2019年11月25日月曜日

20191124 歴史の転換期、社会の変革期と「貴種流離譚」について

先日来から読み進めている石光真人編 石光真清著「石光真清の手記」は、最終巻の第四巻「誰のために」の後半に至り、おそらくここ数日で読了すると思われます。
当著作は歴史資料としても優れ、且つ、ノンフィクション作品としても大変興味深いと云えます。また、当著作を読みますと、山田風太郎による多くの著名人物がチョイ役として登場する開化もの作品が小説としてでなく、実際の物語としても成立し得るものであることを痛感します。

おそらく、著者である石光真清氏は、そうしたことをあまり意識することなく、幼い頃から自分が経験してきた出来事を叙述したものと思われますが、期せずしてか、それは明治維新後から太平洋戦争前の昭和期の歴史をさまざまな現場から描いたものになり、結果として、重要にして興味深い資料、ノンフィクション作品になったと云えます。

これと類似した主題の著作としてロバート・グレーヴスによる「アラビアのロレンス」そして同著者による「さらば古きものよ」などが挙げられると思われますが、当著作は、著者(石光真清氏)の性質からか、あまり飾り立てない率直な文章によって書かれ、また、そうしたことから、かえって期せずして心を打たれるといったことが度々ありました・・。

当著者は、必ずしも世間的な尺度での成功者とは云えませんが、同時に、現在においても九州地域にてしばしば見受けられる、情に厚く、女性に弱く、誇り高く、勇猛果敢でありながらも、あまり器用に世間を渡ることを欲しようとはしない、おそらく本物の熊襲や隼人の末裔であろうと思われる、あるタイプの方々を想起させられます・・。

さらに他の視点にて、当著作および前述した類似する主題の著作について考えてみますと、それは「貴種流離譚」と評することが出来るのではないかと思われました。
素戔嗚尊日本武尊オイディプスから源平合戦譚そして、近現代における世界各地の革命に至るまで、歴史が大きく動き、それに伴い社会も大きく変化しようとする時代には、特に、こうした「貴種流離譚」に分類される事象が多く見出されるようになるのではないかと考えます。

そして、そうした視座から国や地域の歴史を眺めてみますと、それぞれの国、地域における古来からの祖形男性像といったものが理解できるのではないかと思われるのですが、さて如何でしょうか・・(笑)。

今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます。

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 2020年4月開設
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