2024年12月1日日曜日

20241130 情報過多の時代で歴史を学ぶ意味について

 現代の社会では、膨大な情報がインターネット上に溢れていますが、個人が、それら全ての情報を閲覧して理解することは、実質的に不可能と云えます。そこで、個人に求められるのは、単に多くの情報を集めることではなく、それらの意味や背景を理解して、重要なものを選択できることにくわえ、それら部分・断片的な情報から対象の全体像を把握することは困難であることから、選択された複数の情報を関連付けて総合化する能力と云えます。そして、そうした能力を得る方法として「歴史を学ぶこと」がきわめて有効であると考えます。

歴史とは、単なる過去の出来事の記録ではなく、ある程度長い期間を通じた社会における、さまざまな事物の変化の様相を理解するための重要な手掛かりであると云えます。歴史を学ぶことで、こうした、さまざまな変化の流れを理解して、そのうえではじめて自らが生きる社会での、さまざまな課題や問題を、より広い視野から認識して考えることが出来るようになるのではないかと考えます。

次に、歴史を学び知ることにより、さまざまな国・地域・時代に対する理解を深め、その視野も広がります。そしてその結果、現在の自らの即自的な価値観のみが絶対ではないことに気がつくようになり、自らのものとは異なる他の文化をも尊重して、柔軟な対応が自然に出来るようになり、そして、こうした行為態度とは、おそらく国際間での対話や活動においても、少なからず良い効果を齎すものと考えます。

また、歴史を学ぶことは、批判的思考力を鍛える訓練にもなります。一つの出来事に対しても解釈が異なる場合があります。そのため、歴史の学習では多角的な視点で資料を検証し、あまり情緒を介さず、客観的な判断をくだす必要があります。この過程によって情報を鵜呑みにせず、分析的に考える力が養われると考えます。そこから、歴史を学ぶ意味や価値とは、さまざまな情報の背景を理解し、それを自らが生きる現在に応用する力を磨くことが出来るようになる点にあると考えます。

現在のような情報過多の時代にあっては、ただ情報を得るだけでなく、それをいかに活用するかが問われます。歴史についての知識は、情報を整理し、ある局面において必要な知恵を引き出すうえで、きわめて効果的であり、そこから過去の出来事(歴史)から敷衍して考える能力とは不可欠であると云い得ます。歴史を学ぶことで、我々はただの情報の受け手ではなく、情報をより本質から理解し、さらには、それを基に発信して、未来をも創造する能力を手に入れることも出来るのではないかと考えます。そして、この能力こそが、これまでの我が国では等閑視され続けてきましたが、国内外共に混乱が続く現在の社会をより深くから理解・認識して、適切な対応をするために不可欠なものであると考えます。最後に、今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます!
一般社団法人大学支援機構


~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

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