当時は四年制大学での歯科技工士の養成も始まって、まだ間もない頃であったことから、歯科技工士で歯学系の大学院博士課程へ進まれた方は、おそらくいませんでした。その意味において、私は我が国の歯科技工士教育の一つの節目にはなったのかもしれませんが、同時に歯科技工士としては決して良いものになったとは云えません・・(苦笑)。
しかし、その代わりに、幾つかの分野に身を置いてきたことから、一身では経験することは少ないと思われる、複数種類の経験をさせて頂いたのではないかとも思われます。
現在から14年前の2009年に鹿児島に移り住み、その年から歯科理工学実習に実習補助として参加させて頂き、その中の幾つかの実習項目については、重要な工程を任せて頂き、また、歯科技工にて用いる各種器具の扱いが、未だ不慣れである学生さん達の動きにも、それとなく注意している必要があったことから、当初はかなり緊張していました。
それでも、以前にその実習工程を担当されていた講座の准教授の先生が丁寧に教えてくださり、また私の方も、和洋の歯科理工学教科書をアマゾンにて古本で購入し、それらを実験などの空いた時間で読み、自分なりに訳して、こなれたものにしてから、実習時、その記述と関連する工程の局面にて、それをおもむろに語ったりしていました・・。現在になり思い返してみますと「ああ、何と小手先な・・。」と恥ずかしく思う部分も少なからずありますが、しかし同時に、当時は、この実習で与えられた役割を上手くやり遂げようと自分なりに必死であったのだとも云えます・・。
とはいえ、この「上手くやり遂げようとする」について、実習内容の説明といった技術的なことは、各種名称や、それら機器の使用法を心得て、ある程度使い慣れていれば、どうにか出来ると思われますが、そうした説明以外に、実習内容と関連する知見が含まれるような雑談的会話を適宜出来るようになることが大変重要であると思われます。その点、私は人文寄りな性質であることから、この実習時の雑談的会話では、さきの英語教科書や、実習内容と関連のある英語論文などを読み、ある程度知見を溜め込んでおき、それらを随時小出しにして用いつつ、そこに、人文寄りの知見を雑ぜ込みつつ、実習内容について、それらしいことを説明していた記憶があります・・(苦笑)。
2009年から2013年まで、毎年こうした経験をさせて頂き、また2011年からは教授(師匠)そして2012年からは、さきの准教授の先生が退職されたため、前述のように、当時、研究室唯一の院生であった私が、いくつかの項目については最後まで見ることになり、さらに、それと同時期、近隣の歯科衛生学科が併設された専門学校にて教養英語の講義を担当させて頂くことになり、この時期は早朝に大学に行って実習の準備を整えてから、各種教材を持って専門学校まで講義に原付で出向き、午前の講義を終えると急いで大学に戻り、実習の最終準備をしてから午後の実習に備えていました。
そして、現在になって振り返ってみますと、その他のさまざまな経験も重要なものであったとは思いますが、私の場合は、この時期の前述した経験(こそ)が、これまでにも何度か、当ブログにて述べてきましたが、当ブログ継続の基層にあるのではないかと思われるのです。
今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
*鶴木クリニックでのオペ見学につきましても承ります。
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メールアドレス: clinic@tsuruki.org
電話番号:047-334-0030
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