2024年11月21日木曜日

20241120 最近読んでいる著作とその系譜および、ここ一週間について

 過日のノーベル経済学賞受賞で、さらに広く知られるようになったマサチューセッツ工科大学のダロン・アセモグル教授とシカゴ大学のジェームズ・ロビンソン教授による早川書房刊「国家はなぜ衰退するのか」を先日購入し、現在、上巻の四分の三程度まで読み進みましたが、こうした、さまざまな歴史の推移の具体的なケースを示す書きぶりは大変興味深いものがあり、また、その系譜にはユヴァル・ノア・ハラリによる「サピエンス全史」をはじめとする複数の著書、あるいは現在となっては往年の名著とも云い得るジャレド・ダイアモンドによる「銃・病原菌・鉄」をはじめとする同様の複数の著作があると考えますが、これらの著作については、これまで当ブログをお読み頂いた方々はお分かりと思いますが、少なからず、それらから引用記事を作成しており、またそれらの元著は大抵読了まで至っていますので、私は少なくとも数年前より、こうしたモザイク式に歴史の推移の具体例を並べ、それらから何らかの見解を抽出するような書きぶりに興味を持っていたことが分かります。しかし、そのように考えてみますと、こうした書きぶりは、専門である西洋ルネサンス史を基軸として、我が国のさまざまな時代の出来事や様相との対比を書いた会田雄次や、東洋史の視点から我が国の歴史や特徴などについて述べた宮崎市定や、主に小説以外での司馬遼太郎の諸著作などとも通底する要素があるようにも思われ、また同時に、それら著作は、さきの「数年前」から、さらに以前より好んで読んできたと云えますので、そうした人文学におけるスタイルがノーベル経済学賞を受賞したこともまた、個人的には興味深いと考えています。

 とはいえ、冒頭で挙げた現在読み進めている「国家はなぜ衰退するのか」の内容は、決して楽観的なものではなく、逆に、現代を生きる我々に迫ってくる、過去の愚かでいたましい歴史の推移が羅列されているようで、読んでいますと徐々に気が滅入ってくるような感覚もあります。そして、この「気が滅入ってくる」とも関連があると云えますが、当著作を読みつつ、さらに現在の先が見通せない世界情勢について考えてみますと、去る9月12日の和歌山での勉強会においても、そうしたことがことが話題になっていたことが思い出され、そこから、この勉強会を主催され、長年お世話になっている人文系研究者の先生に、この「現在の我が国を含む世界の不安定な状況」についての、さらなる見解をお聞きしたいと考え、問い合わせたところ、ご多忙のなか面談時間を頂くことが出来たことから、早速訪問し、対談させて頂きました。そこから、以前より少し観念的な視界がクリアになった感がありましたが同時にまた、その視界とは、未だ精確にピントは合っていないながらも、概観としては、必ずしも楽観視出来るようなものではないことから、昨今の不安定化する世界情勢に対する懸念や不安は少しも減ずることはありません。そして、こうした状況においては何故か、私にブログ記事作成を促すことはなく、数日間なかば呆然としていましたが、その後、いくつかの先日の対談に基づいた対談形式の文章を作ってみたものの、いずれも完成に至っていないのが、ここ直近の一週間であったと云えます。しかしやはり、このあたりでひとつブログ記事を作成した方が良いと思い、考えたのが今回の記事と云えますが、こうして作成してみますと、その時に思い、考えていることを多少は考慮して、出来るだけ正直に述べることが、こうしたブログをオリジナルの文章によって継続する方法であったことが、今さらながらに思い出され、少し恥ずかしく思いました…。

 そして、今後も先述した未完成の対談形式の文章に手を加えて、出来るだけ速やかに投稿の予定です。最後に、今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます!

一般社団法人大学支援機構


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ISBN978-4-263-46420-5

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