2018年7月8日日曜日

20180707 道具の進化と社会の変化との関係について【書籍からの抜粋引用より】

昨日より引き続き、おもに西日本各地にて大雨による災害の発生の危険性があるとのことです。これまで被害が生じた地域の速やかな復旧、そして今後の被害が出来る限り軽微であることを祈念しております。

講談社刊(講談社学術文庫) 中村勝己著『世界経済史』pp.48-49より抜粋引用
ISBN-10: 4061591223
ISBN-13: 978-4061591226
『弥生中期には土地や水利をめぐる集落間の対立・抗争が激化し、集落相互間に統合が進行した。二世紀後半の集落連合の対立は、畿内および瀬戸内地方の石製武器の発達と瀬戸内海沿岸の軍事的高地集落の急速な発達と消滅としてあらわれた。北九州および畿内・瀬戸内沿岸において鉄器が普及し、鉄器の生産力および軍事力をふまえて畿内政権による北九州政権の制圧がおこなわれた。古墳時代には主として朝鮮半島経由大陸文化の摂取が盛んにおこなわれた。半島や大陸からは多くの手工業者や農業技術者が渡来した。その結果わが国文化が急速に発展した。しかしその他方において輸入文化は社会にひとしく滲透したとはいい難かった。たとえば精巧な須恵器と並んで、旧来の土器器(はじのうつわもの)が多く存在していたのであって、二種類の土器が併存したのは、この時代の社会に貧富の懸隔がいちじるしくなっていることを示している。朝鮮半島南部および国内(出雲・吉備など)産の鉄を支配し、鉄製武器(鉄鏃・直刀・甲冑)を所有することにより、政治的支配が可能となった。前期および中期古墳出土の鉄製農具(鍬・鋤・土堀用唐鍬・万鍬・犂・鎌)はきわめて貴重なものであり、一般農民はまだ所有するに至らなかった。奈良時代に至っても、鍬が位階・官職のある者や功労のあったものに下賜せられ、一般農民は依然木鍬を使用していた。豪族は性能のすぐれた鉄製農具を用い、農民を駆使して灌漑用溜池の築堤・水路の掘削・台地・原野の開墾をおこなった。これによって古墳を造営する経済的基礎がつくり出されたのである。』

おそらく、この記述からも、かつてヤマト王権側から見て辺境の地にある神を祀る社は、社であると同時にヤマト王権からの出先機関といった性質をも持ち、またその意味から、社にて当時最先端の道具であった各種鉄器類(武器・農具)が管理・格納されていたことは、奈良県天理市在の石上神宮の起源・来歴とも符合あるいは共通するものと思われる。くわえて、この記述、特に後半部は考古学者の森浩一そして作家の司馬遼太郎が述べていた見解とほぼ同一であることから、当記述部は、あるいはその著作を参考として書かれたのではないかとも考えられた。

今回もここまで読んで頂きどうもありがとうございます。


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増刷決定!
ISBN978-4-263-46420-5


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前掲著作の執筆者である師匠による歯科材料全般もしくは特定の歯科材料に関しての勉強会・講演会などのご要望がございましたら、よろこんで承ります。師匠はこれまで長年にわたり大学歯学部・歯科衛生・歯科技工専門学校にて教鞭を執られた経験から、さまざまなご要望に対応させて頂くことが可能です。


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conrad19762013@gmail.com 
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

数年前より本日にまでに列島各地、特に西日本にて発生した大規模自然災害により被災された地域の諸インフラの回復および、その後の速やかな復興を祈念しています





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