出来るようにはなった感覚はありますが、しかし未だに「自分の文体を獲得・確立した」といった認識はありません。では、そうした状態にて、良い文章の指標となるものを検討しますと、それは記事(文章)の閲覧者数により示されるのではないかと思われます・・。

それは「良い記事(文章)であれば、より多くの方々に読んで頂けるであろう」という単純な考えに基づきますが、ともあれ、そこから、比較的多くの閲覧者数を得ている当ブログの記事をいくつかあたり、各々作成していた頃を想起してみますと、概して効率的な文章作成を意識していた時期ではないものの、ほぼ毎日でのブログ記事の作成を日課としていた頃であり、具体的には2017~2018年の作成記事に集中していたと云えます。

丁度この頃は1000記事への到達が現実味を帯び、勢いづいていた頃であり、また、その文章からは、あまり意識はされていないものの「自信」のようなものが感じられます。では、それに対して現在はと考えてみますと、何と云いますか、そうした「勢いや自信」はないものの、ブログ記事作成いや、文章作成での新たな段階に至ろうとして、右往左往しつつ、どうにか続けているといった感じがあります。

こうした時期は、さきの大きな目標(1000記事到達)を目指し、進めていた時期と比べますと現実味のある大きな目標はなく、ただ、これまでのブログ継続の経験によって何とか続けているといった感が強く、また、その「勢い」は、かなり減衰していると云えます・・。とはいえ、それでも(どうにか)続けることが出来ていることから、客観的には、あまり、それらの間に違いなどは認められないのかもしれませんが、作成者側からしますと、明らかに異なるように感じられ、また、それが閲覧者数にも関与しているのではないかと思われるのですが、このあたりのことに関しては、あるいは「何か」があるのかもしれませんが、今後、またしばらく作成を続けつつ、その「何か」を検討し続けてみようと思います。

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2022年2月25日金曜日

20220224 株式会社新潮社刊 新潮選書 池内恵著 「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」pp.56-59より抜粋

株式会社新潮社刊 新潮選書 池内恵著「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」 pp.56-59より抜粋
ISBN-10 ‏ : ‎ 4106037866
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106037863

ここで少し歴史を紐解いて、ロシアとトルコの戦略・地政学的な対立構図を整理してみよう。ロシアは帝国として台頭する際に、ポーランドなど西欧方面への支配領域の拡大と、ウラル山脈を越えてシベリアを支配下に置き太平洋岸にまで到達する「東漸」、そして黒海北岸地域や南北コーカサス、中央アジアに侵攻する「南下政策」の三方向で拡大していった。西欧への拡大が先進国の仲間入りをするためであったとすれば、東漸の目的は資源獲得であり、南下政策の目的は世界帝国に不可欠な不凍港を求め、地中海へのアクセスを確保することにあっただろう。オスマン帝国はロシアの南下政策の圧力を正面から受け、繰り返し露土戦争を戦っていくことになる。

 露土戦争は、歴史を遡れば16世紀に始まる。クリミア半島を中心とした黒海北岸地域は、かつてはタタール人という、トルコ人とも類縁性の深い、広い意味でのトルコ系の言語(チュルク系諸語)を話す諸民族が住んでおり、「タタールの軛」とも言われたように、スラブ系のロシア人を征服・支配し従属させる立場だった。オスマン帝国は15世紀のスルターン・メフメト2世紀以来、たびたびクリミアに軍事遠征を行なって、タタール人の現地の政権である「クリミア・ハン国」を服属させることで、黒海沿岸地域を間接的に支配し属領とした。これに対してロシアがたびたび遠征を行なってクリミア半島を支配下に置こうとした。これがロシアとトルコの間で数世紀にわたって続けられた、数え方によっては十数回に及ぶ「露土戦争」の発端である。もっとも古くまで遡れば、1568年にオスマン帝国がロシアの支配下にあったアストラ・ハン国に遠征を行なってロシアと戦い、敗れて、1570年にコンスタンチノープル条約を結んだが、これ以降ロシアはオスマン帝国の黒海沿岸地域を脅かすようになる。

 この時点でオスマン帝国とロシアの関係は拮抗していた。しかし17世紀末以降。オスマン帝国が緩やかに軍事的な衰退期に入るのに対して、ロシアは帝国として勃興し、「南下政策」を推進してオスマン帝国領土を蚕食していった。

 オスマン帝国は軍事的な最盛期に達する16世紀までは、西欧・ロシアとの国際関係を圧倒的に優位な立場から結ぶことができた。イスラーム法に基づいたオスマン帝国側のルールを適用して西欧諸国との外交も行い、西欧諸国はオスマン帝国と外交・通称関係を結びたければそれに従うしかなかった。オスマン帝国在住の西欧諸国民に領事裁判権などの特権を与えた「キャピチュレーション」も、元来はイスラーム法の下での異教徒支配の原則を準用して、外国人の異教徒に「恩恵」として与えたものであった。

 オスマン帝国が軍事と外交面での優位性を失い、西欧の国際法秩序を受け入れることを余儀なくされた時期が、1699年にハプスブルグ帝国との間で締結したカルロヴィッツ条約とされる。1683年にオスマン帝国が、16世紀のスレイマン1世以来となる第二次ウィーン包囲でハプスブルグ帝国を脅かしたものの、失敗。逆に、ローマ教皇の呼びかけでカソリック諸国の「神聖同盟」が結成され、正教のロシアもこれに加わって、オスマン帝国の侵略に立ち向う同盟が結成されていた。それによって不利な条約の調印へ追い込まれたのである。

 ロシアがオスマン帝国との関係で決定的に優位に立つのが、1768-1774年の露土戦争の結果のキュチュク・カイナルジャ条約で、ここでオスマン帝国はクリミア・ハン国への宗主権を失うと共に、オスマン帝国領内のギリシャ正教徒にロシア皇帝が保護権を持つと認めさせられる。それ以来、ロシアは軍事的に領土を蚕食するだけでなく、正教信徒の保護を理由とした内政干渉を行うようになっていく。他の列強諸国も対抗して軍事介入を行うと共に、オスマン帝国内の少数派の保護を名目とした介入・内政干渉も競うようになる。ロシアはこの時、クリミア・ハン国をまず形式的にオスマン帝国から独立させた上で、1783年にクリミアを占領し、属国とした。軍事力を背景にした内政干渉により、外国の領土の中に親ロシア派の「自治」の領域を切り分け、のちに独立承認といった手続きを経てロシアに併合する、というロシアの拡張のパターンが定まってきた。