2018年2月13日火曜日

20180213 継続的に読まれている記事について 其の2 個人主義と集団主義:欧米と日本?【教養は強要出来ない・・】

昨日と同様、継続的に読んで頂いている記事に関してですが、ほかのそうした記事として、以前よりたびたび抜粋引用したトーマス・マン著『魔の山』内の記述、およびそれを題材として作成した記事が挙げられます。

それらがどのようにして読まれているかは分かりませんが、何れにせよ継続的に読んで頂けているという事実は大変に興味深く、そして読み手の方々がそこから何かしら得るものがあれば、記事として作成・投稿した自身としては、まさに僥倖と云えます・・。

そして、そこから多少調子に乗って言葉を継がせて頂きますと『どうです、最近の小説も面白いかもしれませんが、こうした近現代西欧文化を濃縮したようなコッテリとした小説もまた、なかなか面白いのではないでしょうか?』といった感じにもなります(笑)【また、こうした著作を和訳して読んで楽しむことが出来る我が国の文字文化とは、やはり捨てたモノではないと思われます。つまりは扱う側の問題ということでしょうか・・(苦笑)】。

また、さらにそこから思う、いや願うことは、こうしたことがわずかではあれ一つの契機となり、それぞれの内発的、能動的な興味を持ち得る分野の大学院(修士・博士問わず)への進学を希望される方々が増えることです・・。

くわえて、それはこれまでのような純粋培養・単線的な経路によるものばかりでなく、学部・学科横断的ないわば学際的な知見を備えた方々が今後一層増えていき、そしてそれぞれのフィールドで活躍されることにより、世の中とは賑やかになり面白くなっていくのではないかと思われるのです・・(笑)。

つまり、本質的に学問や研究に関しては、もちろん苦しいことも多々あるでしょうが、あくまでも『興味本位』もしくは『嬉戯』といったスタンスを保持し続けることが重要であるように思われるのです・・。

そして、そこから敷衍して考えますと、さきのトーマス・マンも然りですが、総じて教養と称されるものが持つ価値を理解することが出来るのではないかと思われます・・。

その意味において、現在の我が国における『何でもマンガにすれば良いといった風潮』は、やはりどこかオカシイのではないかと思われるのです・・(マンガそのものを批判しているのではありませんが・・)。

しかし、こうした意見とは、これまでに当ブログにて述べてきた『人文社会科学系分野の人員(学生数)を削減してでも医療・介護系職種の養成機関を四年制大学化して拡充すべき』といった意見と矛盾するのではないかと考えられる方々もおられるかもしれませんが、ここで極めて重要であると思われることは、冗談ではありませんが『教養とは強要出来るものではない』ということです・・。

おそらく19世紀後半には西欧的な近代化、そしてその後の20世紀半ばには米国的な社会への復興を目指した我が国には、この感覚はそれぞれの導入・実施の段階においては、ある程度所与のものであったのでしょうが、所与であったが故にその後、この部分からどうも大きな誤差が生じるのではないかと思われるのです・・。

それは西欧文化そしてそこから派生した米国文化が共に個人主義を基調としたものであり、対して我が国においては個人主義といったものが広汎に社会において確立した時代とは、現在も含めてないことが、何かしら有意な影響を与えているのではないかと思われます。

つまり、我が国においては、とりあえず集団主義的な社会に適応出来るような実用的な学問体系を身に着けた後、さらに興味があれば、そうした教養的なものを深めれば良いのではないかということであり、そして、そうした方々が社会にて増えることにより社会が一層面白くなるのではないかということであり、特に矛盾らしきものはないと考えますが、さて如何でしょうか?

今回もここまで読んで頂きどうもありがとうございます。

近年、列島各地にて発生した地震・大雨・水害・火山噴火といった大規模な自然災害によって被害を被った諸地域の復興を祈念しています。

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