しかし、そもそも、何故この「紀州鉈」に興味を持つに至ったかについては、これまた以前の投稿記事にて述べましたが、南紀白浜在住時に、海開き前の浜掃除が私を含めて勤務ホテルのスタッフ何人かと、白良浜近隣に立地する他のホテルスタッフや自治体職員などにより行われましたが、その中には本職の植木職人の方々もおられました。その出で立ちは、色の褪せた綿パンに、ふくらはぎの半分以上までを覆うようなゴム底の地下足袋を履き、作業用のシャツを着て、そして手には、おそらく1mほどの長さがありそうな柄木の紀州鉈を持たれていたのですが、この光景が何やらとても新鮮に映ったのです。つまり、日常生活の中で槍とも見紛うような鉈を当り前のようにしてめいめい手に持ち、煙草を喫いながら、互いに何やら話しておられる光景は、都市部などでは、なかなかお目に掛かることはないと思われるのです。そしてまた、それを初めて見た私は「何だ、あの武器のような道具は?」と思い、周囲の方々に訊ねたところ、それは樹木の枝などを掃うためなどに使う鉈とのことであり、そこで、この道具については記憶に残り、その後、当地の大学院に進み、地域学研究の一環として、この「紀州鉈」について調べていたところ「それを題材にして地域誌の記事を書いてみてはどうか?」と仰って頂き、作成したのが、私の作成した文章ではじめて活字になったものであると云えます。ともあれ、その記事では、紀州鉈を主題としているにも関わらず、ドイツの哲学者、社会学者であるゲオルグ・ジンメルによる、ある主張に被せて、この紀州鉈について述べていたと記憶していますので、この時も、やはり多少おかしくなっていたのだと思われます・・(苦笑)。
そして、その後になり、数カ月ほど前のことになりますが、紀州鉈や鉈などとはあまり関係ない、ある民俗学関連の著作を読んでいた際に不図、さきの白良浜の掃除の際に見かけた光景が思い出されてきたのです。この記述は、現在でも憶えており、また、その著作も手近にあることから、後日また引用記事として作成してみたいと考えています。ともあれ、現在において、ホンモノのその国や地域の歴史を実感する契機とは、何らかの、こうした体験のようなものがあるように思われるのですが、さて、これも実際のところはどうなのでしょうか?
今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
順天堂大学保健医療学部
祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
*鶴木クリニックでのオペ見学につきましても承ります。
連絡先につきましては以下の通りとなっています。
メールアドレス: clinic@tsuruki.org
電話番号:047-334-0030
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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